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第4話 大きい敵ほど強いらしい

 ドン……

 迷宮の奥から重い足音が響いた。

 ゆっくり。

 だが確実に近づいてくる。

「……」

 レンが弓を構える。

 リラも魔法の準備を始めた。

 俺はその二人の後ろで小さく聞く。

「ちなみに」

「はい?」

「強い敵?」

 リラは少しだけ考えたあと言った。

「多分」

「多分って怖いんだけど」

 その時。

 暗闇の中から巨大な影が現れた。

 背の高い体。

 岩のような皮膚。

 そして太い腕。

「……ゴーレム?」

 俺の視界に文字が浮かぶ。

迷宮ゴーレム

Lv8

HP:120

力:28

防御:30

スピード:5

特徴

迷宮の岩石で作られた魔物。

防御力が非常に高い。

鈍いが一撃が重い。

「防御30!?」

 思わず声が出た。

「高いんですか?」

 リラが聞く。

「かなり!」

 俺のステータスなんてまだ10くらいだ。

 それに比べたらとんでもない。

 ゴーレムはゆっくり腕を持ち上げた。

 ドン!

 地面を叩く。

 石が砕ける。

「うわっ!」

 俺は慌てて下がる。

「これは当たったらまずい」

 レンが矢を放つ。

 シュッ!

 矢がゴーレムに刺さる。

 だが。

 カンッ。

 弾かれた。

「効いてない!?」

 リラが魔法を放つ。

「ライトボルト!」

 光が直撃する。

 しかし。

 ゴーレムはほとんど動かない。

「硬すぎません!?」

「そういう魔物です」

 レンは冷静だった。

「弱点を狙う」

「弱点?」

「関節」

 ゴーレムが腕を振り上げる。

 そして。

 ブンッ!

 巨大な拳が振り下ろされた。

 ドン!!

 地面が揺れる。

「当たったら終わりだ!」

 俺は必死に避ける。

 レンが次の矢を放つ。

 シュッ!

 今度は膝の関節に当たった。

 ガキッ。

 ゴーレムの動きが少し止まる。

「今です!」

 リラが魔法を放つ。

「ライト!」

 光が爆発する。

 ゴーレムがぐらついた。

 俺は叫ぶ。

「今しかない!」

 手を前に出す。

「転生網!」

 光の網が広がる。

 バサッ!

 ゴーレムを包み込む。

 だが。

 重い。

「うわ!」

 網が引っ張られる。

 ゴーレムが暴れる。

 ギシギシと音がする。

「破られる!?」

 レンが叫ぶ。

「押さえろ!」

 リラが魔法を連続で撃つ。

「ライト!ライト!」

 光が弾ける。

 ゴーレムの動きが鈍る。

 俺は必死にスキルを維持する。

「頼む!」

 網が締まる。

 ギュッ。

 そして。

 パンッ!

 光が弾けた。

 ゴーレムは消えた。

 ピロン。

Lv9になりました

 静寂。

 俺はその場に座り込んだ。

「つ、疲れた……」

 リラも息を整える。

「強かったですね」

 レンが周囲を確認する。

「だが倒せた」

「いや」

 俺は苦笑する。

「二人がいなかったら無理だった」

 ゴーレムの防御は本当に硬かった。

 その時だった。

 迷宮の奥から、また風が吹いた。

 ヒュウ……

 少し冷たい。

「……?」

 俺は奥を見る。

 暗闇の中。

 何か光が見えた気がした。

「リラ」

 レンが言う。

「見えるか」

「はい」

 リラも頷く。

「光……ですね」

「光?」

 俺も目を凝らす。

 確かに。

 遠くに、青白い光が見える。

「宝箱?」

「分かりません」

 レンは少し警戒していた。

「だが」

「調べる価値はある」

 俺は立ち上がる。

「迷宮って、宝とかあるの?」

「あります」

 リラが言う。

「でも」

「罠も多いです」

「ですよね」

 この世界は優しくなさそうだ。

 それでも。

 奥の光は気になった。

 もしかしたら。

 この迷宮の秘密かもしれない。

 俺たちはゆっくり奥へ進む。

 光はだんだん大きくなる。

 そして。

 その正体が見えた。

 壁に埋まった、小さな青い石。

 だが。

 それを見た瞬間。

 俺のスキルが反応した。

 ピロン。

 頭の中に声が響く。

 ──転生網が共鳴しています。

「え?」

 俺は思わず言った。

「どうした?」

 レンが聞く。

「いや……」

 俺はその石を見る。

 なんとなく分かった。

 この迷宮。

 まだまだ、普通じゃない。

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