表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/46

007 隠す穴には苦労しない

初日は複数話投稿いたします。

 状況は何も変わってない。むしろ悪くなっている。

 このままでは彼女の死体は装備をはがされて荒らされて、うっぱらわれてしまう。見ず知らずの俺を助けてくれた俺のヒロインの最後の願いを叶えられない。


 ――ピロリン


 こ、ここで選択肢だと!?

 さっきまでどう願っても出てこなかったのに!


 『このままでは握ったネックレスまで奪い去られてしまう。どうしよう!

  1.大丈夫。ずっと手に握っていればバレやしないさ。(秒で見つかって奪われる)

  2.口の中に隠そう。(いつまでモゴモゴできる? 怪しまれて結局見つかって奪われる)

  3.男にも隠す穴があるさ。そう、そこなら大丈夫だ!(さすがに気付かれない。ナイスアイデア!)』


 そうかネックレス! 剣や鎧が奪われたとしても、この手の中のネックレスだけは守らないと!


 とはいえ、もはや選択肢は一択しかない。

 三つ目の選択肢。つまりは……尻の穴に入れて隠すって言うことだっ!


 俺は迷わずその選択肢を選んだ。


 その後、俺は盗賊たちに囚われてやつらのアジトへと連れていかれた。

 そこで首に鉄の首輪をつけられて鎖で固定されて逃げられないようにされたのだ。


 ◆◆◆


 尻に違和感を覚えながらも、まずは自分の事を考えることにした。自由が無ければ俺を助けてくれたシャニーの願いもかなえてあげることは出来ない。


 俺は今、洞穴を利用して作られた牢の中にいる。見張りは一人。見張りを命じられてぶつくさ文句を言っていた女盗賊(モヒカンで目つきは怪しい)からいくつか情報を入手している。


 ・この世界は女が主導権を握っているということ。

 ・生物学的に女の方が体が大きく強靭であると言うこと。

 ・男はひ弱で身長も低く女にはどうあがいても力で敵わないが、細かい作業や頭を使った作業では社会に貢献していると言う事。

 ・女は男が童貞であるか見分けることができると言う事。

 ・男は男を見ても童貞かどうかは分からないし、男が女を見ても処女だとは判別がつかないと言う事。

 ・そもそも女の処女は重要視されておらず、逆に男の童貞のほうが重要視されていると言う事。だから童貞と見破られた俺は奴隷として付加価値の高い童貞奴隷として売られることが決まったらしい。


 つまりはこの世界は男女逆転世界と言っていい。

 あのクソ女神ヤロウが創った世界だって言われると、この世界観にも納得するぜ!


 まあそんな世界でも人には個性があって。俺のヒロイン(シャニーちゃん)のように可憐な美少女がいれば、俺のようにこの世界で言う女らしい男もいないことは無いらしい。

 俺の位置づけは通常世界でいうボクっ子、ボーイッシュで活動的な男らしい女の子のこの世界(男女逆転世界)版らしい。

 そっちの属性好きにはそれなりの値段で売れるらしい。それなりの……。


 そんなこんなで情報を集めながら、なんとか逃げ出せないかと考えを巡らせていたが、どうすることもできずに夜も更けていった。

 盗賊たちが酒盛りをしていたのか遠くから大盛り上がりしている声が聞こえていたが、いつしかそれも聞こえなくなっていた。


 そんな中、ズィードと呼ばれていた盗賊団のお頭がやってきたのだ。


「おい、中に入れろ。ムラムラする」

お読みいただきありがとうございます。

キミは男女逆転世界の常識についてこれるか!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ