シーン1 [プロローグ]
シーン1[プロローグ]
音楽F.I
開幕
如月家
舞台には上総と大和が適度な距離をおいて、前を向いて並んで立っている。
二人それぞれにサス。
上総 クラスの中でどうだとか、学校全体の中でどうだとか、そんなの関係なかった。あたしはただ・・・母さんに、「頑張ったね」の一言を言ってもらいたかっただけ。
大和 「頑張って」とか、「あなたはやれるって信じてる」とか・・・。嬉しかったのは最初だけ。大きすぎる期待に、いつも押しつぶされそうだった・・・
上総 「あなたはできる子だから安心しているわ。」って。いつも無関心なのに、そんな時ばっか・・・。あたしも不安だったのに・・・
大和 俺だって頑張ってるのに、なんで叶わないんだろ?
上総 母さんの愛情を独り占めしている大和を憎らしいとさえ思った
大和 母に縛られることなく、自由でいる姉・・・。なのに、けして超えられない大きな壁。そんな姉に・・・上総に、腹が立った。
上総 でも・・・
大和 けど・・・
二人、だんだんと中央を向いていき闇を挟んで向き合う形になる。
上総 わかってる。
大和 それは違うんだってこと。
上総 ホントに大和が憎いわけじゃない
大和 腹が立つのは、上総にじゃない。
二人 ただ、うらやましかっただけ・・・
照明溶暗
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※F.I⇒だんだんと入ってくる(?)
音に使っているので、限りなくppに近い感じからクレッシェンド・・・という感じ
※溶暗⇒だんだん暗くなる。≒照明F.O