シーン7 [きっかけ]
シーン7―1[きっかけ]
学校
教室に弥生がいて、何かの紙を見ている。
洋介が登校してくる。
弥生 あ、洋ちゃん。おはよー。
洋介 はよ。
弥生 今日も朝練?
洋介 ん。もうすぐ大会だし。
弥生 それで毎日?
洋介 夏で先輩らは引退だから、張り切っちゃって。
弥生 そっか。大変だね。
洋介 ま、勝つためだし?
弥生 がんばってね。
洋介 おう。
洋介、席に行き荷物を置く。
弥生 一回戦、どことやるの?
洋介 西高。
弥生 あれ?強いとこじゃない?
洋介 去年の優勝校。
弥生 ・・・勝てるの?
洋介 勝つ!
弥生 勝ったら、新聞に載るかもね。
洋介 まじか?
弥生 うん!「強豪校敗れる・・・!」て見出しで。
洋介 おい。
シーン7―2
上総が元気よく入ってくる
上総 おはよ~!
弥生 おはよ。
洋介 はよ。
弥生 どうしたの?上総ちゃん。
洋介 またこんな早いし。今度はなんだ?槍でも降るか?
弥生 何かあったの?
上総 え・・・えへっ。
弥生 ・・・さては、飛鳥ちゃんと、でしょ。
上総 え。なんでわかるの?
洋介 お前は分かりやすいんだよ。
弥生 (遮って)乙女の勘。で、どうしたの?
上総 あ、あのね!飛鳥君が・・・家に来たのー‼
弥生 それで?
上総 いろいろ、二人でお話しちゃった。
弥生 ・・・・・・そっかぁ・・・よかったね。
洋介 どうせ、大和のとこ来たついでだろ?
弥生 洋ちゃん!
上総 まぁ、そうだけどぉ・・・
洋介 だろ?
上総 ・・・せっかくお話してたところに加賀さんから電話かかってくるし・・・。
弥生 秋葉ちゃんから?
洋介 ま、仕方ないんじゃね?友達だろ、あの二人。
上総 ・・・そうかな?
洋介 あ?・・・普通に考えてそうだろ?
上総 付き合ってたりとか・・・
洋介 加賀が言ってた冗談、本気にしてんのかよ。
弥生 上総ちゃんはかわいいなぁ、もう。
洋介 でも、二人がどうとか関係なくね?そもそもあいつ・・・
弥生 洋ちゃん!!
洋介 な、なんだよ。
弥生 やよ、言ったよね?
洋介 いや、でもこれは・・・
弥生 何よ。
洋介 だって・・・和泉って確か・・・
洋介は弥生に何か耳打ちする。
弥生 え・・・・・・
洋介 な?言うべきだろ?
弥生 ・・・・・まだ、早い。
洋介 なんで。
弥生 なんでも!
上総 どうしたの?二人とも。
弥生 なんでもないよ。ところで、どうだったの?飛鳥ちゃん。
上総 え・・・うん。・・・私服、かっこよかったなぁ。
弥生 へぇ。・・・だから、今日はスカートちょっと短いんだ?
洋介 ホントだ。太い足が・・・
上総 うるさい!(洋介を殴る。)
洋介 いってぇ・・・
上総 ・・・うん。まぁね。女の子だし、いろいろオシャレしたいじゃん?
弥生 そりゃあそうだけどさ。やよが何回言っても、長いままだったじゃん。「めんどくさい。」って言って。
上総 そうだっけ。
洋介 そうそう、お前はスケバン目指してんのかって。
弥生 膝下十センチきちっと守って。えらいけど・・・。
上総 えらいならいいじゃん!優等生演じてるんだもん。
洋介 演技かよ。
弥生 (無視して)学校の制服、スカートかズボンかも自由だからって、ズボンで来ることもあったし。
上総 それは、かっこいいじゃない?
洋介 似合ってればな。
弥生 (無視して)でも、スカートとソックスがつながっちゃったり、埴輪はどうかと思うよ?
上総 あ・・・アハハ
洋介 あれは女捨ててたよな。
上総 (無視して)あはは・・・
弥生 う~ん。やっぱり、恋は乙女を変えるんだねぇ。
上総 そうかな?
洋介 お前ら無視すんなよ。
弥生 洋ちゃん、うるさいよ。
洋介 ハイ・・・。
シーン7―3
上総 そういえば、弥生。何見てたの?
弥生 あ、これ?この前の中間テストの結果だよ。
上総 あ~、上位五十人までの名前が書いてあるやつ?
弥生 うん、それそれ。
上総 なんで弥生が持ってるの?
弥生 今日日直だったんだ。で、先生に教室に貼っとけって言われて。
上総 そっか。・・・何か名前入ってた?
弥生 うん。あのね、やよね、英語が一番だったんだぁ~
上総 へぇー、すごいなぁ。うらやましい。ほんと、弥生は英語得意だよねぇ。
弥生 まぁーねぇー♪・・・でも、数学はねぇ、六点だったんだぁ・・・。
上総 ・・・・・・それはそれですごいね。
弥生 うん!
洋介 なぁ、オレは?
上総 載ってるわけないじゃん。
洋介 ヒドッ。
弥生 あ、でも。日本史二番だよ?
洋介 マジ?やっりー!
上総 いるよねぇ、歴史だけ得意な人。
弥生 うんうん。
上総 あたしも見せて。
弥生 はい。
上総、弥生から紙をもらう。
上総 あ、でも・・・。数学その点数でも、五教科総合は四十一番じゃん。
弥生 エヘヘ。すごいでしょ。
上総 うん。
洋介 数学それで、他をどうやったら五十番以内なんて入れんだよ。
上総 確かに。
弥生 ・・・さぁ?
洋介 オレは?
上総 あんたは圏外。
洋介 やっぱりー?
上総 あたしは・・・と。・・・・・・二十七番か。やっぱ、一年生までのようにはいかないかぁ。
洋介 なんだよ。充分すげぇじゃん。
上総 あんたに比べればね。
洋介 なぁ、お前らさっきから俺に対して冷たくね?
弥生 あ、でね、でね。すごいんだよぉ!
洋介 無視かよ。
上総 何が?
弥生 やよの順位の、ちょうど反対なの。
上総 だから、何が?
弥生 大和くんの順位。
上総 ・・・・・・え?
上総、急いで確認する。
弥生 すごいよねぇ。十四番なんてさぁ。
上総 ・・・ホントだ。
洋介 すっげー。
弥生 部活、忙しいと思うのにねぇ。
上総 一年の時は、これに名前なんて載ってなかった・・・
弥生 だよね、知ってる。
洋介 あいつ、裏切ったなー。
弥生 大和くんは、二年生になってからがんばったんだねぇ・・・。
洋介 オレも頑張ったんだけどなぁ。
弥生 洋ちゃんは、授業中寝てるじゃん。
洋介 仕方ねぇだろ、疲れてるんだから。
弥生 それは、大和くんも同じだよ。
洋介 ・・・・・・?(黙っている上総に気付く)
弥生 あ、そうだ!上総ちゃん、数学教えて~‼やよ、明日赤点追試なんだよ~・・・
上総 ・・・・・・
洋介 ・・・・・・
弥生 ・・・あれ?・・・上総ちゃん?
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