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44. 正体判明

……………………はぁ~


珍しいじゃない。あなたがため息なんて。


タツキ君に送る神器が決まらないのよ。





「それは…………難しいですね。」

樹生はサンドイッチを食べながら考える。

少なくとも料理は美味しい。今食べてるサンドイッチもソースと具材のバランスがよく、食べやすい。

ローストビーフはしっとり柔らかで黒胡椒が効いており、レタスはしゃきしゃき、トマトも新鮮でジューシー。パンもふわふわで食べやすい。


そう、めちゃくちゃ旨いのだ。これを不味いとは貴族の人達は相当なものを毎日食べているようだ。


「貴族は腕のいい料理人を雇ってるし、材料そのものの価値も違うわ。塩一つ取ってもね。」

どうやら想像以上に金をかけているようだ。そりゃ質素に感じても仕方がないだろう。


「ちなみに、塩一摘まみ金貨一枚何てのもあるわよ。」

「マジですか!!」


金貨一枚あれば平民なら半月生活が出来る。

それが塩人摘まみとは。

「………でも、不味いからどうにかしろってのはちょっと違う気がしますね。」

そもそも学校とはそう言うことを学ぶ場所でもある。気に入らないからと言って変えられるものではないからだ。

「………あなた歳いくつ?」

「俺ですか?16です。」

樹生がそう言うとシリラさんは感心していた。


「ちょうど一年生と同い年じゃない。………どう?入学してみない?魔法の事とか魔獣の事とか色々知れるわよ。」

ニコニコしながらシリラさんが言い出した、急に何を言い出すかと思えば………


「ありがたいですけど今は大丈夫です。気が変わったらまた伝えに来ますよ。」

せっかく異世界に来たと言うのに学校何て行ってられるか。

そういのは他のハーレム系に任せますよ。


「え~、もったいないわね。……まぁあなたがそれで良いならこれ以上言うつもりはないけどね。」

「はい。そうしてください。それと、仲間達がしびれを切らしてる頃ですから。そろそろ………うん?どうしたクウ?」


「アゥゥ………」

ひしっと足にしがみつくクウ。まるで「行かないで」とでも言いたげな目で樹生を見上げていた。


「どうしたんだ?気になるものでもあるのか?」

「!!アオン!!(こ、これ!!)」


クウが樹生のバックを引っ張る。そこにはダンジョンで手に入れたあの卵が入っていた。


「ああ!思い出した。ありがとうクウ。」

「ワフっ!(良かった!)」

内心ホッとするクウであった。まだフウナさん達が戻ってないことを知っているため何としても樹生を引き留めなければならない。


「シリラさんに聞きたいことがあったんです。」

「何かしら?」

「これなんですけど………何かわかりますか?」


卵を机の上におく。最初よりも暖かくなっており、樹生も少し驚いたがシリラさんの驚きはそれどころではなかった。


「こ、これは!!タツキ君!どこでこれを手に入れたの!?」


バンっ!と机を叩き立ち上がるシリラさん。落ち着いた雰囲気を彼女からは感じられない程の興奮っぷりだった。

一体何がシリラさんの琴線に触れたんだ?


「まだ言ってなかったわね。私は魔術も教えてるんだけど専門は魔獣学を担当してるの。それもただの魔獣学じゃないわ。古代種や伝説種、精霊種なんかを専門分野にしてるの。」


ほうほう………つまりこの卵は?


「赤………というよりは紅それも燃えるような紅と白の縞模様。人の頭以上の大きさがあり、重量もかなりのもの。そして最大の特徴とも言えるこの熱量。さわり続けるだけで火傷してしまいそうな程の熱。間違いないわ………」


「こ、この卵の正体は…?」


ツンツン

「ワフっ(何だろう?)」


こら、クウ。つつくのはやめなさい。

「アウー……(抱っこ~……)」

クウを持ち上げ抱える。

顔を………舐めないで……


「…………いちゃついてる所悪いけど、発表するわよ。」


おっと、そんなつもりは無かったんだが。


「ふん!聞いて驚かないことね!」


(羨ましい……じゃなくて!……ああ、抱っこしたい、可愛い!!)


「「?」」

シリラさん、目がヤバイことになってますよ。


「ゴホン!………ごめんなさい。それじゃ言うわよ。」


ゴクッ………


「この卵は不死鳥フェニックス。しかも炎王種という最上位種。エンシェントドラゴンやエンシェントウルフなんかと肩を並べる化け物よ。」


「「………………………??」」


「まさか実際するとは………世界中でも目撃情報は皆無。いくつかの文献にその存在が書かれてる程度の存在が目の前に!!」




~said フウナ


「目覚めはもう少し先かしら。」.


三首の巨大なドラコンの上でフウナさんがそういう。

いや、元三首と言った方がいいだろう。今は2つを切り落とされ苦しそうにうめき、今だ抵抗を続けるドラコンだが……


「そうね。最後に見かけたのはもう数百年前かしら。私がまだ微精霊だったころね。」


ドラゴンフライと呼ばれる昆虫が大量に地面に縫い付けられたように押さえつけられていた。

もちろん三首のドラゴンもシルエルが押さえつけている。


「どうしたのフウナ?タツキが心配?」

「クウを行かせたから大丈夫よ。もしもの時は聖剣だってあるわけだし。何の問題もないわよ。」

そう、何も問題はないのだ。ないはず……


「そろそろ帰る?」

シルエルの一言をフウナさんは否定した。


「いや、このまま進みましょう。階層も次が最後だし、いいお土産渡したほうが彼も喜んでくれるわよ。ということで、バイバイ、三首のトカゲちゃん」


脳天への一撃

一瞬痙攣するとそのまま絶命。それにあわせるようにドラゴンフライもやられていった。

「もうすぐよシルエル。」

「ええ、やっと迷路ともおさらばね。」


次の階層に向けて着々と歩を進める二人。

ゴールまであと少し。




卵の正体が判明しました。フェニックス誕生までもうしばらく掛かりそうです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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