4話「はじめてのおつかい、ただし中身はジジイ」
コノハは麦わら帽子、白のワンピース姿で町にでてきた。
「非科学的なものばかりだな」
この町は少し大きい程度の町だが、近くにダンジョンと言われる鉱山洞窟があるらしく、冒険者や商人がよく集まる。
その中で、町中ではよくマジシャンのような格好をした魔法使いが、虹や魔法を披露している。
そんなものをよく目にするが、コノハはため息をつきながら鍛冶屋に向かった。
ーー
「こんにちは〜」
鍛冶屋に着いたコノハは大きな声で挨拶をする。だが、奥の工房からは大きな音が出ている為、コノハの声は聞こえない。
「こんにちは〜!!」
「ん?おー」
さらに大きな声で挨拶すると、奥から耐熱仕様のエプロンをした大男が出てきた。
コノハは、少し後ずさりをするが、大男はコノハを抱き抱え、肩に乗せた。
「お、おじさん!やめて!怖い!」
コノハはいきなり肩に乗せられ、自分の4倍の高さに震え上がった。
「コノハ!久しぶりだな!」
マジで怖いから、さっさと下ろしてくれ!
大男は笑いながら、コノハを呼ぶ。だがコノハはそれどころでは無い。
この大男……メイデンは父の親友であり、よく家に遊びに来てコノハを肩に乗せて遊んでいる。ちなみに、この鍛冶屋の親方でもある。
「それで、何の用だ?」
「フライパン……ママから頼まれた……」
コノハはやっと下ろしてもらったとこで、ママからのおつかいのことを伝えると、メイデンはフライパンを持ってきた。
「ほらよ!ちゃんと持って帰るんだそ?」
メイデンはフライパンをコノハに渡すと、笑いながら奥の工房に入っていった。
ほんとにあの人嫌い……
コノハは本気で心に思った。だが、
「あ、おじさん待って!」
「ん?どうした?」
コノハは鉱石のことを思い出し、コノハも奥の工房に入っていった。
「おじさん、魔石じゃない石ある?」
「魔石じゃ無い石?部屋の隅にあるぞ?」
コノハは部屋の隅を見ると鉱石が沢山あった。
銅、亜鉛……その他諸々の鉱石の山に、コノハは目を輝かせていた。
「おじさんこの石は持って帰っちゃダメ?」
「そこの石ころは新人の練習用だが……コノハ、打ってみるか?」
それはもちろん!頼もうとしていました!話せば分かるじゃんこの大男!