第12話 迷宮の秘密の部屋
ゴゴゴ……
迷宮の壁がゆっくり動いた。
さっきまで何もなかった場所に、新しい通路が現れる。
「隠し通路」
レンが短く言った。
俺は思わずツッコミを入れる。
「そんなのあるの!?」
リラが頷く。
「迷宮では珍しくありません」
「いや普通じゃないよ」
完全にゲームだ。
俺たちは慎重に通路へ入る。
さっきまでの迷宮とは雰囲気が違う。
壁が白い石でできている。
しかも。
ほんのり光っている。
「神殿みたい」
俺が言うと、リラも同意した。
「古代の迷宮かもしれません」
「古代?」
「昔の文明が作った迷宮です」
「つまり」
「だいたいヤバいやつ」
「ですよね」
その時。
通路の奥で何かが動いた。
カサッ。
黒蝕虫 Lv1
レンの矢。
シュッ。
終了。
「この虫だけ平和だな」
リラが苦笑する。
「群れなければ」
「その前提怖い」
通路の先。
少し広い空間に出た。
部屋だった。
大きさは小さな神殿くらい。
中央には石の台がある。
その上に。
水晶が浮かんでいた。
「また水晶」
俺は言う。
すると。
スキルが反応する。
ピロン。
──転生網が共鳴しています
「やっぱり」
俺は水晶に近づく。
その瞬間。
文字が浮かんだ。
迷宮核 fragment
古代迷宮の一部。
特殊な力を持つ。
「フラグメント?」
リラが少し驚いた顔をした。
「迷宮核の欠片です」
「迷宮核?」
「迷宮を動かしている中心の力です」
「そんな重要なものここに?」
リラも少し困惑していた。
「普通はもっと深層にあります」
その時だった。
部屋の床が光る。
ゴォォ……
「え?」
レンが弓を構える。
「来る」
床から影が立ち上がる。
黒い霧。
そして形を作る。
それは。
人型だった。
だが体は石のように固い。
目が赤く光る。
文字が浮かぶ。
迷宮ガーディアン
Lv24
HP:350
力:60
防御:55
スピード:20
特徴
迷宮核を守る守護魔物。
非常に高い耐久力を持つ。
「守護者出てきた!」
俺はツッコミを入れる。
「絶対ボスじゃん!」
ガーディアンが歩き出す。
ズシン。
ズシン。
床が揺れる。
レンが矢を放つ。
シュッ!
カン!
「硬い」
リラが魔法を撃つ。
「ライトボルト!」
光が当たる。
だが。
ほとんど効いていない。
「防御高すぎます!」
ガーディアンが拳を振る。
ドン!!
床が割れる。
「威力も高い!」
俺はスキルを発動する。
「分体網!」
虫の分体が現れる。
黒蝕虫(分体) Lv1
虫がガーディアンの周りを飛ぶ。
すると。
俺の視界に情報が浮かぶ。
胸の中心。
そこに小さな光。
「弱点ある!」
レンが聞く。
「どこ」
「胸の真ん中!」
「了解」
レンが矢を構える。
ガーディアンが突っ込んでくる。
ズシン!
速い。
俺はスキルを使う。
「転生網!」
網が広がる。
一瞬だけ動きが止まる。
レンの矢。
シュッ!
胸に刺さる。
ガーディアンが揺れる。
リラが魔法を放つ。
「ライト!」
光が爆発する。
弱点が光る。
俺は最後のスキルを使う。
「分体網!」
虫が弱点に突っ込む。
パン!
小さな爆発。
その瞬間。
俺は叫ぶ。
「今!」
レンの矢。
シュッ!
弱点に命中。
ガーディアンが止まる。
俺はスキルを発動する。
「転生網!」
光の網が包む。
ギシギシ!
ガーディアンが暴れる。
だが。
弱点を壊されている。
俺は力を込める。
「捕まれ!」
網が締まる。
そして。
パンッ!
光が弾けた。
ガーディアンが消えた。
ピロン。
Lv21になりました
「……」
部屋が静かになる。
俺は息を吐く。
「また勝った」
リラも安心した顔をする。
「かなり危険でした」
レンが言う。
「でも倒した」
その時。
水晶がゆっくり降りてきた。
俺の前に止まる。
そして。
スキルが強く反応する。
ピロン。
──転生網が進化可能
「また進化?」
俺は水晶を見る。
どうやら。
この迷宮は。
俺のスキルと深く関係しているらしい。




