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第13話 迷宮の外の街

迷宮から地上へ出た瞬間。

 太陽の光が目に飛び込んできた。

「うわ……」

 思わず目を細める。

 しばらく迷宮の暗い通路ばかりだったから、光がかなりまぶしい。

 外の空気を吸う。

「生き返る……」

 俺がそう言うと、リラが少し笑った。

「大げさですね」

「いやほんと」

 迷宮って精神削られるんだよ。

 レンは相変わらず落ち着いている。

「街へ戻る」

「賛成」

 迷宮の入口の前には、大きな石の門がある。

 その向こうに街が広がっていた。

 高い城壁。

 石畳の道。

 たくさんの人。

「おお……」

 思わず声が出る。

「完全にファンタジー世界だ」

 リラが首をかしげた。

「ファンタジー?」

「え?」

「それは何ですか?」

「……」

 俺は少し考える。

 説明が難しい。

「えっと」

「剣とか魔法とかある世界?」

 リラはさらに首をかしげる。

「ここは普通の世界ですよ」

「……」

 俺は空を見上げる。

 そうだった。

 ここではこれが普通なんだ。

「価値観の違いすごい」

 レンは興味なさそうに言った。

「行く」

「はいはい」

 街の門を通る。

 兵士が軽く確認するだけだった。

「探索帰りか」

「そう」

 レンが答える。

 すぐに通してくれた。

 街の中はかなり賑やかだった。

 屋台。

 店。

 武器屋。

 鎧屋。

 そして冒険者らしい人たち。

「人多いな」

 俺は周りを見る。

 剣を背負った男。

 魔法使いっぽい人。

 重い鎧の戦士。

「ここは迷宮都市です」

 リラが説明する。

「探索者が集まります」

「なるほど」

 完全にダンジョンの街だ。

 その時。

 俺の腹が鳴った。

 ぐぅ……

「……」

 リラが笑った。

「お腹すきました?」

「かなり」

 レンが言う。

「先にギルド」

「ご飯じゃないの?」

「換金」

「ああ」

 そうだった。

 素材を売らないといけない。

 俺たちは街の中心へ向かう。

 しばらく歩くと、大きな建物が見えた。

 剣と盾のマーク。

「ここです」

 リラが言う。

「冒険者ギルド」

「おお」

 中に入る。

 かなり広い。

 受付カウンター。

 酒場。

 掲示板。

 いかにも冒険者の拠点だ。

 周りの冒険者が少しこちらを見る。

「迷宮帰りか?」

「新人か?」

 ヒソヒソ声が聞こえる。

 レンは気にせず受付へ向かう。

 受付には女性がいた。

「いらっしゃいませ」

「素材換金」

 レンが素材を置く。

 魔石。

 ムカデの素材。

 オーガの魔石。

 受付の女性が少し驚く。

「これは……」

「かなり良い素材ですね」

 リラが小声で言う。

「浅層では普通出ません」

「やっぱり」

 受付の女性が計算する。

 カチャカチャ。

 そして言った。

「合計で金貨12枚です」

「え?」

 俺は固まる。

「金貨?」

 リラが言う。

「かなり多いです」

「そんなに?」

 受付の女性が笑う。

「オーガの魔石が高いんです」

「やっぱりボスだった」

 その時だった。

 後ろから声がした。

「おい」

 振り向く。

 大きな男が立っていた。

 筋肉。

 傷だらけの顔。

 完全にベテラン冒険者。

「その素材」

「どこの迷宮だ」

 俺は答える。

「北の迷宮」

 男の眉が動く。

「嘘だろ」

「そこ浅層しかないはずだ」

 リラが言う。

「奥に通路がありました」

 周りがざわつく。

「隠し通路?」

「聞いたことないぞ」

 男が俺を見る。

「新人」

「何をした」

 俺は少し考える。

 そして答えた。

「分からない」

 周りが静かになる。

 俺は続けた。

「でも」

「何かが反応した」

 リラが俺を見る。

「反応?」

「うん」

「スキルとか、水晶とか」

「色々」

 正直、自分でもよく分からない。

 でも。

 迷宮核の欠片。

 あの水晶。

 転生網。

 全部が繋がっている気がする。

 受付の女性が少し驚いた顔をしていた。

「……」

「その話」

「詳しく聞かせてもらえますか?」

 どうやら。

 俺の迷宮探索は。

 普通の冒険とは少し違うらしい。

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