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43. 難しい問題


なるほどね…………。タツキ君にお願いしちゃダメかしら?


…………いいわね、それ。神託としてお願いするのよ。もちろん報酬つきでね♪


はいはい、私がやればいいんでしょ。あんたはタツキ君への

プレゼントでも考えてなさいな。




「……………と言うことが昔あってね」

「はぁ……なるほど?」

あれこれ一時間以上しゃべり続けているシリラさん。どんだけセスさんのこと好きなんだよ。


「つまり私が何を言いたいかと言うと………セスは世界一の妹と言うことよ!」


一時間前にその一言で終わったのでは?


「…………なるほど。色々とありがとうございます。」

「そんなことないわよ♪久しぶりにこんなに喋ったから何だか楽しくて。」

シリラさんがニコッと笑う。

……………この世界の人達はずるいよ。笑顔が素敵すぎる。


「あら?もうこんな時間。………タツキさん、お腹は減ってるかしら?もし良かったら食事をご馳走したいのだけど。」


食事という言葉にクウが反応した。耳がピクピク動いている。

樹生もちょうどお腹が減っていた。


「ええ、お願いします。もうペコペコで」

「ふふ、それじゃあ行きましょうか。」


シリラさんについて行くように部屋をでて行くのだった。




~said フウナ


「…………思ってたより長いわね。」

「そうね。敵は雑魚ばっかりだけど………迷路はめんどくさいから嫌いなのよ。」

はぁ~っとシルエルはため息を付いた。

現在フウナさん達は迷路の攻略中であった。この迷路壁や天井の破壊が不可能で間違った道を進むと強敵が出現する凶悪なものになっていた。

現在も二首のドラゴンと相対していた。


「グガァァァアァァ!!!」


「うるさい。」

ドラゴンの動きが止まり、首が吹き飛ぶ。

シルエルの十八番だ。


「どうにか出来ればいいんだけど……」

フウナさんは壁を眺めながらため息をつく。

「とりあえず進むしかないわね。私達の魔力痕を見れば元の場所に戻ることはないはずだし。」

気だるそうにフウナさんは歩く。

彼女は強敵を求めているのであって、こんな状況は望んでいなかったのだから。


「はぁ……大人しくタツキの帰りを待ってれば良かったかしら……」

何だかんだ後悔し始めるフウナさん達であった。



side~タツキ


「ここが食堂ね。まだ授業中だから生徒達はいないみたいね。」

俺は学食というものを経験したことがないためワクワクしていた。

「なるほど………日替わり定食と普通の定食がある感じか。結構種類もあるんだな。」

「まぁね。このくらいの年頃だと苦手なものもあるでしょ?それに種類が多い方が嬉しいじゃない。」

シリラさんがメニュー表を指しながら説明してくれた。


「…………それじゃあ、サンドイッチにします。お金はどこで払えばいいですか?」

「ああ、いいわよ。今回は奢るわ。もちろん君もね。」


おっ!嬉しいね。


「ではお言葉に甘えます。クウ、お礼言って。」

「アオン!(ありがとう!)」


クウの反応にシリラさんは驚いていた。


「流石はエンシェントウルフね。人の言葉が理解できる程に知能が高いのね。」


理解出来るどころか喋りますけどね。


「もし機会があればフウナさんとシルエルも紹介しますよ。」

「大人のエンシェントウルフと風の精霊。魔法の研究者として是非会いたいわね。」

シリラさんは目を輝かせて、話していた。



しばらくすると、料理が出来たようだ。

「お待たせしました。サンドイッチ2つと日替わり定食です。」

「ありがとう。さあ、行きましょうか。」

「はい。クウ行くよ。」


樹生の足元で丸まっていたクウが起き上がりトコトコついてきた。


「この辺でいいかしら?」

シリラさんはベランダに出ると椅子を引いて座った。

どうやら晴れてる日は外でも食べられるようだ。


「う~ん!…………よく晴れてるわね。」

「そうですね。こういう日に外で食べるサンドイッチは格別ですよ。なぁクウ?」

「ワフっ!(うん!)」


すでにサンドイッチを食べていたクウが返事をした。


「口にあって良かったわ。ここの料理人達も毎日頑張ってくれてるからね。ただ………」

「どうかしたんですか?」


はぁ~っとシリラさんはため息を付いており、遠い目をしていた。


「少し前に校内アンケートを取ったのよ。改善して欲しいことや気になってることを書く程度の簡単なものなんだけどね。」


へぇー、どの世界でもやることって似たような感じなんだな。


「例年なら大したことは書かれてないんだけどね。今年は貴族の子達が大勢入ってきて要望が止まらなくてね。」


「なるほど………。でも全部を叶えるなんて不可能ですからね。」

個人の意見は尊重すべきだが、それを全て叶えていたらめちゃくちゃになってしまう。


「そうなのよ。だからある程度は妥協案で済ませてたんだけど。一つだけ難しいものがあって………」


「と言うと………」


「ご飯が不味い。これが多すぎたのよ。」


シリラさんは「全然美味しいんだけどねぇ………」と言いながらパクパク食べていた。


これは樹生君活躍の予感!?

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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