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外の世界  作者:
外の世界
72/75

断ち切れぬ連鎖2


 「っ……! やってくれますね……」


 「いい加減諦めたらどうだ?」


 俺は剣の切っ先をチャールズに向ける。レイチェルとニックも他方向から奴を追いつめた。


 「くっ……!! ―――ん? ああ、その手がありましたか」


 チャールズの視線の先には、負傷して動けない玲の姿があった。


 「待―――!」


 止めようとしたのも虚しく。チャールズは玲の元へ行くと、彼女の首筋にナイフを突き付けた。


 「おっと。それ以上近づかないでくださいね? この子がどうなっても知りませんよ~?」


 「人質とか卑怯だぞ!!」ニックが叫ぶ。


 「酷い言われようですねぇ。これも戦術の一つですよ」


 チャールズが優越感に浸った笑みを浮かべたその時。


 「ゴフッ!! な、何を……?!」


 奴は吐血した。驚いて玲を見ていた。彼女はナイフを手掴みで奪い取り、自分もろともチャールズを刺したのだった。


 「早く!」


 玲は苦痛に顔を顰めて言った。


 「早く、こいつを倒して!!」


 チャールズに対し嫌悪感を抱いていたニックが即座に動き、奴の首を切り落とした。


 「玲!」


 俺たちは玲に駆け寄る。


 「こ…のまま……しておいて……」


 玲が喋るたび、ヒューヒューと音がする。


 「わたしはもう、こんな世界で生きていたくない……」


 「玲……」


 玲は静かに目を閉じ、そしてそのまま動かなくなった―――。









  その時。


 「クリスっ、危ない!!」


 悲しみに暮れる暇もなく事態は進行していく。クリスはフローラの攻撃を避けきれず、壁に激突した。


 「チャールズを倒したんだね」


 クリスは起き上がって言った。


 「……ああ」


 その代償は大きかったけれど。


 「そうか。良かった……」


 クリスは少しだけ笑った。


 「今度こそ、本当のさよならだ」

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