シーン４ [テスト前]
シーン４―１[テスト前]
如月家、居間
上総、英語のテスト勉強中。
上総 う～ん・・・。えっと、The planetは、惑星だよね。・・・衛星だっけ？恒星？まぁいいや。「その星は・・・すでに・・・」何この単語・・・。オカピ？・・・こういう時は、文脈から判断！・・・「その星はすでに・・・滅んでいた」とか？・・・なんか違う。まだこの後にthoughが続くし・・・。
伊予が自分の部屋から出てくる。
伊予 あれ、上総。なにやってるの？
上総 なにって・・・。テスト勉強。明日から期末テストだもん。
伊予 あぁ、そういえばそんな時期だねぇ。
上総 如月先生、忘れてたんですかぁ？
伊予 所詮、非常勤ですからー。
上総 そっか。
伊予 それに、今は本業が忙しいしね。
上総 だね。
伊予 でも、なるほどねぇ。だから大和は部活休みだったんだ。
上総 え？今日部活じゃないの？
伊予 そう言ってたよ。
上総 じゃあ・・・テスト前日だってのに、勉強もしないで遊んでるんだ？
伊予 それは知らないけど。友達の家行くって。
上総 友達の家？
伊予 そう
上総 ・・・洋介？
伊予 ううん。甲斐くんじゃなくて・・・ほら・・・この間会った、和泉くん。
上総 和泉？・・・飛鳥君か！
伊予 そうそう、その和泉飛鳥君。
上総 ・・・・・・あたしも、勉強じゃなくて、なんか好きなことやりたいよ。
伊予 でも、テスト勉強あるんでしょ？
上総 うん、そこなんだよねぇ。・・・・・・ったく、大和は。何のために部活が休みになってると思ってんのよ。
伊予 ・・・まぁ、大和のことは置いといて。上総は？勉強のほうは順調？
上総 うーん・・・、微妙？
伊予 なにやってんの？（机の上を見て）英語か。だったら、教えられるよ。
上総 伊予さん、仕事は？
伊予 あぁ。さっきやっと三章まで終わったから。ちょっと休憩。
上総 そっか。・・・じゃ、聞いていい？ここなんだけど・・・
シーン４―２
伊予、上総の隣に来て座る。（教材を持ち上げてもいいかも。)
伊予 和訳問題？どれどれ・・・
The planet had already been occupied though the group of the monkeys trained very much was sent.
(適当なところまで読んで、消えていけばよい。以後の英文も同じ)。
「非常に訓練されたサルの集団が派遣されたが、その惑星はすでに占領されていた。」ってとこかな？
上総 あ、そっか。後の文から訳すんだ・・・。じゃあ、こっちは？
伊予 えっと・・・？
The power of monkey's group was paralyzed and it drove it in front of the wolf that had accomplished evolution..
「進化を遂げた狼の前では、猿の集団の力も無力に等しかった。」ってとこかな。
上総 おぉ・・・。さすが、本業。
伊予 まぁねぇ。この程度ならお手の物よ。
上総 翻訳家の名も伊達じゃないね。
伊予 ありがと。・・・でも。二年生は、なんて文章やってんのよ？
上総 ・・・さぁ？
伊予 さぁって・・・。非常に訓練された猿って何よ？しかも集団？日●の猿軍団？惑星が占領って・・・猿の惑星かよ！あ、猿は救助側か。
上総 英語の和訳問題なんて、わけわからないことあっても珍しくないんじゃない？
伊予 でも・・・。
上総 あんまり突っ込んでも、意味ないと思うけど。
伊予 進化を遂げた狼・・・二足歩行にでもなってんのかしら？
上総 こだわるねぇ。
伊予 だって気になるじゃない。
上総 ・・・二足歩行になったらスピード落ちそうよね。
伊予 そうよね・・・じゃあ、牙が大きいとか。
上総 もの噛みにくくなるだけじゃない？
伊予 そうかぁ・・・って。あんた、勉強中だったんじゃないの？ダメじゃない、こんなこと考えてちゃ。
上総 な。伊予さんが先に言い出したんじゃない！
伊予 あら、そうだったかしら？・・・あ～でも、内容はともかくとして。文法的にはこのくらいもう訳せないと。あんた、大丈夫なの？
上総 あたし、英語苦手なの！
伊予 このくらいなら、うちのクラスの子でも訳せるんじゃない？
上総 あたしも、今年一年生が良かったなぁ。
伊予 私はごめんよ？姪の先生やるなんて。
上総 むー・・・英語なんて、無くなってしまえばいい。
伊予 私は、英語だけはよかったんだけどねぇ。
上総 ・・・仕事にしちゃうくらいだもんねぇ。そうだ！今は何の本を訳してるの？
伊予 教えてもいいけど、
上総 けど？
伊予 言ってもわからないでしょ？
上総 ・・・・・・そうだね。
伊予 ・・・それにしても、あんたたちも大変な学校は入ったわよねぇ。市内トップの進学校じゃない。テストばっかりだし・・・。上総はともかく、大和は大丈夫なのかねぇ。
上総 ・・・・・・。
伊予 ん？どうした？
上総 あ。・・・あたしもね、正直、大和が同じ学校は入ってきたこと驚いたんだ。けど・・・
伊予 ・・・けど？
上総 ・・・・・・あいつ、すごいよ。運動部入って忙しいと思うのに・・・
伊予 あら、そうなの？
上総 「そうなの？」って・・・。あたしたちの通信簿見てるじゃん！
伊予 そうだったかねぇ？
シーン４―３
上総 (呆れて)・・・ところで、今度の仕事は、締め切り大丈夫なの？
伊予 え？
上総 前は、前日になって徹夜してたけど・・・
伊予 大丈夫よ。まだ三日あるし。
上総 そうなんだ。
伊予 今日と明日頑張れば、あさってには余裕。
上総 じゃあ、頑張ってね。
伊予 ありがと。
携帯電話の音C.I
伊予 ん？誰？担当じゃないでしょうね・・・(電話に出て)はい、もしもし・・・え、山勝先生?!・・・はい・・・はい、わかりました。学校ですね？すぐに行きます。(電話を切って)・・・てことで、出かけるから。
上総 え？ちょっと、仕事大丈夫なの?!
伊予 山勝先生！(聞いてない)
伊予、急いで自室へ戻る。
上総、それを呆れ、苦笑しながら見送る。笑みが消えると・・・
上総 ・・・「上総はともかく」かぁ・・・。
上総、しばし考えた後、また、テスト勉強を再開する。
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※C.I⇒始めからMAXの音量で？もちろん、その場にふさわしい音量で在るべきですが。
