第27話:ストーカー?
「えっ? 実家まで来ちゃったのか?!」
「まるでストーカーのようだね」
風呂上がり。
愛歌の部屋に来た春樹とセリオスは、見覚えのある白鳥がいるので驚いていた。
『どうしてここまで来たの?』
『オーラを探知したらアイカがいつもと違う場所にいるから、制作者のところへ帰っているのかと思って見に来たの』
『製作者……私は人工物じゃないんだけど』
『普通の人間だと思わせる実験をしているのかもしれないわ』
『違うと思うけど……とりあえず父さんと母さんに合わせてあげる』
白鳥の思い込みの激しさに辟易する愛歌は、白鳥を自分の両親に会わせてやることにした。
「ちょっと父さんたちのところへ行ってくる」
「「「はーい」」」
部屋で仲良くテレビを見ている友人たちに声をかけて、部屋から出る愛歌に白鳥が続く。
西野夫妻も、居間で寛ぎながらテレビを見ている。
愛歌は手前にいる母親に声をかけてみた。
「ねぇお母さん、私ってお母さんのお腹から生まれたんだよね?」
「勿論よ。突然どうしたの?」
まるで小さい子が訊くような質問に、母は怪訝な顔をしつつも即答する。
すると愛歌の後ろから紫の瞳の白鳥がヒョッコリ姿を現して、ヨチヨチと母に歩み寄って行く。
「あら~ダメよ愛歌、野鳥はペットにできないわ」
「違う違う、この子勝手に入ってきたの」
勘違いする母と、慌てて説明する愛歌。
白鳥はそんな2人を交互に眺めた後、奥のソファに座ったまま傍観する愛歌の父に歩み寄る。
「随分人懐っこい鳥だなぁ。誰かに飼われて……」
途中まで言って、父は何かに気付いたように沈黙した。
彼は白鳥の瞳をしばし見つめた後、そっと片手を伸ばして白鳥の翼を掴む。
翼の裏側を確認するようにそっと広げて見ても、白鳥は無抵抗でされるがままになっている。
「どうしたの? お父さん」
「ん? あぁ、人懐っこいから誰かのペットかと思って確認しただけさ」
愛歌に問われて、父はまたハッと我に返ったように応える。
レース鳩のように翼の裏側に刻印があるかもと思った父の予想に反して、白鳥の翼は白いままだった。
翼から手を離した父を、白鳥がじっと見つめる。
父も白鳥の紫の瞳をしばし見つめた後、軽く溜息をついた。
『他にもいたんだな。みんな処分されたと伝え聞いていたが』
『卵を隠した研究員がいたのよ』
『そうか、うちとは違うパターンの生き残りだな』
『貴方やアイカは隠された卵じゃないの?』
『違うな。うちの家系は特殊なパターンさ』
(え?!)
……と、普通にテレパシーで会話し始める父と白鳥の【声】に、愛歌はギョッとする。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもない」
テレパシーは、母には聞こえていないらしい。
困惑する愛歌の心を置き去りに、父と白鳥はテレパシーで話し込んでいた。




