6話「レモン電球制作開始!」
コノハは家に帰ってきた。
「コノハちゃん!おかえりぃ!!寂しくなかった?」
帰ってきてそうそうコノハはママに抱きしめられた。
だが、コノハは残念がっていた。
帰り道、レモン……柑橘系を探しながら帰ったが、子供の買う値段ではなかった。
「ママ?レモンない?」
「レモン?コノハちゃんレモン好きだっけ?」
コノハはママに抱きしめられながら聞いたので、ママは少し疑問に思ったらしい。
だが、ママはレモンを2つくれた。
ーー
次の日、コノハは森の中で、レモン電球の実験を開始した。
「レモンの電圧はたしか0.9Vくらいだったよね?」
レモンは合計2つ。半分に切って使っても、電圧は約3.6V……今、手元にある電球は発熱電球であり、必要電力は、約100〜110V……
コノハはかなり初歩的なことに気づき、鍛冶屋に走った。
「おじさん!もう1回錬金使わせて!」
「お、おう?て、コノハちゃんガラス片あぶねぇぞ!!」
コノハは、部屋の隅にある鉱石とガラス片を持って、陣の中に放り込んだ。
「LEDの作り方は……」
コノハは頭の中で、昔製造工程の論文を思い出しながら、LEDを作った。
ーー
コノハは森に戻って実験を再開した。
「こんな初歩的な事を間違えるとは……」
コノハはレモンを半分に切りながら独り言を呟いた。
「で、あとは……」
銅板と亜鉛板を刺し、銅線で繋ぎ合わせて最後にLEDを繋げようとした。
「光るよな?」
いくら科学が迷信扱いされていても、物理法則無視されている魔法があるくらいだ。さすがに光るだろう!
そう思いながらLEDと銅線を繋いだ。
「光った……」
薄くだが、LEDが光った。だが、一瞬光は消え、コノハは竹が焼ききれたのだろう……と思った。
「やった……やったぁぁぁあ!!!」
コノハはそれよりこの世界に魔法じゃない、科学の電気をともせたことに、全身を使って喜んだ。
だが、
(ガサ……)
後ろから物音が聞こえた。
コノハは後に振り返ると、白のワンピースを着た白髪長髪の美少女が立っていた。