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シーン2 [一目惚れ]

シーン2―1[一目惚れ]


 夕暮れ時の学校、上総のクラス

 舞台上には上総一人。制服でスカート姿なのにもかかわらず、豪快に椅子に腰かけ漫画を読んでいる。

 そこへ、部活を終えた大和が通りかかる。


大和 あれ…上総。まだいたんだ?

上総 ん。伊予さん今日、学校来てるから。

大和 なるほど。


 上総、漫画から目を離さず、暑さに耐えかねてスカートをパタパタさせたりする。


大和 お前・・・。それ、女としてどうよ?

上総 うるさいなぁ。ちゃんとスパッツはいてるから大丈夫だって。

大和 いや、そういう問題じゃねぇだろ。

上総 あんたには関係ないでしょ!

大和 ここ学校だろうが。

上総 みんな、帰ったか部活してるかだし。

大和 俺の友達が、今、ここに来てんだけど?

上総 弟の友達なんて関係ないし

大和 同学年だろうが。

上総 そうだっけ~?

飛鳥 大和ー?


 飛鳥が登場。上総を見つけて


飛鳥 こんにちは。


 上総、飛鳥を見て茫然。はっとして、居住まいを正し、必死に女らしさを取り繕う。

 廊下の反対側から伊予が登場


伊予 上総~、お待たせ。帰るよ。


 伊予、飛鳥の姿を認めて一瞬動きが止まる。と思うと、ニコニコとしだす

 大和、そんな二人に呆れつつ、


大和 教室行くか。


 飛鳥を促し廊下の奥の自分たちの教室へ行く

 上総と伊予、二人が去るのを確認して


上総 ・・・・・・誰だろ、あの人。

伊予 かっこよかったわねー。美少年ってやつ?

上総 (黙って頷く)

伊予 ・・・大和の友達にしちゃあ、レベル高いねぇ。

上総 (再度頷く)

伊予 私も、あと十歳若ければねぇ・・・

上総 ・・・・・・叔母さんの場合、ソレ冗談にならないから。


 伊予、上総の言葉に過剰に反応。上総、ハッとするが遅く・・・


伊予 上総ちゃ~ん?聞き間違えかなぁ?今、「オバサン」って、聞こえたんだけど?

上総 な、なな、何言ってんの、伊予さん。聞き間違えだって!うん。

伊予 そうよねぇ。私はまだ、二十代の若者なんだから。「オバサン」だなんてありえない!

上総 ギリギリだけどね。

伊予 なんか言った?!

上総 な、なんでもありません・・・

伊予 それから、学校では?

上総 如月先生!

伊予 よろしい。



シーン2―2


 大和と飛鳥が戻ってくる


上総 あ、あれ。もう用事済んだの?

大和 部活終わって、忘れ物取り来ただけだから。もう時間遅いし、長居する理由もないだろ?

伊予 そうだねぇ、そろそろ夕飯時だものねぇ

飛鳥 ・・・・・・(伊予をじっと見ている)

大和 (飛鳥の様子に気付き)どうした?

飛鳥 いやぁ・・・。センセ、どえらく若いな。前言ってた先生やっとる保護者って、如月センセのことやろ?とても、高校生の子が()るようには見えへんわ~

伊予 え。


 飛鳥、お世辞のつもりか笑顔。

 伊予も笑顔だがかえって怖い。

 大和と上総はあわてる


大和 ちょ、ちょっとこっち来い!‼


 大和、飛鳥を引っ張ってそこから少し離れる


大和 言い忘れてたけど、伊予さんは母親じゃないんだ。俺らの母親の妹・・・つまり叔母さんで、しかも母さんとはすんげー歳離れてて、母さんとよりも俺らとの方が歳近いくらいなんだ。ほら、サザエさんのタラちゃんと(自分を指す)ワカメ (伊予を指す)みたいな。


 飛鳥、呆然とする


飛鳥 ・・・やったら・・・ホンマに若いんか。

大和 (大きく頷く。)


 飛鳥、少々焦るが元の表情に戻し伊予の元へ戻る


飛鳥 申し訳あらしまへん。その・・・センセが、伊予はんがあんまりに若くてうつくしい方やったさかい、驚いてしもうて・・・、そこまで考えが至らへんかったんです。かんにんやす。

上総 ・・・・・・

大和 ・・・・・・

伊予 ・・・まぁ、そうだったの?いいのよぉ、謝ってくれたんだから。もう、「伊予ちゃん」て呼んでいいわよ~

大和 「ちゃん」てガラじゃねぇだろ。

伊予 なんか、言った?

飛鳥 いえいえ。いくら伊予はんがお若いからといって、「ちゃん」呼ばわりなんて、恐れ多くてでけしまへん。

伊予 まぁ、礼儀正しい子ね。

飛鳥 いやぁ、おーきに。


 伊予、「若い?美しい?」とウキウキ


大和 ・・・・・・はぁ。あー・・・、じゃ、帰るか。

飛鳥 そやな。

上総 あれ、伊予さんの車乗ってかないの?

大和 飛鳥と帰る約束してるし。

上総 そっか。

伊予 気をつけて帰ってきなさいよ。

大和 ん。じゃあ、行くか。

飛鳥 大和、今日疲れてるんちゃう?忘れ物取りくるのにも付き合ってもうたし。

大和 大丈夫だって。近くまで送ってく。

飛鳥 ホンマ?おーきに。けど、ええんよ?(きー)使(つこ)うてくれるんは嬉しいけど。

大和 でも・・・

飛鳥 オレ、家すぐ近くやし。

大和 そうか?・・・・・・じゃ、悪いな。気をつけて。

飛鳥 ん。ほな、また明日な、大和。それと、めんこいおねいはん。


 飛鳥、去る



シーン2―3


上総 大和、「めんこい」って、「かわいい」って意味だよねぇ?

大和 ん?あぁ。そうじゃねぇか?


 間


上総 そんな、かわいいだなんて・・・

大和 社交辞令だろ?

上総 きゃ、もうっ。

大和 ・・・・・・聞いてねぇし・・・

上総 ねぇ、大和。さっきの彼、名前なんていうの?

大和 え?・・・・飛鳥、和泉飛鳥。

上総 飛鳥君・・・。

伊予 へぇ、聞かない名前だね。

上総 そうだ!飛鳥君、なんで関西弁?なのよ。

大和 転校生だよ。ほら、二年から転入してきたやつ、いただろ?。

伊予 へぇ。

上総 そっか、それって、飛鳥君だったんだぁ。

伊予 なるほどねぇ。・・・さて、そろそろ帰るか。いつまでもいると教頭がうるさいからね。

大和 はーい。


 大和、はける(初め入ってきた方向へ)

 伊予もゆっくりと、それに続く。


上総 ・・・・・・。

伊予 (上総に気付き立ち止まる)何ぼうっとしてんの。早く来ないと、置いてくよ。

上総 あ。は~い・・・。


 上総、急いで大和の行ったほうへ行く。




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