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料理人戦記:プリコジン  作者: バッシー0822


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第5章:影の掃除人(ニュー・アイランドの変貌)

13:オリガルヒと影の契約

サンクトペテルブルク市庁舎 プーチンの執務室


プーチンは、ソ連崩壊後の混乱に乗じて富を築いたオリガルヒたちと、秘密裏に「契約」を結んでいた。


プーチン:「君たちが築いた富は、私が『保証』する。だが、その代償として、君たちの『忠誠』と『支援』が必要だ。この国を私物化しようとする西側の勢力、そして彼らに内通する裏切り者を一掃せねばならん。」


この密約の執行者こそ、プリコジンだった。プーチンは彼に、公的機関では手がつけられない「汚れ仕事」を次々と依頼した。


14:レストランの変貌と組織の育成

ニュー・アイランド


プリコジンの高級レストラン「ニュー・アイランド」は、表向きは美食の殿堂であり続けたが、その実態は、プリコジンが育成した影の組織の指令所となっていた。


ウェイターやコック、清掃員の中には、かつての裏社会の仲間や、プリコジンが刑務所で見いだした「使える駒」たちが潜んでいた。彼らは完璧なサービスを装いながら、情報を収集し、秘密の指令を伝達した。


レストランの隅のテーブルには、いつもガタイが良く、目付きの鋭い男たちが座っていた。彼らは酒を飲まず、食事も取らず、ただ店内の客を静かに監視していた。彼らがプリコジンの最初の「私兵」であり、後のPMCワグネルの核心メンバーとなる者たちだった。


プリコジンは、彼らチンピラ上がりの男たちに、組織の規律と忠誠心を叩き込んだ。彼は、恐怖と報酬、そして「自分たちがロシアの影を支えている」という使命感を与えることで、強固な組織を築き上げた。


15:西側工作員と裏切り者の粛清

プリコジンは、プーチンに逆らう者、プーチンの権力基盤を脅かす者を、「料理人」らしい緻密さで排除していった。


説得と取引: まずは、相手の弱み(不正や愛人関係)を握り、プーチンへの忠誠を誓うよう「取引」を迫る。


脅迫と情報戦: 従わない者には、「トロール工場」の雛形とも言える情報工作を仕掛け、社会的な地位や名誉を失墜させる。


物理的な排除(事故): それでも抵抗する者には、プリコジンの組織が動いた。


自動車事故: あるオリガルヒは、突如としてブレーキが利かなくなり、自動車事故で命を落とした。


転落: ある西側工作員に内通していた官僚は、自宅の階段やビルの窓から転落し、事故死として処理された。


彼の仕事は完璧で、現場には一切の証拠を残さない。彼の周りからは次第に「逆らうもの」が消えていき、プーチンの権力は磐石なものとなっていった。


プリコジン(ヴァディムに):「ヴァディム、今日の『メインディッシュ』の『食材』は、少々腐っていたようだ。『廃棄物処理』は完璧にな。」


プリコジンは、プーチンの「影の掃除人」として、自らの地位を確固たるものにしていったのだった。



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