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シーン12[それから・・・]

シーン⒓―1[それから・・・]


 家や学校のセットは片付けてあるか、少し後ろへ下げてある。

 夏休み、学校敷地内。

 上総、弥生、洋介の三人が下手から登場

 上総はなんでか不機嫌。


弥生 う~ん!すごかったね、大和ちゃん。

洋介 残り三秒で逆転スリーポイントシュート、だもんなぁ。

弥生 見に来てよかったぁ。

洋介 上総、今度はサッカー部の試合、見にきてくれよな。

上総 ・・・んー。(気の無い返事)

洋介 上総?


 洋介、立ち止まり上総の顔を覗き込む。


弥生 どうしたの?上総ちゃん。

上総 ・・・飛鳥君出てなかった。

洋介 ・・・は?

弥生 え?

上総 大和が試合あるって言うから・・・バスケを・・・バスケする飛鳥くんを見に来たのに!!

洋介 ・・・・・・(上総から弥生へと視線を移す)

弥生 ・・・・・・(視線に気付き思考をめぐらす)

洋介 お前・・・。まだ言ってなかったのか?

弥生 ・・・うん、みたい・・・。

上総 え?・・・何?二人とも、何か知ってるの?

洋介 ・・・・・・(弥生を見る)

弥生 ・・・・・・(洋介を見る)

上総 (2人に順に目を向ける)・・・・・・洋介。

洋介 へ?

上総 教えろ。

洋介  (弥生に目を向ける。)

弥生 (すまなそうにしている)

洋介 ・・・・・・分かったよ。(ため息)じゃあ言うけど。お前、怒るなよ?

上総 いいから早く!!


 洋介、上総に何か耳打ちする。

 上総、過剰な反応


上総 は?・・・何言ってんの?あんた。

洋介 ・・・そう言うよな、やっぱ。

上総 バカなこと言ってんじゃないわよ!なんでそんな・・・!



シーン⒓―2


 下手から、試合を終えたバスケ部の三人、大和、飛鳥、秋葉が登場。


秋葉 あ。如月さんたちだぁ。

大和 げ。

飛鳥 見に来てくれてたんやぁ。おおきに。

上総 飛鳥君?!


 上総、飛鳥に駆け寄る。


上総 あ、飛鳥君。聞きたいこと、あるんだけど。

飛鳥 ん。何なん?

上総 あ、あの・・・洋介のバカがね、変なこと言ってたんだけど。

飛鳥 甲斐が?

上総 ・・・・・・飛鳥くんは・・・その・・・女の子・・・なの?

飛鳥 ・・・・・・一応、性染色体はXXのつもりやけど?

上総 そっかぁ・・・って、洋介!XXってどっち?!

洋介 だから、女だろ?生物の基本だろうが。

上総 あたしは地学選択なの!!

洋介 普通に知っとけよ!

飛鳥 あの・・・上総ちゃん?

秋葉 アスカは、れっきとした女の子だよ?・・・見てみる?

大和 加賀?!何言ってんだよお前は。

上総 うそだ~!!

洋介 現実逃避すんな。

上総 だって・・・男バス・・・

大和 飛鳥はマネージャーだよ。

上総 制服も私服も・・・

洋介 うちの学校、女子はスカートかズボンか自由だろ。

飛鳥 兄貴の服借りてきたって言うたやん。

上総 でも・・・(秋葉に視線を向ける)

秋葉 あ~。アタシが、アスカの事狙ってるとでも勘違いしてた?

上総 ・・・だって、すごくベタベタしてたし…。

秋葉 アハハ。女の子同士だし。アスカとはいいお友達だよん。それにアタシ、彼氏いるし。

上総 えぇ!!

秋葉 三つ上の、大学生なんだぁ。今日も、これからデートなんだよ。

上総 へ、へぇ…。

秋葉 てことで、彼が待ってるから。じゃ、ねー。


 秋葉、上手へ駆けて行き、はけ切る前に立ち止まり、振り返る。


秋葉 あ、そうだ。アスカ、ヤマト!今度、ダブルデートしようね~。


 秋葉、意味深な笑みを残しはける。


シーン⒓―3


大和 あいつ・・・なんで・・・

飛鳥 あっちゃあ・・・どえらい爆弾残してきよった・・・


 大和と飛鳥は疲れた顔。上総、弥生、洋介は驚きを隠せない。


上総 ・・・・・・大和、あんた・・・。(大和に詰め寄り)いつの間に彼女できたのよ!!

大和 あ、いや・・・その・・・、だから・・・

上総 姉のあたしを差し置いて・・・相手は誰?

大和 へ?

飛鳥 あ、あのなぁ、上総ちゃん。

上総 飛鳥く・・・ちゃんには、後から聞くから。まずは大和、あんたよ!

大和 や。だからさ・・・

弥生 大和ちゃんと飛鳥ちゃん、付き合ってるの?

上総 は・・・?

大和 ・・・・・・あぁ。

飛鳥 まぁ、そういうこと・・・なんよ。

弥生 ・・・・・・(大和を見てる)

洋介 ったく、加賀の言い方でなんとなくわかんねーのかよ、バカ。

上総 バカって何よ!・・・大和も!なんでもっと早く言わなかったの!

大和 なんで上総にわざわざ報告しなきゃなんないんだよ!

上総 なんですって~!

洋介 ・・・・・・(大和を見る弥生に気づく。)

飛鳥 堪忍な。ホンマは、もっとちゃんと言いたかったんやけど…。

大和 飛鳥が謝ることじゃねぇよ。

上総 そうよ!大和が謝れ!

大和 はぁ?

弥生 上総ちゃん!・・・付き合ってる人たちの邪魔しちゃだめでしょ。

上総 弥生~?

弥生 大和ちゃん、二人で帰るんでしょ?

大和 ・・・まぁ、そうだけど。

弥生 ・・・だよね。

大和 ?

飛鳥 ・・・・・・(弥生に目を向ける)

洋介 大和、そんならさっさと行けよ。バカなら俺らで抑えとくからさ。

上総 ばかって・・・んが・・・(洋介に抑えられる)

大和 あ、あぁ。サンキュ。

飛鳥 でも・・・(弥生に目を向けたまま)

弥生 (視線に気づき笑顔を作る)大丈夫だからさ、行きなよ。

大和 じゃあ、悪いな。またな。行くぞ、飛鳥。

飛鳥 あ、うん・・・。ホンマ、おおきに、美作さん。


 大和、飛鳥、上手へはけていく。



シーン⒓―4


弥生 ・・・・・・(二人の去った方を見ている。)

上総 んんー!!(暴れて洋介の拘束から逃れる。)

洋介 うゎ・・・(上総を放す)

上総 ・・・弥生

弥生 何?上総ちゃん。

上総 よかったの?

弥生 ・・・・・・何が?

上総 だって、弥生は・・・ずっと・・・

弥生 上総ちゃん。


 音響F.I


上総 ・・・・・・

弥生 よかったね。大和ちゃん、幸せそうで。

上総 ・・・・・・うん、そうだね。

洋介 ・・・んじゃあ、俺らも帰るか?

上総 あ。じゃあ、帰りにどっか寄ろうよ。やけ食いしたい気分なの。

洋介 しゃーない。なんか奢ってやるよ。

上総 ホント?!ラッキー

洋介 弥生も行くだろ?

弥生 え・・・あ、うん。

上総 どこにしよっかなぁ・・・

洋介 あんま高いとこにすんなよ。


 上総、洋介は上手へ向かって歩き出す。


弥生 ・・・・・・バイバイ大和ちゃん。

洋介 弥生、どうかしたか?

上総 弥生、早く!

弥生 うん・・・。


 三人とも歩き出す。


上総 てかあんた、さりげなく弥生のこと名前で呼んだでしょ。

洋介 あ、そういやぁ。

上総 実はあんた、弥生のことが好きとか?キャー

弥生 えー、やよ困っちゃーう

洋介 バカ。上総のがうつっただけだっての。

弥生 ホントにー?

洋介 うそじゃねぇよ!


 弥生と洋介、はける。

 上総、空を見上げる。


上総 母さん、あたしね・・・


 音響の音量が上がる

 上総、何かを言っているが聞こえない。(口パク)

 少しの間のあと、笑顔になる。

 楽しそうにはけていく。

 入れ替わるようにして、

 照明溶暗

 音響F.O



―幕―

※音響F.O⇒だんだん音が小さくなっていきながら消える。


シーン7で弥生が聞いたのは、もちろん飛鳥の性別。洋介は、部活帰りに会ったときに知っていたのでした。

弥生がすぐに上総に伝えなかったのは、意地悪ではなく、ショックが大きいと思ったから。

自分もかなりショック(好きな男の子の親友かと思ってた子が、女の子だった・・・あんなに仲いいなら、もしかして?)だったので、今上総が落ち込んでも自分に慰める余裕がないと判断。

翌日くらいには話そうかなーなんて、放課後には落ち着いてきていたのですが、今度は上総の家の事情というか、兄弟の事情というかが出てきてうやむやに。

いつの間にか、あれ?話してなかったっけ?というか、忘れかけてるというか・・・ごめんね、上総ちゃん。


結構無理な展開もあるかと思いますが、ある程度はご勘弁を。

TVドラマとはちょっと違うので・・・と言いつつ、最近のTVならあるような気もする。


最後まで読んで下さりありがとうございました。



 上総たちの後日談を、短編小説集?で公開しはじめました。

よろしければ、そちらも見てやってください。

小説形式で、かなりお気軽に書いてますが、寛大なお心でもって許容していただけると幸いです。

 2013/5/10 追記

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