第16話 新人、目立つ
オーガが倒れたあと。
しばらくの間、場が静まり返っていた。
ドォン……と倒れた巨体。
その前に立っているのは――
俺たち三人。
「……」
そして。
最初に声を上げたのは周りの冒険者だった。
「今の……」
「三人で倒したのか?」
「連携やばくないか?」
ざわざわと空気が揺れる。
よかった。
一人で倒した扱いじゃない。
それはそれで怖いから。
リラが小声で言う。
「ちゃんとパーティーとして見られてますね」
「それは助かる」
レンは短く言った。
「当然」
「いやその自信どこから来るの」
その時。
兵士が近づいてきた。
「君たち」
「見事な連携だった」
「オーガ討伐、確認させてもらう」
「はい」
ギルドへ戻る流れになった。
ギルドの中。
すでに噂が広がっていた。
「来たぞ!」
「オーガ倒したパーティだ!」
「連携で仕留めたらしい!」
……ちょっと待って。
情報回るの早くない?
ミリアが駆け寄ってくる。
「無事でよかったです!」
「それと……」
「討伐はパーティーで行ったのですね?」
「うん」
「三人で倒した」
俺が答えると、ミリアは安心したように頷いた。
「確認が取れています」
「連携による討伐として記録されます」
リラが少し誇らしそうに言う。
「パーティー評価になりますね」
「そうなの?」
「はい」
「単独より評価が安定します」
「なるほど」
それはありがたい。
俺一人が目立つのは正直困る。
レンが言う。
「合理的」
「たぶんそういうことじゃない」
ミリアが書類をまとめる。
「では正式に――」
「オーガ討伐パーティーとして登録します」
その瞬間。
周りがまたざわつく。
「新人でオーガ討伐パーティーか」
「しかも三人だけだぞ」
「将来やばいな」
やめて。
ハードル上げないで。
その時。
後ろから声がした。
「面白い連携だったな」
振り向く。
あのベテラン冒険者だ。
「一人の力じゃない」
「だが三人であれをやるのは簡単じゃない」
俺は正直に言う。
「まあ、なんか」
「上手くいった感じです」
男は少し笑った。
「それを実戦でできるのが強さだ」
「……」
それはちょっとカッコいい。
ミリアが続ける。
「報酬ですが」
「オーガ討伐はパーティー報酬となります」
「金貨20枚」
「三人で分配です」
「なるほど」
リラが計算する。
「一人あたりでも十分多いです」
「いいね」
レンが言う。
「問題ない」
「そればっかりだな」
ミリアが少し前に出る。
「それと」
「ギルドから提案があります」
「提案?」
「はい」
「ランク試験を受けませんか?」
俺は聞き返す。
「パーティーで?」
「はい」
「今回の討伐はパーティー評価です」
「そのため――」
「パーティー全体として試験を受けることが可能です」
リラの目が輝く。
「飛び級ですね」
「すごいです」
俺はレンを見る。
「どうする?」
レンは即答した。
「受ける」
「早い」
リラも頷く。
「挑戦しましょう」
「だよね」
こうして。
俺たちは――
パーティーとしてランク試験に挑むことになった。




