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82. ダンジョン散策 1


「ほら、彼オーク倒したじゃない。大丈夫よ。」

「お嬢様...今のはまぐれと言うのですよ。」

「サロメ...うるさい。彼なら大丈夫よ。」

「あ、あの男の何がお嬢様を惹き付けるのですか......私にはわかりません。」


「さてと......それじゃあ作戦会議だな。」

「んにゃ!」

ご飯も食べ終わり、コーヒーを飲みながらのブレイクタイム。

「まず、上階を目指すって事でいいんだよね。」

「そうにゃ。ここが何階層かはわからにゃいけど…いつかは一番上に着くにゃ。そしたら晴れて外に出られるにゃね。」

「因みにメア的には後どのくらいだと思う?」

「予想にゃけど5階層以上はあると思うにゃ。僕たちが合ったのが3階層登りきった後だったからにゃね。」

どうやらメアは一人で3階層分は登ってきたようだ。結構凄いな。

「なるほど......そしたらダンジョンの何処かにある扉に入って行くと...」

「そうにゃね。大変にゃけど......地道に行くしか無いにゃね。」

地道にか......いったいどれ程かかるのやら。

「にゃけど、タツキにとって悪いことばかりじゃないと思うにゃ。」

「と言うと?」

「ここがダンジョンである以上、金銀財宝に珍しい素材、滅多に食べられない物まで何でもあるにゃ。それらを持って外に出ればいいお土産になると思うにゃよ。」

「お土産か......確かに考えてもなかったな。」

この異常な状況に樹生自信余裕が無くなっていた。戦場も焦った者から死んでいくとも言うしな。やはり余裕が大切なんだろう。


「.........よし!目標はダンジョンからの脱出と皆との再開。そしてサブミッションは皆へのお土産集めとしよう!」

「いい案にゃ。焦って行動しても良いことはにゃいからね。」

「そしたら探索しに行こうか。」

「にゃにゃ!」

メアはピョンと樹生の肩に乗る。どうやら定位置は決まったようだ。


「それじゃあ探索開始!」

とは言いつつもまずはしらみ潰しに探さなきゃ行けないわけで...

「うん?このキノコ面白い形してるな。」

「触らにゃいほうがいいにゃよ。多分毒にゃね。」

「マジか!!」


「んにゃ!あの木の実美味しそうだにゃ。取れそうかにゃ?」

「ちょっと待ってて......よっと...」

「はい、どうぞ。」

「ありがとうにゃ。あむ......」

「じゃあ俺も......」


「「すっっぱぁぁ!!」」


「タツキ!もっと早く走るにゃ!」

「全力疾走だよ。こんちくしょう!」

「ガァァァァァァ!!」

無数のラプトル?みたいなのに追いかけられていた。

「メア!まだなのか!?ひぃひぃ...」

「もうちょっとにゃ......」

「うわぁ!」

木の根に足を引っかけ転んでしまう。

「う、うわぁぁぁぁぁあ!!来るなぁぁ!!」

樹生の頭に鋭い牙が食い込む寸前…

「"スリーブフィールド"展開にゃ!」

ラプトル達は瞼を閉じ頭から地面に突撃していた。かなりの衝撃だったが1匹も起きる個体は居なかった。

「はぁはぁ......おぇ...ふぅ...」

「危機一髪だったにゃね。」

「簡単に......言ってくれるね......うぅ...」

洞穴を出てからと言うもの、毒キノコを触りそうになったり、暫く唾液が止まらなくなるほど酸っぱい木の実に舌ずつみをうち、ラプトル?の巣にニアが転げ落ち捕まったら死の逃走中が開催されたりと...

「マジで......死ぬ...」

フウナさん達の凄さを改めて実感する樹生であった。だがここにはフウナさん達はいないのだ。生き残るためには自分達で何とかするほか無いのだ。

「うーん…中々見つからないにゃね。」

「......まぁダンジョンってのは下っていく物だからね。下に向かう目印とかヒントはあるかもだけど逆はね...。そう言えばメアはどうやって上がってきたの?」

「僕の時は荒野だったり火山だったり見通しがよかったにゃからね。簡単にボスを見つけられたにゃ。」

話を聞いて樹生にある疑問が浮かぶ。

「どうやってボスを倒したの?ラグナログドラゴンは倒せないって......」

「あれ、嘘にゃよ。タツキ達が信用できるかどうか試しただけにゃ。第一倒せないとは言ってないにゃ。」

そうだったのか......なんか騙された気分。事実騙された訳だけど。

「しかし、このダンジョンも辺なダンジョンだよな。何でゴール前じゃなくてスタート地点にボスがいるんだ?」

ラグナログドラゴンの時に違和感があったのだ。何でスタート地点でボスが待ち構えているのか。

「なぁメア......あくまでも仮なんだけどさ、俺たち最深部に向かってるってこと無いよね?」

「なに言ってるにゃ?ダンジョンっていうのは地下迷宮の事にゃ。なら上に向かうのが正解にゃよ。」

メアの言ってることも一理ある。もう少し進んでみても良いかもしれない。

「とりあえず高台に向かおう。ラグナログドラゴンの時と同じなら巨大な扉がある筈だしね。」

「にゃにゃ!僕が通過した3層も全部同じ扉があったにゃね。............そうにゃね。」

「やっぱりさぁ......俺たち下がってない?」

「......もしかしてここダンジョンじゃにゃい?」

今決めつけるのは早計だろう。とりあえず扉を見つけるべきだ。

「うーん......今考えても確たる証拠がある訳じゃないし、立ち往生してる場合じゃないしな。ありがたいことに、昼夜の概念は無さそうだし。メア、とりあえず進もう。もし最深部に向かってるなら敵もどんどん強くなる筈だし。」

「そうにゃね......進んでみようかにゃ。」

(もしにゃ......もし僕が転送された場所がダンジョンじゃ無かったら...だったら...いや、そんなこと無いにゃ。わざわざそんな所に転送する意味が無いにゃ。.........でも、もしそうだったら......)

積もる不安を振り払いメアは樹生の肩に乗る。だが、現実とは非情なもので、彼らの考えが正しいことを思い知ることになるのだった。

「タツキ!お腹減ったにゃ。おやつにゃ!」

「はいはい、まだあって間もないのにだいぶふてぶてしくなったね。」

「にゃふふ...こんなに美味しい物を前に、プライドなんか要らないにゃ! あむあむ♡」



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