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第3話 迷宮はまだ入口らしい

 迷宮の通路を、俺たちはゆっくり進んでいた。

 さっきの戦闘のあと、レンが前を歩き、リラが後ろを警戒している。

 俺はその真ん中。

「完全に初心者ポジションだな俺」

「実際そうです」

 リラがあっさり言った。

「否定しないんだ」

「否定できません」

 ぐうの音も出ない。

 レンは周囲を警戒しながら言う。

「この辺りは浅層」

「魔物は弱い」

「さっきの狼は?」

「少し強い程度」

「……」

 少し?

 あれ普通にボスっぽかったけど。

 その時、通路の影で何かが動いた。

 カサッ。

 俺の視界に文字が浮かぶ。

黒蝕虫 Lv1

「また虫だ」

 俺が言うと、レンが矢を放った。

 シュッ。

 黒蝕虫は一瞬で倒れた。

「早い」

「普通だ」

 いや普通じゃない。

 完全にベテランだ。

 その時だった。

 通路の奥から音がした。

 ズル……ズル……

「……」

 嫌な音。

 俺はゆっくり振り向いた。

 そこにいたのは。

 大きなスライムだった。

 青くてぷるぷるしている。

「スライムだ」

 その瞬間、ステータスが表示される。

迷宮スライム

Lv3

HP:35

力:8

防御:10

スピード:4

特徴

迷宮に生息する粘体魔物。

物理攻撃に強く、ゆっくりと動く。

体当たり攻撃を行う。

「思ったより強そう」

 俺が言うと、リラが頷いた。

「少し厄介ですね」

 レンが言う。

「ユウト」

「はい」

「試してみろ」

「転生網?」

「そうだ」

 俺は少し緊張する。

 スライムって、RPGだと初心者モンスターのはずだ。

 でもこの世界では普通に強そうだ。

 スライムがゆっくり近づく。

 ぷるん。

 ぷるん。

「なんか可愛いけど怖い」

「油断しないでください」

 リラが言う。

 俺は手を出す。

「転生網!」

 光の網が広がる。

 バサッ!

 スライムを包む。

「おお!」

 だが。

 スライムは粘液の体で暴れる。

 ぐにゃぐにゃ。

「うわ」

 網が少し揺れる。

 レンが矢を放つ。

 シュッ!

 スライムに刺さる。

 リラが魔法を放つ。

「ライト!」

 光が弾ける。

 スライムの動きが止まった。

「今だ!」

 レンが叫ぶ。

 網が締まる。

 ギュッ。

 そして。

 パンッ!

 光が弾けた。

 ピロン。

Lv7になりました

「また上がった」

 俺は少し驚く。

 リラも目を丸くしていた。

「やっぱり成長が早いですね」

「そんなに?」

「普通はここまで上がりません」

 レンも頷く。

「珍しい能力だ」

「転生網」

 俺は少し考える。

 モンスターを捕まえて倒すスキル。

 しかもレベルがかなり上がる。

「これ、もしかしてチート?」

「チート?」

「いや、なんでもない」

 説明が難しい。

 その時だった。

 迷宮の奥から冷たい風が吹いた。

 ヒュウ……

「……」

 レンが止まる。

「どうした?」

 俺が聞く。

「空気が変わった」

「え?」

 リラも真剣な顔になる。

「この先……」

「強い魔物がいるかもしれません」

 俺は思わず言った。

「まだ入口なんだよね?」

「そうです」

「……」

 俺は天井を見上げる。

「この迷宮、初心者に厳しくない?」

 レンは短く言った。

「迷宮はいつも厳しい」

 その言葉の直後。

 奥の暗闇で、何か大きな影が動いた。

 ドン……

 重い足音。

 俺たちは同時に武器を構える。

「来る」

 レンが低く言った。

 そして。

 巨大な影が、ゆっくりと姿を現した。

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