第10話 転生網の進化
迷宮の奥。
オーガを倒したあと、俺たちは少し休憩していた。
正直かなり疲れた。
「はぁ……」
俺は壁にもたれかかる。
「もう入口の難易度じゃない」
リラが苦笑する。
「この迷宮、普通じゃありません」
レンも静かに言う。
「オーガは本来もっと下層」
「だよね!」
やっぱりそうだよね!
初心者ダンジョンじゃないよこれ!
その時だった。
ピロン。
俺の頭の中に音が鳴る。
画面のようなものが浮かんだ。
転生網
レベルアップ可能
進化条件達成
「え?」
俺は思わず声を出す。
「どうした?」
レンが聞く。
「スキルが……進化できるらしい」
リラの目が少し大きくなった。
「進化スキルですか?」
「そんなのあるの?」
「かなり珍しいです」
俺は表示を見た。
転生網 → 進化可能
進化候補
・捕縛網
・魂網
・分体網
「選択肢あるんだ」
俺は考える。
捕縛網はたぶん捕まえる能力強化。
魂網はなんか強そう。
分体網……?
「分体?」
俺はその説明を見る。
分体網
捕獲した魔物の力を分体として一時的に使用可能。
「……」
俺は固まる。
「それ」
「めちゃくちゃ強くない?」
リラが小さく言う。
「普通はありえないスキルです」
レンも頷く。
「それ選べ」
「だよね」
俺は迷わず選択した。
ピロン。
光が体を包む。
転生網 → 分体網
「進化した」
俺は手を見た。
スキルの感覚が変わっている。
その時。
通路の奥で音がした。
カサッ。
文字が浮かぶ。
黒蝕虫
Lv1
黒蝕虫
Lv1
黒蝕虫
Lv1
「虫か」
正直もう怖くない。
レンが矢を構える。
「任せる」
「いや」
俺は言った。
「試したい」
俺は手を前に出す。
「分体網!」
光の網が広がる。
バサッ!
虫を三匹まとめて捕まえる。
そして。
網が光る。
次の瞬間。
俺の横に、小さな影が現れた。
「え?」
それは。
黒蝕虫だった。
黒蝕虫(分体)
Lv1
「召喚した!?」
俺は驚く。
虫は俺の周りを飛んでいる。
そして。
通路の奥に向かって飛んでいく。
「偵察?」
リラが言う。
「便利ですね」
レンも頷く。
「使える」
俺は虫を見る。
「これ地味にすごい」
その時。
虫が突然止まった。
そして。
奥の暗闇から。
巨大な影が動いた。
ズシン。
ズシン。
「また大きいやつ?」
虫が震える。
次の瞬間。
影が通路に現れた。
それは。
巨大な甲殻の魔物だった。
ムカデよりもさらに大きい。
全身が黒い鎧のような外殻。
鋭い脚。
そして赤い目。
文字が浮かぶ。
迷宮アーマームカデ
Lv22
HP:300
力:55
防御:60
スピード:22
特徴
硬い外殻を持つ大型魔物。
通常攻撃が通りにくい。
「防御60!?」
俺はツッコミを入れる。
「硬すぎるだろ!」
リラが言う。
「普通の攻撃は効きません!」
レンが矢を放つ。
シュッ!
カン!
「弾かれた」
やっぱり。
俺は少し考える。
そして。
ニヤッとした。
「分体網」
俺はさっき捕まえた虫を見る。
「行け」
虫がムカデに飛ぶ。
そして。
顔の近くで爆発した。
パン!
小さいけど確実に当たった。
「弱点攻撃」
レンが言う。
リラが魔法を構える。
「今です!」
俺はスキルを発動する。
「分体網!」
光の網が広がる。
ムカデを包む。
そして。
戦闘が始まった。




