表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/104

75. 嵐1日夜ご飯前

「ぶふっ!痴女神って......あんた言われてるわよ笑笑」

「つっ.........!!///」

「あ~あ...タツキ君わーるいんだ…神様泣かしちゃったよ。」

「うぅ~.........何故あんなことを......」


「うーん......宝石類はこれでいいかな?」

「ええ......呪いとかの類いは無かったわ。」

全部換金したらどれくらいの値段になるのだろうか?考えただけで鳥肌が立ってきた。ダイヤモンドにルビー、サファイア、エメラルド......有名な宝石がゴロゴロところがっている様子をみていると、感覚が麻痺してくる。もしかしたら元にいた世界ほど宝石に価値は無いのかもしれない。

「これとかも気づいたら喋りだしたりして......」

宝石が散りばめられ美しい装飾がなされた宝剣を眺める。

「そんなわけ無いじゃない...言っとくけど自我持ってる武具なんて世界探してもそう無いわよ?」

「そう言う君がその内の一つなんだけどね......」

キシーがカタカタと振るえながらそう言う。けどね......

「何かね......予感がするんだよ...」

「「?」」

キシーとシルエルが?を浮かべていた。

(俺の職業の探求者。良い出会いだけで収まる気がしないのは......)

気のせいだとは思うが......

「まぁいいか。シルエル?何か食べたいものある?」

「食べたいもの......ならあれが良いわ!!えっと......ハン…ブーグ!」

ハンブーグ......ああ!ハンバーグ!

「ハンバーグね。わかった。」

樹生は保管庫を見る。

「うーん......あ!あれがあったな。」

樹生はキシーと捌いたブラキオサウルスの肉を取り出す。

「でけぇ...」

一つのブロックが樹生の全身より大きい。これがまだまだあるのだから嬉しい限りである。

「しかもめちゃくちゃ旨いんだよな。」

味的には牛肉に近いだろうか?とにかく赤みの旨味が強く脂がくどくない。前回生姜焼きにした時は美味しかったが少し違和感があった。しぐれ煮何かにしたらめちゃくちゃ旨いと思う。

「今回はハンバーグにするからな。ミンサーはめんどくさいし......久しぶりに魔法を使いますか!」

樹生はボウルに肉をいれると風魔法で回し始める。前回ウルフハンバーグを作ったとき以来だろうか。

「あれ?タツキって魔法使えるの!?」

シルエルが何故か嬉しそうに言ってくる。

「まだ言ってなかったね。けど大したことできないよ?」

コップに水を注ぐ。飲めるが不味い。

その水を凍らせる。相変わらず不味い。

小さな石塊を生成。壁に撃ち込むが弾かれる。

適当な紙に火をつける。紙一枚燃やすには十分。

手のひらに静電気を帯びる。髪の毛が逆立つ。

光の玉をふわふわ飛ばす。蛍のようで意外と綺麗。

小さな闇を形成。指を入れると隠れる。

「こんな程度だよ?シルエル?どうしたの?」

ポカーンと口を開けて硬直していた。

「全属性?しかも無詠唱?」

ぶつぶつと何かを言いながらフワーっと何処かへ行ってしまった。

「?」

樹生はよく分からん!と思いながら肉をミンチにしていく。




「フ、フウナ!アーサーも!起きて!」

シルエルがバシバシと叩く。

「シルエル?どうかしたの?」

「むぅ......問題でも?」

欠伸をしながらのそりと起きてきたフウナさん達にシルエルが見た光景を伝えた。

「見間違えでじゃないかしら?そんな人間は見たこと無いわよ。」

最初に否定したのはフウナさんだった。

「確かに...マスターでもそれはあり得ないのでは?」

アーサーも否定的であった。シルエルもその反応は予想通りであったが、自身が見たものは幻覚でも何でもない現実であったため混乱してしまったのだ。

「と、とにかく来てちょうだい!!」

フウナさんとアーサーを連れて樹生の元に戻っていくシルエル。


「あれ?シルエルどこ行ってたの?」

「な、な、な、何やってるの!!」

「「...............」」

シルエルは驚きに声を上げフウナさんとアーサーは固まっていた。

「何って......料理だよ?」

ぐるぐると回る風の中でブラキオサウルの肉がミンチにされている。それだけではシルエルも驚かない。問題はそこじゃなかった。

「なんで…魔術の多重起動ができてるのよ!!」

風魔法で肉をミンチにしながら、水魔法で水を生成し続ける。その隣では光魔法で作ったライトがふわふわと浮かんでいた。現時点で3属性を同時に操っていた。

「あぁ、魔法の事か。やったら出来た!」ドヤァ



「「「...............」」」

シルエルは眉間を押さえて唸る。

フウナさんは嬉しそうに九つある尻尾を振っている。

アーサーは満足げに頷いていた。


「あれ?俺なんか…やっちゃいました?」

「十分すぎるほどやらかしてるわよ!!」

この男、今日のシルエルはいつも以上に元気が良いな等と考えているが自分がどのくらい異常なのか気づいていなかった。異世界に一緒に送られた高校生達を覚えているだろうか?あの中に賢者や超越魔術師等のイカれた奴らがいたのだが…...

賢者で3つ

超越魔術師で5つ

これは持っている属性の数。そして超越魔術師でも簡易的な詠唱は必要とし多重詠唱に関しては......まだ出来ていないのである。樹生の異常性が少しでも分かって貰えればよかったが。

ちなみに今回の異常事態には...神が絡んでいるのは言うまでもないだろう。そんなことを露知らず樹生はハンバーグを作っていくのだった。

「あれ?私寝ちゃってた?」

「ルビア様、おはようございます。」

「リーシェルさん、おはようございます。」

「ルビア様…向こうでタツキ君が面白いことをやってますよ。」

「面白いこと?」

その後のルビアの顔を見た樹生が吹き出したのは別のお話。ああ、その後顔を真っ赤にしたルビアが怒って拗ねてしまうのも別のお話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ