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38. お待ちかねのBBQ

ファフニールが一撃なんて…………あなたの眷属やるじゃない。


ふっふっふ!そうよ!あの子はやる時はやるのよ!





「タツキ、そろそろ行くわよ。」

大量の宝の山を全て保管庫に入れ帰りの準備をする。

「にしてもタツキが見つけたその卵………何なのかしら?始めてみるわね」

「私も始めてみるわ。クウちゃん、何か分かる?」

「…………クゥーン(…………わかんない)」


どうやらフウナさん達でもわからないようだ。


「まぁ、とりあえず大事に持っておきます。さあ!帰りましょう。」

もうへとへとである。

一刻も早く寝たいものだ。


「あら、なに言ってるのかしら?今から夕飯よ。」

「そうねぇ!お腹減ったわ………」

「アオン!(ご飯♪)」


………………………まぁ、いいか。


俺はへとへとだってのにこいつら……


「わかりましたよ。なら早く出ましょう。」

樹生の言葉にフウナさん達は頷くと出てきた穴から出ていく。

「何だかんだ楽しかったな……」

「あら、それなら今度もっとヤバいダンジョンに行きましょう。」

「あ……いやぁ、ははっ……」


フウナさんの言葉に樹生は焦って何も言えなかった。

今回以上か………死ぬな。


「やっぱり止めときます。死にたくはないですから。」

「?。決定事項よ。なに言ってるのかしら?」


さも当然のように……


「さてと、到着♪」

そんなことを言っている間に穴かは脱出できた。


「さぁタツキ!ステーキよ!ステーキ!」

「アオン!(ステーキ!)」


「はいはい。ちょっと待ってて」


樹生は大きなバーベキューコンロを取り出す。

ドラム缶を丸1つ使った巨大サイズである。それを3つもである。


「最大効率で焼き上げていきますよ。………皆さん胃袋の空きは十分ですか?」

樹生の言葉にフウナさん達はヨダレを滴しながらコクコクと頷く。



まず、肉!

レッドファー、コカトリス、ビックディアー

ワイバーンの肉は解体中のため今回は無し。

次に野菜だが………


「フウナさん………本当にこれ食べられるんですよね?」

フウナさんとクウが持ってきてくれたキノコの中に異色を放つ物がひとつあった。

まるで食べると体が大きくなるような……あの見た目のキノコである。


「…………ベニテングダケっていう猛毒キノコを知ってるんですけど……」

樹生はフウナさんにそう言うと自信満々に答えた。


「確かにそれに良く似た毒キノコもあるわね。でもそれはモウドクデスキノコモドキっていうとても美味しいキノコよ」


「……………モウドクデスキノコ、物騒な名前だなぁ」

名前からしてヤバいものだと分かるが………まぁフウナさんのことだし信じても大丈夫だろう


「ちなみに、見分け方だけど………勘よ」

「ダメじゃねぇか!!」


何だよ勘って!あぶねぇ、死ぬとだった!


「ふふふ、冗談よ♪本当の見分け方は匂いよ。毒がないキノコは芳醇な香りがするの。逆に毒がある方は酷い刺激臭がするわね。」


な、なるほど見た目ではなく匂いか。流石はエンシェントウルフだ。


「ま、まぁ食べられるならいいか。」

樹生はキノコ類とホワイトマーケットで購入した野菜を焼き始める。

ピーマン、パプリカ、カボチャ、なす、とうもろこし……などなど。


「甘い香りがしてきたわね。タツキ、この黄色い粒々は何かしら?」

「うん?それはトウモロコシっていう穀物だよ。正確にはスイートコーンっていうんだけど。」

シルエルの問いにそう答える。

「へぇ~、面白い野菜ね。甘いの?」

「まぁ、甘いと言えば甘いけど……まぁ楽しみにしてよ。」

シルエルはニコニコしながら樹生の肩に座っていた。

彼女ともまた仲良くなれたようだ。


「うん、そろそろかな?」

樹生は肉をひっくり返し両面キレイに焼き上げていく。今回はかなりの厚切りのため時間がかかっが妥協はいけない。短時間で済ませようとすればするほど、ステーキは台無しになる。


「クゥーン……(まだぁ?……)」

クウがしびれを切らして様子を見に来た。

「もう少しだよ。待ってて。」

樹生は肉の様子を確認して……


「いい感じだ!」

後は大皿に種類別に盛り付け上から塩を振りかけ……


「お待ちどおさま!ステーキ盛り合わせだよ!」

ドンっ!と大皿が置かれる。

山のようなステーキにこれまた山のような野菜達。

隣にはたっぷりのステーキソースと香辛料、柚子胡椒やコチュジャン等の味変も完備。


「ふふふ、久しぶりね。これだけのお肉にがっつくのは。」

「………早く食べましょう!」

「………………ジュル」


それじゃあ……


「「「いただきます!」」」

「アオン!(いただきます!)」


「まずは、レッドファーの肉から………」

ナイフを入れる。

「おお、柔らかい……」

まるで豆腐にナイフを入れたよう。なのに重さをナイフ越しに強く感じる。

「アム……………美味ぁ♪」

脂身が多くくどいと思ったがそんなことはなく、サラサラしておりスルッと喉を通る。赤みには旨味がつまっており優しく口に広がる。

「次はビックディアーだな!……………美味ぇ!」

こっちは脂身が少なくあっさりしているが赤身の旨味が強い!だが、臭みはなくいくらでも食べられる。

「コカトリスは………安定した旨さだな!」

そしてモウドクデスキノコモドキはというと……

「うん!?食感が凄いなこれ!」

パキポリと焼いたはずなのにかなりの食感である。キノコの旨味が溢れステーキの付け合わせとしては最高である。


「あら!この緑色の物、ピリッとしていてお肉に合うわね。それに酸味がお肉の油を食べやすくしてくれてるわね。」

フウナさんは柚子胡椒を気に入ったようで、バクバクと肉にがっついていた。

「タツキ!このトウ……モロコシ?って野菜おいしいわ!まだあるかしら?」

シルエルはトウモロコシをペロリと平らげていた。

「いくらでもあるよ。……はい!」

トウモロコシを渡すとシルエルは喜びかぶりついていた。

一方クウは………

「ハグッハグッ!………アオン!(おいしい!)」

肉にがっついて、口の回りをソースだらけにしていた。


「そんなに急がなくてもまだ沢山あるよ!。」

樹生はおかわり用の肉をどんどん焼いていく。 

野菜も肉もまだまだ底をつき無い。


「…………キレイね。やっぱりロケーションは重要ね。」

フウナさんは夜空を見上げながらそう呟くのだった。







ようやく出来たBBQに皆がご満悦のようです。

モウドクデスキノコモドキ……………以外とおいしいようです。皆さんも機会があればぜひ!

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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