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41. 条件

彼のこともう少し調べてみるわ。そう言えば他の異世界人の動きは?


······································


どうしたの?何かあったの?



…………聞きたい?始めに言っとくわ。"後悔"しないことね。




「…………嫌な予感がする。」

「どうかしたかい?」

神妙な顔をする樹生をノマンさんは心配して声をかけてきた。


「緊張してるのかい?大丈夫だよ。学長優しいから」

ノマンさんはそう言うが樹生は別に緊張しているわけではない。どちらかと言うと……


(大人しく………してるわけないよなぁ)

何だかんだ留守番を任せたことを後悔し始める樹生であった。



「君は……冒険者かい?」

「はい。イルドランからカンドラに向かってる最中でして。ちょうど通り道だったので依頼を受けたんです。」

これまでの経緯を軽く説明する。


「なるほど……それでロックバードはどこに?」

質問に対しバックを叩きながら答える。


「この中にいます。今は気絶してますが、いつ目覚めるか……」


樹生の説明にノマンさんは「なるほど……」という。


「わかりました。学長室まで案内します。」

「ありがとうございます。よろしくお願いします!」


(この人がロックバードを…………嘘ですね。捕獲したのは別の人物。それに帝国のこともありますから警戒すべきでしょうね。一応学長に伝えておきますか。)


樹生は警戒されてるとも知らず、意気揚々と歩っていた。




side~フウナ一行


「ここよ。」

「こ、ここって……」

「ワフっ!(楽しみ!)」

フウナさんが見つけていた場所………そこは、




「ダンジョン、それもドラゴンのダンジョンね」


ダンジョン……つい先日樹生達が攻略し金銀財宝を手に入れたわけだがそもそもダンジョンには名前が存在している。前回のダンジョンは黄金のダンジョン。難易度的にはAランクと言ったところ。だが今回フウナさん達が入るドラゴンのダンジョンはSランク相当である。中には多種多様なドラゴンが生息しており絶大に危険なダンジョンである。


「これは少しは楽しめそうね!」

シルエルはウズウズしており楽しそうであった。


「タツキが戻ってくるまでには終わらせるわよ。」

「アオン!(やってやるわ!)」


意気揚々とダンジョンに入っていくフウナさん達。結果樹生の頭が痛くなるのは別のお話。



そして樹生はと言うと………


「ようこそグラニア魔術学院へ!歓迎するよ。」

ノマンの案内のもとグラニア魔術学院へ到着していた。見た目は西洋の城のよう。

「今生徒達はあっちの建物で授業を受けているんだ。」


ノマンさんが指す方向を見ると3階建ての建物があった。どうやら今は授業中なようで静かだった。

「さぁ、こっちだよ。」

コンコンと扉を叩く。


「どうぞ」


中から凛とした声が返ってきた。

「失礼します。」

「し、失礼します。」


中に入ると金髪の女性がいた。

耳は長くエルフであることは一目でわかった。


……………て言うか、どこかで見たような?


「どうしましたか?私の顔に何かついてますか?」

「あ、いえ……知り合いにとても似ていまして。」


おっと、これは失礼


「ふふ、大丈夫ですよ。ノマン、一度外してください。彼と二人きりで話がしたいものですから。」


「了解しましたよ。それではこれで」

ノマンさんが部屋を出ていく。




「私はシリラ·エリニア。ようこそグラニア魔術学院へ。用件は既にうかがっております。ロックバードはこちらにお願いしますね。」


パチンッ

シリラさんが指をならすと巨大な檻が出現した。

ここに入れろということだろう。樹生はロックバードを檻の中に入れた。まだ気を失っているようでぐったりしていた。


「これで依頼は完了ですね。」

「ええ、そうですね。……‥…しかし依頼完了を受理することは出来ません。」


は?


「え、えっと……どうして、………うっ」


鋭い眼光に睨み付けられ樹生はたじろぐ。


「はぁ……この程度で腰を引かすなんて。ノマンの話を聞いて正解でした。」


「あ、あの何のことでしょうか?このロックバードじゃダメだったんですか?」

クウが捕獲してくれたから安心していたが……何か問題があったんだろうか?


「ロックバードは問題ありませんよ。この上なく綺麗に捕獲してくださったので感謝しかありません。しかし、そこが問題何です。」


……………じゃあ何がダメなんだ?


「……………まだ白を切りますか。いいでしょう、はっきり言います。貴方ではロックバードはおろかオークですら倒せない、違いますか?」


「…………‥そうですね。多分逃げますね。」


ビックリしたぁ……そう言うことか。


「‥‥‥案外素直に認めるんですね。いいでしょう、このロックバードを捕獲した者をここに連れてこれたらこの依頼、正式に認めましょう。ただし……」


条件か………めんどくさいのは嫌だな。


「嘘が判明した時はリタニア王国の騎士団につきだします。いいですね?」


いや、全然良くねぇ!まずいこのままじゃ犯罪者に……


「……………わかりました。ちなみにいつまでとかありますか?」


フウナさん達はお留守番させちゃったし………すぐは難しいかな。


「何を言ってるんですか?今すぐですよ。………まさか、連れてこれない何て言いませんよね?」


………………Guttem!!ヤバい、流石に声聞こえないんじゃ……


いや、でも洞窟でフウナさん達は来てくれた!なら今回もきっと来てくれる!


「わかりました。今呼ぶので窓を開けてもいいですか?」

「ええ、構いませんよ。」


窓を開け、口に手を添え腹から声を出す。


「皆ー!来てくれー!」


シーン


「はぁ………。タツキさん嘘は良くないですよ。今ならまだ………」





「アオン!(来たよ!)」


「クウ!来てくれたのか!」

窓からひょこっとクウが入ってきた。

フウナさん達が居ないのが気になるが………寝てるんだろうか。


「なっ!…………。」

シリラさんは驚きで固まっていた。

そりゃそうだろう。何せクウは……


「エンシェントウルフ!まだ子供ですが何故こんなところに!!」


「そりゃ、仲間だからね!」

「ワフっ!(うん!)」

















フウナさん達と別れてしまったことが裏目に出てしまったようです。信頼を獲得出来ればいいのですが………

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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