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68. 炎帝フェニックス

「にゃにゃにゃ?何だか懐かしい気配がするにゃ」


「う~ん………まだ遠いにゃね。」

「マスター命令を。」

「あ、ああ。とりあえず何とかしてください!」

「………………はぁ。」


フェニックスはため息をつくと"そいつ"を睨み付ける。


「ここで死んだものの成れの果て………その集合体と言った所ですか。」

ボォッと炎が巻き上がる。

「フン……燃えなさい。」


「アァ………アアアアアアアア!!」

そいつは手に持っている鎌をブンブンと振り回すが炎は消して消えることはない。むしろどんどん火力が上がっている。


「抵抗しても無駄ですよ。さぁ冥界に帰りなさい…………"セイクリッドフレア"」

「アァァァァァァァァ!!」


ついにそいつは断末魔をあげながら、チリとなって消えた。

そこには何もなく、静寂だけが残されていた。


「……………………さあマスター名付けをお願いします。」

「名付け…………あぁ………ちょちょっと待って!まず何で君がここにいるの?」

樹生が聞くとフェニックスは首をかしげながら然も当然のように言った。


「マスターの生命の危機を感じて飛んできただけですが?」

「シリラさんは?あの人に色々お願いしてたんだけど……」


フェニックスはう~んと考えている。え?考える必要なんてある?


「ああ!思い出しました。あの女ですか?………口半開きにしながらボーッとしてたのでそのままにしてきましたが………何か問題がありましたか?」

「い、いや無事ならいいんだけど………」


よかった………研究所吹き飛ばしてたりしてたら大変だしな。


「そんなことよりも!私の名前です。さあ威厳溢れる素晴らしい名前をお願いしますよ。」


いきなりのことでおどろいていたが実は考えていたのだ。


「ふっふっふ………実はもう考えていたのだ!君の名前は

"ラー"だ。」

ビシッと決める。余りの驚きに周りの誰も声を出すことが出来ないようだ。

(まぁ、太陽神ラーからもじっただけだけど……)


「えっ?嫌です。」

「は?」


普通に拒否られた。


「他は?他のがいいです。」

「……………えっとじゃあ、"スルト"………ムスペル…………アーサー………アミー………ブリジッタ………」


「待ってください!3つ目をもう一度いってください。」

「えっと…………アーサー?」

樹生がそう言うとフェニックスが炎を揺らめかせながら頭を下げてきた。


「私の名前はアーサー………生涯を貴方と共に……」



炎帝種フェニックス    アーサーが仲間になりました。



「ふふふ、よろしくねアーサー。私はフウナよ。」

「また癖が強そうなのが来たわね。シルエルよ、よろしくね。」

「わふっ(クウだよ!)」


和気あいあいとしゃべっている。…………エンシェントウルフに風の精霊、その次はフェニックスか。

感慨深くうなずいているとちょんちょんと背中をつつかれる。


「……………触ってもいいかな?」

「是非私も!」

ルビアとリーシェルさんが目を輝かせながらフウナさんは達を見つめている。いやリーシェルさんは目が見えないんだけど………


「大丈夫だと思いますよ。ああ!そうだ!」

樹生は親睦を深めるフウナさん達を尻目にあることを思い付いた。



「今日は中華パーティーにしよう!」



樹生はそう決めるとホワイトマーケットで必要な物を買いそろえていく。

もちろん作るのは洞窟を出た後。こんな血なまぐさい所で作りたくはないからね。


「わふっ(そうだ!)」

クウが思い出したかのように、鳴くと樹生をぐいぐいと引っ張る。

「ん?どうかしたの?」

先を走るクウを追いかけると巨大な扉が出現した。


「わふっ!(お宝!)」

「ああ……良く見つけたな!えらいぞ!」

わしゃわしゃと撫でてあげると気持ち良さそうに目を細める。

「さてと…………それじゃあご対面。」


扉を力一杯押すとギィィィィッと音を立て扉が空く。


「こ、これは……………」

「わふぅ………(わぁ……)」


目の前には大量のお酒、乾物………つまり食べ物があった。


「スンスン………腐ってる様子はない。うん?これ牛乳か?いやさすがに腐って………」

匂いを嗅いでみる。


「はうぁ!!………何なんだこの香りは………ぐいっ。………うっめぇ!!」

「わふっわふっ(美味しいー!)」


クウは長細いジャーキの様なものを食べていた。あれもうまそうである。


「クウ!皆を呼んできてくれ!今日は豪勢な食事にしよう!」

樹生がそう言うとクウは目を輝かせながら走っていった。


「さてと………うん?」

大量の豆のようなものの中に何かが入っているのを見つけた。


「………………何だこれ?サーベル?」

引き抜くと綺麗な装飾が施されたサーベルが出てきた。

「………………お宝でいいのかな?」

とりあえず軽く振ってみる。特に何も起きない……そりゃそうか。


「ははっ、なんだただのサーベルか。警戒して損した。」

樹生は笑いながらサーベルを保管庫に入れる。


「さてと………君たちはどのくらいの価値があるのかなぁ?」

目が$ $ になっている樹生。

彼はまだ知らない。今手に持つワイン一本で屋敷が買えてしまうことを。

名は神製伝酒 ゴッドリカー

まさに最上の酒と言えよう。とはいえ樹生は16才であるため飲めないのだが…‥‥‥






「そう言えばアーサーってどうやってここに来たの?」

「私は火さえあれば何処にでも行けますから。ですからマスターも火を絶やさないようにしてくださいね。」

これから先は一人で迷うことも無くなったとほっとした樹生であった。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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