表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/104

89.  起死回生

「むっ......これはまずい状況になりましたね。」

「どれどれ......って!死んどるじゃないか!」

「死んではいませんよ。......死にかけてはいますが」

「それじゃあ、変わらんじゃろうが!」


(ねぇ......大丈夫?)

声が聞こえる…...

(おーい!大丈夫かー?)

誰だか知らんが大丈夫なわけないだろうに...

(なんだとー?助けてやらないぞー?)

助けてくれるのか?なんで...

(任せなさーい。私も"アイツ"が嫌いだし?敵の敵は味方ってやつ?)

なるほど......君は俺の敵なのか......

(それは今後の君の態度次第だよ♪)

そうか......頼む。君の力を貸してくれ!!

(オッケー!それじゃあ...行くよ!!)

真っ暗だった視界に一筋の光が見える。それは徐々に強くなっていき…






瞬間

「がはっ!おぇ......はぁはぁ...」

「タ、タツキ!?目が覚めたかにゃ!!」

「マスター!無事ですか!?......くっ!」

バキッっとアイギスが吹き飛ぶが、直ぐに戻ってくる。

「な、何が...」



「はぁぁぁぁぁぁ!!」

「ギャアオオオオ!!」

アイギスがあの黒い怪物と戦っていた。見た目は完全にゴ○ラである。俺は木っ端微塵に吹き飛んだ水上バイクの破片に掴まっていた。

「ダメにゃ!!アイツ魔術に高い耐性を持ってるにゃ!!」

「それでも、やりなさい!!メア!!」

「あーもう!やってるにゃよ!!」

メアが魔術を発動させるが、少し動きが鈍くなる程度で効いているようには見えない。

「............!!」

背びれが青白く発光し始める。

「またそれですか!!いい加減飽きましたよ!!」

「そうにゃそうにゃ!芸がないにゃ!ずるいにゃ!!」

アイギスは無理に展開しようとするが、魔力が少ないのだろう。メアも目に見えて疲労しているようで息も絶え絶えである。

「せめてマスターだけは!!」

アイギスがタツキを吹き飛ばす。

「な、何を!うわぁぁぁぁぁ!」

ボシャンと遠くに着水する。

「ぷはぁ!!アイギス!メア!」

「にゃにゃ!これが最後にゃよ!!」

メアも最後の魔力を練り上げる。

「メア、1発なら防げます。次はありませんよ。」

「分かってるにゃ。......もう少し、タツキと一緒に旅したかったにゃね。」

覚悟を決めたように、アイギスとメアはゴ○ラを睨み付ける。


「マスター......短い間でしたが、楽しかったです。」

「僕もにゃよ。キシーちゃんによろしく伝えといてにゃ。」


「アイギス!メア!待って!!」


「ガァァァァァァァァァァァ!」


「やめろぉぉぉぉ!!」

樹生の叫びも虚しく、青白い光線が放たれる。臨界を越えた光線はアイギスですらもはや完璧に防ぐ事は出来ない。一瞬にしてアイギスとメアが居た場所は光線に飲み込まれ、爆音を上げながら巨大な水柱を上げる。




「そ......そんな......」


ゴ○ラが振り向き、ゆっくりと樹生に近づいてくる。


「くそったれが!!メアとアイギスを返しやがれ!!この著作物が!!」


「グルルルル......」


「いいぜ!食ってみろよ......腹んなかでロケランぶっぱなしてやるよ!!」


「ガァァァァァァァァァァァ!」


「いいか…...もう二度と飯なんか食えると思うなよ!!泣いて詫びてもお前は許さねぇ!!」


巨大な口が迫ってくる。真っ黒な口内にびっしりと生え揃った岩のような牙が大量に見える。


「うぉぉぉぉぉ!!」


ザバァァァァァァン......


「グルルルル......」


一瞬で視界が真っ黒に染まった。食われたのかと自覚し来るであろう死に備える。





「間に合ったぁぁぁ......意識はある?」

「お、お前は?...て言うか口の中?」

「おやおや?命の恩人にお前とかまだまだ余裕はありそうだね?」


「ゴァァァァァァ!!」

「おっとと......あんたに構ってる余裕はないの。何せこっちは.........しゃべる猫ちゃんと、盾背負ってるんだからね!」

「!!」

「君は...そのまま口の中にいて。大丈夫...この子達はあたしに任せて!」


迫り来るゴ○ラからぐんぐんと離れていく。


「ふんふふーん♪私に泳ぎの速度で勝てる分けないでしょう?......で•か•ぶ•つ。きゃははは!」

「ガァァァァァァァァァァァ!」

苛つき、追いかけようとしているが諦めたのだろう。背中を向けたかと思うと、海の底に消えて行った。

「とりあえず近場の島に行くわ。そこでゆっくり休みましょう。」

「君はなんで助けてくれたの?」

「うーん?それ聞いちゃう?聞いちゃうかぁ...」

暫く悩んだ後


「島について落ち着いたら話して上げる。」

「......わかった。君を信じるよ。」

「うん...ありがとう。」


タツキは姿形が見えない誰かに助けられ、当初の目的地に到着するのだった。


「な、な、な、な、何なんですか!?あの男は!!死ぬでしょうあの状況は!!運とかそんなもんじゃないですよ!!」

「...............」

「?お嬢様どうしかしましたか?予想通り異世界人くん生き残りましたよ?」

「...............ハラハラしたわ。ヤバいわね。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ