表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第一部完結】雪割草の咲く頃に  作者: BIRD
異能を継ぐ者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/82

第41話:元側妃の失踪

 後宮から抜け出したアナスタシアは、人目を忍んで従妹のエリザヴェータの嫁ぎ先を訪れた。

 実家の両親も味方してくれるだろうが、後宮にいないことが分かればアンゼリカの手の者が真っ先に探しに来る予感がする。

 他の血縁者のところにも来そうだが、タイミングとしては後になるだろう。


「閉店後にごめんね、中に入れてもらってもいい?」

「どうぞ」


 普段の買い物なら大通りに面した店の入り口から入るアナスタシアだが、今回はその反対側にある裏口の扉を叩く。

 出てきたエリザヴェータは、馴染みの客でもあるアナスタシアの表情から只事ではないと察して招き入れた。


 エリザヴェータの家は没落しており、彼女は服飾デザイナーとして生計を立てている。

 没落貴族の令嬢と知られれば他の貴族から心無い言葉をかけられそうなので、エリザヴェータは姓を捨てて平民として生活しており、アナスタシアも従妹であることを隠していた。

 そのため、王宮の人々にはアナスタシアとエリザヴェータが従妹であることは知られていない。


「ごめんリーザ、何も聞かずにこのドレスと装飾品を買い取ってくれない?」

「いいわよナーシャ、他に何かできることがあればいつでも頼ってちょうだい」


 側妃として生活していた頃のドレスや装飾品は、売ればかなりまとまったお金になる。

 子供の頃の愛称で呼び合う2人は、店内ではなく奥のプライベートルームで手早く売買を済ませた。


「ありがとう。またね」


 来たときと同じように、アナスタシアは裏口から出ていく。

 エリザヴェータは事情を聞きたいところだが、今は知らない方がいいのだろうと思う。

 それから数日後、宮廷侍女アナスタシアの失踪がニュースで報じられた。



 アンゼリカはアナスタシアの失踪によって、やはり妊娠していたと確信に至る。

 ヒュブリスに雇われた暗殺者がアナスタシアの部屋に忍び込んだが、誰もいなかったと報告した。


(逃げたわね。必ず見つけ出して始末してあげる)


 後宮の頂点に立つアンゼリカは、ヒュブリスと同じく冷酷な性格である。

 アナスタシアが逃げたことに気付いてもしばらくは伏せておき、密偵に親族を調査させた。

 見つけ出したらそのまま事故を装って殺すつもりだ。


 実家の両親は本気で知らない様子。

 人が1人増えた形跡も無い。

 城からいなくなったと聞いて慌てふためいていた。


 伯爵家に嫁いだ姉のところにも来ていない。

 姉はアナスタシア失踪を聞いた途端、城のどこかで死んでいるのではないかと心配していた。


 裕福で頼りにしそうな叔母のところにも来ていないという。

 叔母からは「庭園の池に沈んでいませんか?!」などと言われた。

 最愛の我が子シェースチ皇子の死を悲しむあまり、自殺したのではないかと思われたらしい。


 数日探し回っても見つからず、アンゼリカはマスコミの力を利用するため情報を流した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ