シーン6 [テスト休みに・・・]
シーン6―1[テスト休みに・・・]
如月家、居間
大和、時計を見て悩んでいる。
そこへ、上総登場
上総 あれ、・・・なにやってんの?部活は?
大和 テスト休み。
上総 え?テストは昨日で終わったじゃん。
大和、呆れて上総を見る。
大和 その採点で、今日学校も休みになってんだろ?
上総 ・・・あ、そっか。顧問の先生いないとできないんだ。
大和 そういうこと。
上総 なら、自主練とかすればいいじゃん。
大和 そう思ったんだけど、飛鳥から電話あってさ。今日はマネージャーに付き合って、買出しにいくことになった。
上総 マネージャー?!あの・・・あの子と三人で行くの?
大和 あの子って・・・加賀のことか?あいつとは、別行動らしいけど。
上総 そっか。(ほっと胸をなでおろす。)
大和 ・・・で、飛鳥と行くんだけど、困った。
上総 どうしたの?
大和 さっき伊予さんに「今すぐコンビニ行って、『カクテルマンゴーとイカの塩辛』を買って来い!」って言われて・・・もうすぐ飛鳥来るんだ。
上総 ・・・あぁ、またか。・・・でも、なにそれ、ほんとに売ってるの?
大和 らしいよ。
上総 へぇ。すごいねぇ、コンビニって。
大和 だな。
上総 今度探してみよっかなー。普段は見ない、おつまみのコーナーとか。
大和 やめとけ。おっさんくさい。
上総 ・・・そだね。で、どうするの?
大和 とりあえず行ってくる。無視したら後が怖いから。
上総 確かに。
大和 なぁ、悪いけど、飛鳥が来たら、相手しててくんねぇ?
上総 え?!あたし?
大和 じゃあ、代わりに買い行ってくれんのか?女子高生が「イカの塩辛」を・・・
上総 大和、いってらっしゃい‼
上総、笑顔で大和を送り出す。
大和 ・・・・・・じゃ、行ってきマス。
大和、家を出て行く。
上総、大和が出るのを確認して少しした後、表情を変える
上総 ・・・・・・飛鳥君が、来る・・・。どーしよー‼
上総、部屋の中を落ち着きなく歩き回る。
家のベルがなる。
上総 あ、はーい‼
上総、客人を出迎えに玄関へ。
シーン6―2
飛鳥 おじゃまします。
飛鳥、上総と登場。
上総ドギマギ。飛鳥は平然と家の中を見回す。
が、大和が見当たらないため首をかしげる。
上総 あ。・・・その・・・、ごめんね。あの馬鹿、さっきおつかい行っちゃって・・・。
飛鳥 ・・・おつかい?
上総 うん。・・・飛鳥君からの電話の後、伊予さんに頼まれちゃったみたいで。
飛鳥 そへんか。・・・伊予はんの頼みなら仕方ないな。
上総 ほんと、ごめんね。
飛鳥 ええんよ、待つのは慣れてるさかい。
上総 ・・・・・・・飛鳥君て、大和と、同じ部活なんだ?
飛鳥 そや。クラスもおんなじなんよ。
上総 ・・・・・・何部だったっけ?
飛鳥 え?男バスやろ?
上総 あ、そうだったね。・・・じゃあ、飛鳥君も・・・バスケやるんだ?
飛鳥 うーん、そやな。朝練の時とか、よく大和らと3on3とかやっとるよ。
上総 へぇ、そうなんだぁ。
上総、バスケをする飛鳥の姿を妄想
上総 ・・・・・・か~っこい~・・・。
飛鳥 ・・・へ?どうかしたん?・・・如月さん?
上総 あ!な、なに?!飛鳥君。
飛鳥 え?だって今・・・・・・あ。別に何でも・・・
上総、ちょっと気まずい。
上総 あ、飛鳥君‼
飛鳥 な、何や?
上総 ・・・・・・その・・・服。
飛鳥 ふく?
上総 私服、カッコイイね。
飛鳥 そうか?おーきに。
上総 (飛鳥の笑顔に見惚れる)あ、飛鳥君。あの・・・!
携帯の音。飛鳥のようだ。
以下〔〕文、電話の声。声だけ、もしくは舞台の隅で。無しでもいい。
飛鳥 あ・・・。
上総 いいよ、とって。電話でしょ?
飛鳥 すんません、それじゃ・・・もしもし
秋葉〔あ。もしもしアスカ?アタシ。秋葉。〕
飛鳥 秋葉ちゃん?どうしたん?
上総 あきは?!
秋葉〔今日の買出し、アタシは救急箱の中身でいいんだよね?〕
飛鳥 あーうん。んで、オレがユニフォームの受け取りでええんやろ?
秋葉〔ごめんね。重いの頼んじゃって・・・。大丈夫?一年生全員分って、結構あるけど。〕
飛鳥 大丈夫やろ。大和も手伝ってくれるし。
秋葉〔え。ヤマトが?・・そっか。なら、大丈夫だね。じゃあ、おねがいね。〕
飛鳥 了解。(電話を切る。)ごめんな、如月さん。
上総 秋葉って・・・加賀さん?
飛鳥 あぁ、そや。
上総 ・・・携帯の番号まで知ってるんだ・・・
飛鳥 まぁ、マネージャーやし?
上総 (悔しさを必死で抑えている)
飛鳥 で、・・・なんやったっけ?
上総 あ。えっと・・・なんでもない。
飛鳥 そうか?
シーン6―3
大和 ただいまー!
大和が帰宅。急いで家の中へ入ってくる。
上総 おかえり、大和。
飛鳥 おかえり。
大和 飛鳥・・・、やっぱ来てたか。悪かったな。
飛鳥 ええんよ。
大和 悪いけど、もう少し待ってて。
飛鳥 オッケー。
大和は行ってきたときとは逆の方向に行く。
伊予は声だけ?
大和 伊予さん、買ってきたよ!マンゴーティー。
伊予 ありがと~・・・って、カクテルマンゴーは~?!
大和 未成年に酒売ってくれるわけないだろ。
飛鳥 確かに。
上総 そういえば。
伊予 そんなー。
大和 マンゴーにしたんだからいいだろ?ここ置いとくかんな!
伊予 は~い。・・・・・・アルコールがほしいよー・・・
大和、戻ってくる。
大和 待たせたな。
上総 お疲れ
大和 ほんと悪かったな、待たせちまって。
飛鳥 ええんよ。・・・それより。伊予はん、どうかしたんか?
上総 ・・・あれは・・・
大和 毎回のことなんだけどな。
上総 翻訳の仕事の締切明けで、
大和 先生たちにとって今日は?(飛鳥に振る)
飛鳥 ・・・あぁ、テストの採点日!
上総 それを一年生の五クラス分。
大和 しかも今日のうちに。
上総 徹夜明けに、
大和 また徹夜。
上総・大和 ないわ~。
飛鳥 ・・・・・・やっぱり、二人は双子やね。
上総 そうかな?(同時に)
大和 そうか?(同時に)
飛鳥 息ぴったりやん。
上総 えへへ・・・。
大和 ・・・そういやぁ、飛鳥。
飛鳥 なんや?
大和 お前、そんな服も持ってたんだな。
飛鳥 あ~、これな。・・・実は兄貴のお下がりなんよ。
大和 兄貴の?
飛鳥 そ。引越しの荷物、まだ片付いてなくてな。夏服は制服しか出してないんよ。そやけ、仕方ないから兄貴がくれたの着てきた。
大和 なるほど・・・。
飛鳥 それより、もう用事ええんか?
大和 ああ。・・・じゃあ、もう行くか。
飛鳥 おう。
大和 じゃ、上総。ありがとな。行ってくっから。
上総 わかった。行ってらっしゃい。
飛鳥 ほな、行ってきまーす!
上総 い、行ってらっしゃ~い。
大和 ・・・・・・
飛鳥、笑顔で去る。大和も、呆れつつ出かける。
上総 ・・・飛鳥君と・・・、飛鳥君と、二人きりで話しちゃった・・・。
上総うっとり。
照明溶暗
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イカの塩辛・・・普通に好きな人スミマセン。
もっと女子高生が躊躇するものに変えてもいいです。