42. まさかの繋がり
…………………と言った感じかしら。
じゃあ、キングアシッドスライムとかドラゴンゾンビなんかも……
ええ、そう。彼らの仕業よ。
「……………………待ってください。情報が多すぎます。」
シリラさんは頭を抱えていた。そりゃそうだろう。
樹生は彼女に今までのことを全て話したのだから
「貴方はアンギス帝国に召喚された異世界人で、そのエンシェントウルフは貴方の従魔………」
「ははっ……ぶっ飛んでるのは自分でも何となくわかります。」
樹生も自分の境遇を思い出す。
…………ヤバいな。
「まったく………ノマンの話を聞いて見ればとんでもない化け物が来たわね。」
「いやいや、化け物は俺じゃないですよ。むしろ……」
「ワフっ?(何?)」
目をクリクリとさせていた。
……………可愛いぃ。
「まぁいいわ。貴方名前は?まだ聞いてなかったわね。」
「タツキです。九条樹生です。」
「なるほどね。タツキ………タツキ!?」
ガタッとシリラさんが立ち上がる。
目を見開いて、とんでもなく驚いていた。
「あ、貴方が……タツキ、いえタツキさんね!」
ガシッと両手を捕まれ握手の形になった。
クウも反応できない速度で距離を詰められており、クウも驚き目を見開いていた。
なっ、何だ?俺のファンか?笑
「お、俺がどうかしましたか?」
「ありがとう!本当にありがとう!あの食にしか興味がない妹と仲良くなってくれて!」
……………妹?
「シリラさんに似てる美女何て俺知りませんよ?」
そんな人こっちからお近づきになりたいくらいだが……
「ふふ、性格が全然違うものね。でも良く似てると思うわよ?」
改めてシリラさんを見る。
……………そういえば、どこかで………
………………………あっ!!
「もしかして雷光のセスさんのことですか?」
「ええ、そうよ。妹と仲良くなってくれて本当にありがとうね。あの子あんな感じだから、友達も少なくて………しかも男友達何ていなかったから!もう、本当に……」
顔が緩みまくっていた。よっぽど嬉しかったんだろう。
セスさんのことが大事なんだな。
その後もシリラさんはセスさんのことをずっとしゃべっていた。クウも途中から寝てしまい、樹生も仲良くなれてるのかよくわからず乾いた笑いしか出来なかった。そもそも雷光の人達とはしばらく会っていなかったから、てっきり忘れられてるんじゃないかと思っていたが………
(俺………セスさんとそんな仲良くしてたっけ?)
いくら思い出しても、フウナさんに気絶させられていた所までしか思い出せない。
樹生がそんなことを考えている間もシリラさんはずっっとしゃべっていた。
(クウ、ふわふわだなぁ。)
一旦思考を停止させた樹生であった。
~少し時間をさかのぼる………正確には樹生がノマンと歩っていたころ。
ドラゴンのダンジョン内部
「まぁ、こんなものかしらね。」
フウナさん達は第一階層を突破していた。
…………弱くてもCランクのドラゴンが大量にいたはずだが。
一匹残らず殲滅されられていた。
「ここはこんなものかしら。準備運動にもならないわね。」
シルエルはアイテムバックにドラゴンを突っ込みながらそう言っている。彼女がついさっき潰したポイズンテールドラゴン、かなりの強敵なのだが流石といったところだろう。
クウも魔法を使いながら、ドラゴンを倒していた。
「クウ、シルエル。ちょっと来てちょうだい。」
「何?2階層の入口見つけたの?」
「ワフっ?(どうしたの?)」
フウナさんの召集に皆が集まる。
「2階層の入口はここよ。すぐに向かうわよ。ああそれと
クウ、貴方に頼みがあるの。聞いてくれるかしら?」
「ワフっ!(いいよ!)」
「ふふ、ありがとうね。それじゃあ、タツキの所に向かって欲しいの。」
「ワフっ?(何で?)」
クウは分からなかった。彼のことは兄のように慕っており、そんな彼が一人で大丈夫と言ったのだから。
「ふふ、行けば分かるわ。貴方にしか出来ないことよ。それに絶対彼の助けになるわ。」
フウナさんの言葉にクウはハッ!とした。
彼の助けになれる。それはクウにとって非常に嬉しいことだった。
「アオン!(行ってくる!)」
シュパッと入口にクウは樹生の元へ走っていった。まだ子供だが身体能力はピカイチである。
すぐに姿は見えなくなった。
「さあ、進みましょう。」
「はいはい、相変わらず親バカね。貴方。」
フウナさんは何の事かしら?と言いながら先に進む。そんなフウナさんをシルエルは呆れ顔で見ていた。
シリラさんとセスさん姉妹だったようです。にしては全然似てないような……?
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!




