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外の世界  作者:
外の世界
61/75

鈴(リン)と鈴(スズ)

 フローラの城のテラスに繋げておいたロープが鈴を誘導する。鈴はただ、ロープにつかまっているだけで良かった。


 ―――助けに行くだなんて、まどろっこしい。


 スズは視界に現れては消えていく木々を潜り抜けながら思った。


 ―――みんな殺せばイイジャナイカ。









 驚くべき速さで移動していたため、フローラの城は目の前だった。鈴はロープを結んでいたテラスに降り立つと、指を鳴らして作ったロープを消滅させる。


 「な、何者だ?!」


 物音に気付いた兵士が鈴の元へとやって来る。


 「さて、と……。殺人パーティーの続きをしようか」


 スズはにやりと冷たく恐ろしい笑みを浮かべて言った。


 その瞬間、鈴が容赦なくツーハンデッドソードを振り上げる。気のせいか、普段より剣を振るうスピードが速い。


 「何だこのガキ?! つ、強い……!! 誰か来てくれ!!」


 怯えながら兵士は攻撃をかわし、剣を横に薙ぎ払った。鈴はわざと体制を崩してそれを避ける。応援に駆け付けた兵士の剣が鈴の頬をかすった。


 「……これだけ? もっと頑張ってよ、兵士さん」


 「――――っ?! こいつ、狂ってやがる!!」


 「アハハッ、理性なんて無くてもいいじゃないか。あったとしても、虚しいだけだよ」


 それと同時に鈍い音が発せられた。


 「………何だ?」


 兵士は音が発せられたところを恐る恐る見やる。そこには、赤い染みができていた。それは徐々に広がって行く。兵士はどさりと倒れ、二度と動かなくなった。


 「しっかりしろっ、おい!? くそっ、このガキめ!!」


 もう一人の兵士が鈴に向かって走る。


 「無様だね」


 殺シタイ殺シタイ殺シタイ、殺シタクテ仕方ガナイ。


 コイツラハ僕ノ敵ダ。敵ハ殺サナケレバナラナイ。


 「僕に頼らなければ生きていけないだなんて」


 辺り一面は血の海になった。鈴はつまらなさそうにそれを眺めた後、その場を後にした。






                ”無様ダネ、リン





        



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