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002 ただし魔法は尻からも出ない

初日は複数話投稿いたします。

 とはいえ、今のこの状況を何とかしなくてはならない。

 かれこれ10分ほど空に向かって女神のヤロウに不平不満を訴えたが何の変化も無かった。

 俺の声が聞こえないのか効く耳を持たないのか、それ以上は無駄だと悟った。

 自分自身で何とかするしかないのだ。


 異世界転移・異世界転生についての知識はある。

 ちょうど連休の暇なときに履修して以来、結構はまっている。


 だから初心者が必ず行うステータスオープンの儀式やファイヤーの詠唱もやってみた。

 残念ながら反応がなかったのをみると、この世界はそういった類の世界ではないのだろう。

 魔法については才能がないだけかもしれないが、テンプレ主人公が持っている魔法やチート能力、才能を左右する職業などを所持してないのは間違いない。もってたらすぐに発現して、俺SUGEEEEEEEE! ってなるはずだからな。


 さて、現実問題だ。

 食料や水の問題もあるが、差し迫っては、この森に魔物の類が出現するのかどうかが命を左右する。

 あのクソ女神ヤロウ、罪を償わせるとか言っていたから、いきなり魔物で即死するようなことはないはずだ。死んで償わせるだけなら地球で一度、雷直撃で殺されてるからな!


 俺は諦めて歩き出すことにした。

 うむむ、どっちに行くか。右か左か正面か。どのみち道なき道を進むことになる。


 ――ピロリン


 突如、山の中には不釣り合いな音がしたかと思うと、目の前に文字が現れた。


 『さーて、記念すべき異世界の第一歩だ。どっちに行こうか

  1.右からは魔獣の気配がするな。右に行こう

  2.左からは人の気配がするな。左に行こう』


「おっ! これはもしや俺のチートスキル!?」


 そう直感するには心当たりがあった。


 憎きクソ女神ヤロウとの答弁大会。実はその中にはもう一人神がいたのだ。

 女神の後ろに隠れるように、後ろからちょっと顔を出して申し訳なさそうにする男の神が。


 どうやらあのクソ女神ヤロウの尻に敷かれているらしい彼の唇の動きを読んだところ、このような内容だった。


「ごめんね、うちの嫁さんちょっとキツくって。お詫びに一つだけチートスキルを授けてあげる。こっそりとね」


 先ほどまで半信半疑だったが、これで確信した。

 ステータスを見れないからどんなチートスキルか分からないけど、それはおいおい試して行けばいい。


 そして改めて目の前に映し出されている文字を見る。


 『さーて、記念すべき異世界の第一歩だ。どっちに行こうか

  1.右からは魔獣の気配がするな。右に行こう

  2.左からは人の気配がするな。左に行こう』


 どうやら状況を教えてくれるスキルのようだ。

 右に行けば魔獣が、左に行けば人がいるらしい。未来予知的なスキルだろうか。

 魔獣という物騒な単語が出ているのが心配の種だけど、左に行けば人がいるようなのでそっちにするか。


「左からは人の気配がするな。左に行こう」


 生い茂る藪をかき分けて進むこといくらか。


 だんだんと草木の密度が下がってきて、これなら人もいそうだな、と思ったその時――


「ぐへへ、こんなところを若い男が一人で歩いてたら悪いやつにさらわれて売られちまうぜ?」


 突如声がして振り返ると、そこにはガタイの良い一見ボディービルダーのような人間が立っていた。

お読みいただきありがとうございます。

私も異世界転生したらステータスオープンと鑑定をまずやってみようと思います!

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