↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
33/33

番外編20.たろう、ママとひみつのけいかく


「ただいまぁ」


 玄関を開けて家の中に入り、リビングにいるママに声かける。


「たろちゃん、たろちゃん」


 キッチンにいたママがスリッパをパタパタとさせながら走ってくる。


「なぁーにぃ?ママどーしたのぉ?」


 目を輝かせながらぼくの手を握るママ。


 (ママさてはこれ何か企んでるな)


 こんな時のママは大体何かを考えてる。


「あのね!たろちゃんママいいこと思いついたの」

 弾んだ声のママ。


「パパとね、土日で旅行行くことにしたの!ママテレビで見たホテルに行きたくなったの」


 さては、ぼくを置いて2人で旅行に行くって話だな。

 そうあたりをつけて頷きながら聞くぼく。


 土曜日はあゆくんと図書館でお勉強する予定。

 心の中でにんまりとする。

 

 日曜日もあゆくんに会えるチャンスきた!

 

 (あゆくん日曜日も大丈夫か早く聞かなきゃ)


 ぼくの頭の中で計画を立てながら、あゆくんに連絡したくてソワソワし始めてる。


「うん。いいねぇ——。気をつけて行ってきてねぇ」


 ママに、にっこりと笑顔を見せてそう伝える。


「でね!ママいいことを思いついたの!」


 ママの目が輝いてて、すっごく楽しそう。

 そのママの姿をみてぼくも笑顔になる。


 

「ん?ママ何を思いついたのぉ?」


 こんな時のママはきっとすっ——ごぉいことを思いついてる。


「パパとママいないから!ほら!うちでお料理教室したらどぉ?」


 ママの発言に、ぼくは目が点になる。


(ママ今なんて言った?)


 頭の中にママの言葉がゆっくりと染み渡ってくる。



 ぼくをみてニコニコしてるママ。


「きゃぁぁぁあ——!ママいいのぉ?」


 握ってるママの手をそのまま上下に振ってぴょんぴょんと飛び跳ねるぼく。

 ママも一緒に飛び跳ねてくれる。


「もっちろん!どう?たろちゃんこの計画」

「ママ、最高!たろう嬉しい——!」


 2人でそのままクルクルと回る。


「ママやっぱり最高!たろうのママ素敵!」

「そうでしょ?ママもこの計画思いついた時、ママ最高じゃん!って思ったの」


 2人で回って飛び跳ねてとハイテンションで話す。



「ママ!いいのぉ?本当にいいのぉ?」


 喜びを落ち着かせて、ママにきちんと確認する。


「もちろん!あゆくんお料理してみたいって言ってるんでしょ?それならここでする方がいいでしょ」


 あゆくんとお料理しようと話してたけど、キッチンスタジオは予約でいっぱいで使えなかった。

 

 (ママその話覚えててくれたんだ)


 ママの優しさにじんわりと胸が熱くなる。


「本当はねぇ。ママも会いたいの。でも最初からママいたらあゆくん緊張するだろうからまずはお家に慣れてもらおうかと思って」


 そう言ってくれるママ。


「お家に慣れてもらう?」


 ママの言葉に首を傾げるぼく。


「そぉよぉ。たろちゃん」

 ママはイタズラっぽい目でにんまりと笑ってる。


「あゆくんにたろちゃんのお家に慣れてもらったらママたちにも会ってくれるかなぁ——って」

「ママあゆくんに会いたいもんっ」


 力強くそう言うママ。


 ママの言葉をゆっくり頭の中で考える。


 (たろうの家にあゆくんに慣れてもらう?)


 

 あゆくんがたろうと一緒にキッチンに立ってる姿を想像する。


 (きゃぁぁ——やばいよぉ)


 頭が一気に熱くなる。


 (どうしよぉ。あゆくんがこのリビングにいるのぉ)


 想像したら顔まで赤くなってくる。


「ママどうしよぉ。あゆくんがたろうの家にいる姿想像したら胸ドキドキしてきたよぉ」

「あらやだ。たろちゃんお顔真っ赤じゃない」


 ママが手でぼくの顔を仰いでくれる。


「あゆくんがキッチンでたろうと一緒にお料理してる姿想像したのぉ」

「ねぇママぁ。それ新婚さんみたいじゃない?」


 ママの手を握りしめて話すぼく。


 ママは柔らかい微笑みをぼくに向けてくれる。


「いいわねぇ。新婚さんごっこ。楽しいわねぇ」

 ママが頷きながら優しい目でぼくをみてくれる。



 しばらく黙って頭の中で今ママと話したことをぐるぐると考えた。

 ママは黙ってぼくのことを見つめてくれてる。

 

(あゆくんに居心地いいと思ってもらえるようにしよう)


 ようやく頭がぽわぁ——としてたのが落ち着いてきた。


 ニパッと笑ってママをみて口を開くぼく。

 

「ママぁ。最高!たろう!あゆくんに家に慣れてもらう!そしてママが早くあゆくんに会えるようにするねぇ」


 ぴょんぴょんと飛び跳ねながらママに伝える。


「たろちゃんそうしてぇ。ママねぇ絶対あゆくんのこと好きになると思うのぉ」

「なんでぇ?」

「だってたろちゃんのママだもん!」


 自信満々に胸張って答えるママ。


「たろちゃんの好きな人をママが好きにならないわけないでしょ」

 しっかりした口調でそう言うママ。



 (ママの気持ちが、あったかい)


「ママありがとぉ」


 ママに抱きつくぼく。

 ママもしっかりとぼくのことを受け止めてくれる。


「でもねぇママ」


 ママから離れてママの顔を見る。


「ママでもあゆくんはあげないからねぇ。あゆくんはたろうのだからねっ!」


 しっかりとママに宣言をした。


 (あゆくんに早く連絡しなきゃ)

 

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。