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もう一つの企み

警告・New Age Beginningの続編であるために先にオリジナルを刮目せよ。そして本編に突入くれたし。

小佐井蛍子が放った新人類ミュータント抹殺計画の電波は無数に飛ぶ周回軌道にある人工衛星の一つを刺激して大気圏そらの上から音楽を奏でた。表の世界では急に電源を切った様に新人類ミュータント達がその場で動きを止め、フリーズ状態にあった。もう今の新人類ミュータント達には何の命令も届かないコントロールでさえも出来ないマネキン人形の山となっている。



「司教!念願の“エンゼル・スマイル作戦”が発動しました!」

太平洋上のど真ん中。錆びついた巨大なタンカー船が油田掘削場に係留している。

その中では大きな防毒マスクが付いた完全防御服を着た女達が働いていた。制御室にいたその一人がマイクに向かって言い放った。

「今になってようやく神の思し召しがあったのね」

司教と言われる女の声がスピーカーを通じて届いた。

「耳を澄ませて聞いてご覧なさい。この神なる音楽を!」

「うおぉぉぉーー」

司教と言われる女が号令をかけると女達は一斉に雄叫びを上げた。

「さぁ、哀れな新人類こひつじ達に私達の布教おしえを教え込まさす時が来たのよ!」 

司教と言われる女が胸の高鳴りを抑えきれず叫んだ。

「そうです。私達、鉄十字聖道会の長年の夢だった底力を見せましょう!」

完全防御服を着た女達は唸りを上げた。

「いいわね、私達の布教おしえのプログラムを“帝国おろかもの”に察知されないようにスクランブルを掛けて送信するのよ」

司教は待ち遠しくてたまらない。

「言われる前にもう既に送信しておりますが、新人類こひつじ達に何の反応も見受けられません」

制御室の女は表の世界の監視モニターを食い入るように見たが新人類ミュータント達は微動だにせず固まったままだった。

「あれだけ訓練もして、いつでも万全に出来るよう準備しておく様にと何時も言っていたでしょ!」

司教は居ても立っても居られない。しかしモニターに映る画像は変わらず静止画をずっと見ているだけだった。

「もういいわっ!至急原因を調べて解決するのよ!」

制御室にいる女達はバタバタと大忙しで原因解明にあたっている。

「もう少しでこの地球ほし心臓コアにぶち当たるわ。そして海底火山を起こし大地の轟を腐敗した世界に見せてやるのよ!今度こそ“新境地”を創り上げてみせるわ!」

司教は掘削作業に余念がなく、また此処でも恐ろしい思想を持つ者達がいた。



光という言葉が出ない漆黒の闇の世界。そこに一筋の強烈な光を放ちながら進む潜水艦があった。隊長と呼ばれた少女が慣れた手先で操縦桿を握り並々ならぬ技で潜水艦を器用に操っていく。少女の名前は有沢光。しかし本当の名前ではない。生活を共にした隊員が未来に光を灯すという意味で付けた名前だ。本来、彼女に名前は無い・・。光が目指す目的地は海底トンネル。その昔、お祖父ちゃんである有沢高仁が同志という年配の男と出会った場所だ。そこにまだ見ぬ両親の手掛かりを求めて、涙で濡れた顔で操縦桿を強く握りしめていた・・。

「私はもうたった独りなのよ・・。誰も話し相手がいない・・。私は何処で生まれて何処に行こうというの・・。誰か教えてよ・・」

光は隊長では無くか弱い少女に戻った。

「もう心細い事言っているわね!あなたの話し相手の人達は地下から天然の有毒ガスが充満して皆んな死んじゃったみたいね・・話し相手なら私がいるわよ」

後ろからもう一人少女の声がした。振り向くとそこには光と同じくらいの思春期の少女が立っていた。

「あなたはずっと強がって見せていたのね。ほんとは弱虫のくせして。そんなんじゃ根負けして名前負けもしているわよ!」

思春期の少女が高びしゃに言った。

「誰あなた!」

光は差ほど驚きもせず顔中の涙を大きく手で拭い大人びた表情を作った。

「そんな事しても今からじゃ遅い遅い。私は誰でもないわ・・。あなたのおじいちゃんやおばあちゃんの頃からいるいわば隊員Aよ」

思春期の少女は年頃が同じと分かると気安く喋ってくる。

「幽霊・・」

光は咄嗟に感づいた。

「もうその言葉、現代いまじゃ古いんじゃないの」

思春期の少女は自覚しているようだ。

「あなた独りじゃ心許ないからこうして出てきてやったのよ。有り難く思いなさい。私があなたを手助けしてあげる」

思春期の少女はまたもや強気に出ている。

「人の事などほっといて。そんなあなたもほんとは独りじゃ寂しかったんじゃない?」

光も負けてはいられない。

「ふんっ!ふてくされるわね!知らなかったのあなたは人間じゃないのよ。ましてや新人類ミュータントでもない。あなたは“宇宙人”なのよ。だから生命いのちを脅かす天然ガスにも抗体があったからまだ生きていられるのよ」

思春期の少女は少し怒りながら突拍子もない事を言い出した。

「う、宇宙人??」

光は呆気にとられた。

「だけど宇宙人でも大丈夫。私は差別はしないの。友達になっってあげる」

思春期の少女の顔があたかも作り笑いになった。

「そういう奴ほど疑わしい・・」

光はやっかいな者を見る目で見た。


・・つづく

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