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92.  ワダツミ討伐作戦1

「戦女神よ…1つ聞きたいことがあるんじゃがのぉ」

「はぁ...ヘファイストス、私の事はアレスと。」

「ほっほっほ!すまんのぉ。......アレスよ、お主あの小僧に何かしたか?」

「.........少しだけ力を貸しました。それだけです。」


「それで...もぐもぐ...ワダツミがボスで......もぐもぐ...間違いないんだよね?...」

「うん!アイツを倒せば扉が開かれるはずだよ。あっ!これ美味しいー!」

リルはガーリックシュリンプを頬張っている。

「でもどうやって倒すにゃ?ムグムグ......僕の魔法もアイギスの攻撃も効かなかったにゃよ?リルちゃんは対抗手段があるのかにゃ?」

「無いよ♪」

「無いのかにゃ...」

リルの自身満々の返答にメアはあきれ顔。

「速度なら楽々撒けるよ?でも......悔しいけど火力はあっちのが断然上。直撃したらアイギスちゃんでもヤバいでしょ?」

「.........否定はしません。ですが3発までなら耐えられます!」

「ちなみにアイツ連射できるからね。」

「んぐっ......マスタァァ...申し訳ありません。アイギスを捨てないで下さい!!」

アイギスがすがってくる。

「捨てないよ!?どうしたの?何かあった!?」

「マスタァァ......アイギスは役に立ててますか?」

「そ、そりゃあ...もちろん。アイギス達のお陰で生き残れたからね。」

「.........達?」

目もなく鼻もなく、もちろん口もない。表情なんて分かりようもないアイギス。だが何故か"無表情"だと言うことだけはわかった。

「アイギス!!おいで!」

「マスタァァ!!」

バッと腕を広げるとアイギスが飛び込んでくる。

「ぐはぁ!!」

そのまま2メートルくらい吹き飛ばされた。

「タツキもアイギスも何やってるにゃ?」

「むふふー♪アイちゃんもタッツーが大好きなんだよ。」

「...........反転したりしにゃきゃいいけど」

「なに?反転って。」

メアは樹生の胸にグリグリしてるアイギスを見ながら呟く。

「強い思いが何らかの形で自身のあり方を真逆にしちゃうことにゃ。」

「メアチーは見たことあるの?」

「.........一度だけにゃ。結構むごいものにゃけどね。」

メアはそこから先は喋ろうとはしなかった。

「ま、アイギスに限ってそんにゃ事は無いと思うにゃけど......」

「そうそう!アイちゃんはカッチカチだからね!」


「ア、アイギス!苦しいから......そろそろ!」

「マスター!マスター!!」

「た、頼む…...」

その後、リルがヒョイッとアイギスを加えて落ち着かせていた。



「マスター......申し訳ありません。」

「ははは...大丈夫だよ。」

しょぼんとアイギスは落ち込んでいた。どうやらワダツミとの戦いで負け、樹生を死にかけさせた自責の念がなにやら黒い物を生み出してしまったそうだ。アイギス自身それを自覚していたが樹生の顔を見ているとその黒い物が徐々に大きくなっていくのを感じた。

「何だか嫌な予感がしたんです。ですが、マスターが腕を広げた瞬間その黒いのがブワッとなって...」

「そうなのか......。うむぅ...」

「まぁまぁ♪アイちゃんもタッツーも深く考えすぎだよ!ご飯食べちゃおうよ!無くなっちゃうよ!!」

バクバクと凄い勢いで食べていく。

「こりゃあフウナさんに負けず劣らずの大食漢が来たものだな。」

「タツキはこのレベルの食事を毎回作ってるのかにゃ?」

「もちろん。忙しい時とかは出来ないけど、時間があればきっちり朝昼晩3食作ってあげたいくらいだよ。」

「にゃるほど。化物はタツキも同じってことにゃね。」

「うん?なにか言った?」

「にゃんでもないにゃよー。うん?この伸びる白い物はなににゃ?......美味しいにゃ!濃厚で癖になるにゃ!」

海老......ロブスターっぽいやつにチーズとベシャメルソースをぶっかけただけのシンプルな物。メアは目を見開きながらムシャムシャと食べていた。

「それで?どうやってアイツを倒すにゃ?」

メアは樹生を見ている。リルとアイギスも同様である。

「機動力は十分。リルがいるからね。問題は火力......フウナさんかアーサーがいれば問題なんて無かったんだけど...今は頼れないからね。」

「フウナさん?とアーサーって言うのは?」

「ああ、リルは知らなかったね。あっ、アイギスもメアも詳しくは知らないか。」

「そうにゃね。たまに名前は出てくるけど、ほとんど知らないにゃね。」

「私は......ある程度は把握しています。」

樹生は皆に自分がこの世界に来てから現在までの出来事を話す。



「うへぇ~......大冒険だね。」

「流石はエンシェントウルフにゃね。しかも風の精霊にフェニックス......エンシェントウルフの子供までいるのは驚きだにゃ。」

ムグムグとイカ焼きを食べながら、樹生は考えていた。

(火力か......軍事訓練された人がいれば火力提供はいくらでも出きる。けど、都合よくそんな人は居ないし仮に居たとしても小銃とか戦車程度でワダツミが倒せるとは思えないし......)

「にゃにゃ、タツキが目瞑りながらもぐもぐしてるにゃ。」

「恐らく考え込んでいるんでしょう......。私たちに出来ることは......」

「休むことよ!メアチーもアイちゃんもくたくたでしょう?ささ、寝ちゃいなさい。明日には妙案が沢山出てくるわよ~♪」

リルに諭されメアはあぐらをかく樹生の足の上で丸くなる。アイギスは樹生の背中に寄りかかり、リルは地面に寝そべりそのまま眠りについた。


(考えた方を変えるべきだ。アイギスは守り、メアはデバフ、リルは速度、俺は支援......随分と生存に振り切った編成だ。この中で火力を出せるとしたらアイギスとリルだろう。)

目を開けホワイトマーケットを開く。


(俺が使える兵器は......閃光手榴弾くらいだな。普通の手榴弾は範囲が分からないし最悪自爆する。ミスって目が瞑れるくらいなら建て直しようはある。だけどそれじゃあ問題は解決できない。)


「はぁぁぁ...うん?メア......ふふ」

頭を撫でるとゴロゴロと喉を鳴らす。するとぐるぐる回ってた頭がスッと落ち着く。



「待てよ......そう言えばアイギスは宝珠って言ってたよな。確か持ち主の願う形になれるとか何とかって......それならアレをこうして...必要な物はアレとコレ......それはリルに任せて......俺とメアが......」ぶつぶつ...


(流石はタッツー!明日が楽しみだなぁ......)



「サロメ!それはもう少し右!」

「ちょっとお嬢様!細かすぎですよ!こら!メフィス、サボってないで来なさい。」

「サボってはいませんよ…。重い...」

「ふふふ......彼をもてなすためよ!気合い入れなさい!!」


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