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90. 新しい仲間は多分恐竜もしくは.....

「なんと!!あの状況を切り抜けますか!」

「ほほぉ...なかなか見所がある小僧じゃのぉ。」

「アイギスも無事のようですし...安心しました。」

「ほっほっほ!あの小僧の運は天性の物かの...ぉ?ちょいと気になるのぉ。」


「到着ーく。もうでても大丈夫だよ。はい!どーぞ。」

「.........ここは」

目的地であった次の島に到着していた。

「そうだ!!メアとアイギスは!!」

「大丈夫だよー。今は気を失ってるけどねー。」

「良かった......本当に良かった...」

アイギスとメアをギュッと抱きしめながら、樹生はひたすらに安堵していた。

「ちょっとー?お礼とか無いわけ?私結構頑張ったんだけど?」

「あ、ああ...そうだな。その通りだ。」

樹生は目元をごしごしと擦り、改めて彼女と向き合い頭を下げた。

「本当にありがとう。君のお陰で......お陰で...うぅ」

「ありゃりゃ...また泣き出しちゃったよ。よーしよし、お姉さんが慰めてあげよーう。」

「......うぅぅ...良かった...本当に、本当に...」

「よーしよし......うりうりー♪」

尻尾で頬をグリグリされる。図体の割には随分と器用な。

「にしし......もう落ち着いた?」

「......ああ、ありがとう!」

「うんうん!君は泣き顔よりも笑顔のが似合うよ。」

「ははは笑プレシオサウルスに慰められる人間なんて俺が最初で最後だろうな。」

そう、樹生の目の前にいるのは人ではなくプレシオサウルスに良く似た魔獣であった。

「1つ聞いてもいいか?」

「何でも答えるよ?私の好物?趣味?それとも......スリーサイズとか!?キャー!( 〃▽〃)」

「好物と趣味は後で聞くよ。スリーサイズは......何処を図るかは気になりますね。」

「おっ!それ聞いちゃう?答えは...」

「ちょ、ちょっと待って!!乗った俺も悪いけど、話が進まないから!」

ゴホンッと咳払いをする。

「どうして俺達を助けてくれたの?」

樹生の真面目な視線にプレシオサウルスはボケるのを止め真面目に話を始めた。


「まず、大前提としてダンジョンの魔物は決して人には懐かないし、殺す事を第一にしてるの。これはOK?」

樹生はコクリと頷く。

「それを踏まえて言うと、私はイレギュラーな存在ってやつなの。だから、ここの魔物は皆敵なの。特にさっきのアイツ......"ワダツミ"は私を目の敵にして殺しにかかってくるのよ。正直迷惑なのよね。目が覚めたと思ったらあのブサメンが目の前とか......」

しみじみと語るがいかに自分がヤバい存在なのか理解してないのだろうか?あの著作物...ワダツミを初めてこの階層が全部敵?そんな環境で生き残れるものだろうか?無理だろう。フウナさんならば可能かもしれないが...

「それで......何で俺達を助けてくれたんだ?」


「..................楽しそうだったから。」

「えっ?」

「楽しそうだったからよ。羨ましくて......私もその輪に入りたかった。それが答えよ!ちょっとなに笑いこらえてるのよ!!あっ!吹出すなぁー!」

「あはははは!何だよ。それ......ヒーヒー...」

「しょ、しょうがないじゃない!ずっと1人だったんだから...」

ちょっぴり寂しそうに顔を赤らめていた。

「そう言うことなら......歓迎するよ?」

パアッと嬉しそうに笑う。

「ほ、本当に!?ウザイとか思わない?うるさいとか、鬱陶しいとか思わない?ほら、私ってこんな感じだからさ。お喋りと言うか、テンション高めっていうかさ...」

樹生はニコニコしながらプレシオサウルスの話を聞いていた。

(賑やかな旅になりそうな予感。)

「あっ!なら"アレ"やりましょう。」

「アレ?......ああ!契約?」

スッと顔を近づけてきたプレシオサウルスの額に樹生も額を付ける。

「友達~友達~ふんふふーん♪」

嬉しそうに、ぱたぱたと動きながらプレシオサウルスは喜んでいた。

「よろしくね!"リル"!」

「リル?もしかして、私の名前!?」

「ああ、気に入ってくれた?」

「リル、私はリル!ねぇねぇ、呼んで呼んで!」

「リル?」

「うひゃあー!!なにこの感じ!?ヤバいヤバい!!」

そう叫びながら、ドボンと海に飛び込み爆速で泳ぎ回っていた。


「よっしゃ!ワダツミも見えないし...宴の準備だな!!あれ?そう言えばなんか暗いな…って星空!?あれ?いつの間に...」

「島によって天候も日夜もちがうのよ。それよりも...私も手伝うわ!!」

「そうなのか......流石はダンジョン、常識も何も無いな!それじゃあ上手い魚とか海老とか色々取ってきてくれ!頼んだぞリル!」

「リルにお任せあーれ!!」

ビシッと敬礼をしながらものすごい勢いで潜っていた。


「さてと......リルが戻ってくる前にキャンプ設営と行こうか。」

広いスペースまでメアとアイギスを背負って歩き、キャンプの設営を終える。

「よし......こんなもんか?」

額の汗を拭いながら、薪に火をつける。錐揉み式なんて時代遅れである。

「ムカ着火ファイヤー!!」

ボーっとガスバーナで火をつける。一気に火は付きパチパチと心地よい音を上げる。

「炭の方は......良い感じだな。」

ドラム缶を使ったBBQグリルにこれでもかと炭を敷き詰めている。

「後はリルの帰りを待つだけー」

「タッツー!お待たせ!!」

ザバァァァァァァンと飛び出してきた。水が掛かるかと思ったが不思議な力で一滴もかかることは無かった。

フヨフヨと浮いている水が見える。中にはうじゃうじゃと海老、蟹、魚、貝......まさに海の幸と呼ばれるものがそこには詰まっていた。

「おおー!!リル凄いな!」

「タッツーも凄いよ!火の暖かみなんて初めてだよ。」


樹生とリルははしゃぎながら、BBQの準備を進めていく。新たなる仲間はとてつもなく...賑やかな存在であった。


「リーブルカイザー......海の帝王じゃないですか。」

「流石ね。サロメもそろそろ彼を見直したんじゃない…」

「ええ...流石の私もここまで見せられては。まぁ見直しはしませんがね。」

「相変わらず石頭ね。」

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