再始動
色々ごっちゃでごめんなさい(-_-;) 同時進行を書くのが難しい……。
■ ゼロ・レイチェル・ニック 視点 ■
鈴が去った後、ゼロは百八十度反対の道を歩き始めた。
「ゼロ?!」
レイチェルとニックは驚いてゼロを引きとめる。すると、ゼロは深く―――とにかく疲れている様子だ―――溜息をついた。
「鈴を追いかけなくちゃ!!」
「俺がここまで来たのは、『アリスを守る』ためだ。だが、アリスの無事は確保できた。それ以上にやるべきことが、今この場にあるか?」
「あるに決まってるだろ! 仲間を助けに行かなくてどうするんだよ?!」
ニックは、それでもなおイハウェル王国に帰ろうとするゼロの肩を掴んだ。突然何を言っているんだと言わんばかりである。だが、ゼロにその説得は通用しなかった。
「あいつは一人で玲を助けると言った。俺たちの助けはいらないだろう」
「それはどうかな」
突然声が空から降ってきた。
「誰?!」レイチェルは戦闘態勢に入る。
「この魔質……!?」
魔質とは、魔法エネルギーの性質のことであり、これは人によって違う。
「まさか―――!!」
■ 鈴 視点 ■
「ねえねえ、どうして皆と一緒に来なかったの?」
のそのそとポケットから出てきたカイが鈴に尋ねた。鈴はぞくぞくと出てきた兵士たちを剣で薙ぎ払いながら答える。
「さあ、どうしてなんだろうね」
■ クリスチアナ 視点 ■
「僕を殺すことが目的でないのなら、君はどうして僕の前に現れたんだい?」
するとマルスは冷笑した。
「尋ねる前に己で考えてみてはどうだ。私がなぜ、お前の前に現れたのかをな」
これは数時間前の会話である―――。