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33. フウナさんの力

それじゃあ………いただきます。

あむ………おいしいぃ♡


わ、私にも一つちょうだい………

はふぅ………♡




「この度は村を救っていただきありがとうございました!このご恩はけして忘れはしません!」

「皆さんお元気で!」

「クウちゃん、じゃあねぇー!」

「タツキさん!また来てくださいね!」


すっかり元気になった村人達に見送られ、樹生達は早朝村を出た。


「しかし、良かったの?お金受け取らなくて。」

フウナさんの言う通り、報酬金は受け取らず村の復興支援にあててもらう事にした。


「大丈夫ですよ。お金なら沢山ありますから」

樹生はバックをパンっと叩く。

「タツキ~、お腹減ったわ。何か無いかしら?」

う~ん、今すぐは作れないし………

「ちょっと待ってて………ほい!」

ホワイトマーケットでパンをいくつか購入した。

「わぁ……かわいいわね。ハム………!甘あ~い!」

クリームパンを頬張りながらシルエルは喜んでいた。

「ちょっとタツキ!私にもちょうだいな」

「アオン!(私にも!)」


「大丈夫だよみんなの分も買ってあるから。」

樹生はクリームパンを出すと皆に上げた。

フウナさんもクウも目を輝かせながらクリームパンを食べていた。

「まぁ、俺はクリームよりあんこ派なんだけどね。」


ハムッ……


う~ん、上品なあんこの甘さがたまらねぇ。

ここにホイップクリームを入れてもいいんだよなぁ。


「久しぶりに食べたけどやっぱりうまいな。」

「タツキの世界にはこんなに美味しいものがあるのね。羨ましいなぁ……。ねぇ、他にないの?」


シルエルはそう言うが樹生からしたら、こっちの世界の食べ物の方が美味しかったりするのだが……


「そうだね。お金もあるし色々買って見ようか!」


ということで小休憩をすることに。


森を抜け広い平原にたどり着いた。

見える限り、危険な魔物はいなそうであった。


「ここならゆっくりできそうね。」

「ワフ…………クァァ……」


フウナさんとクウは地面に寝転がり、アクビをし始めた。


「ふぁぁ……いい天気だなぁ。」

雲一つ無い晴天。風も優しく肌を撫でるようだった。

ちょうどお昼時であった。

「パン屋のお姉さんにもらったバケットが………あ!あった!」


保管庫から出すと焼き立てホカホカの状態で出てきた。


「外で食べるなら、サンドイッチだよな。」

具材はハム、レタス、トマト、マヨネーズ

   厚切りベーコン、紫キャベツの酢漬け

この二種類で行こうと思う。


「バケットは切り込みを入れて………ベーコンは焼こうか。」

フライパンの上で厚切りベーコンを焼いているとワクワクするのは俺だけだろうか?

そんな事を考えているうちにベーコンがカリカリに仕上がった。

他の具材と一緒にバケットに挟みサンドイッチの完成。

ハムの方はマヨネーズをパンに塗って、具材を挟んで完成である。


フウナさんとクウの分は大きめに、シルエルと俺のは普通サイズである。


「後は、飲み物とお菓子を用意して……皆出来たよ!」


フウナさん達は待ってましたと言わんばかりに、喜んでいた。


「「「いただきます!」」」

「アオン!(いただきます!)」


バケットはパリパリふわふわ、ベーコンの脂っこさを紫キャベツの酢漬けがマイルドにしてくれている。


「うまっ!」

やっぱりパンがうまい。

……最近数が減ってきてるから、また買いたいな。


「シンプルなのに、美味しいわね♪」

「私はハムの方が好きね。ベーコンも美味しいけど。」

「アオン!(両方好き!)」


どうやら好評な様だ。


「あ!シュワシュワだ!………ゴクっゴクっ………ぷはっ」

シルエルがサイダーを飲んで幸せそうにしていた。

一方……


「これは……何かしら?干し肉?」

フウナさんがジャーキーを見ながらスンスンと匂いをかいでいた。


「あむ……これは、美味しいわ♪塩味のバランスがちょうどいいわ。タツキ、もっとちょうだい。」


フウナさんはビーフジャーキーを気に入ったようだ。なら他の種類も食べてもらおう。


「あらあら、さっきとは別の物かしら?」

フウナさんはそう言いながら、一口………後は無言で食べ続けていた。


そしてくうクウは……


「アオン!(甘い!)」

プリンを食べて喜んでいた。

どうやらクウは甘い物が大好物な様だ。それなら今度ケーキとかどら焼なんかも買って上げよう。


「のどかねぇ。昨日までの騒ぎが嘘のようだわ。」

フウナさんがそう呟いた。

「そうですね。このまま何も起きなければ良いんですけど。」


うん?俺今なんて言った?


ピク…


クウは何かが猛烈な勢いで近づいて来るのを感じた。それも一つ、二つではない。

百を越える大群が迫っていた。


「……………余りゆっくりはしていられなそうね。」

フウナさんは残りのサンドイッチを食べ終えると立ち上がり、臨戦態勢に入った。


「タツキ、聖剣オメガプロキシモを持ってなさい。」


「え?う、うん。」

樹生は言われた通りオメガプロキシモを持つ。


「はぁ……フウナ、やる気ね」

シルエルはそう言うと何枚もの防御結界を張り出した。


何だか、嫌な予感が……


「クウ、貴方もこれくらいは出来るようにするのよ。」

フウナさんがそういうと、風が止まった。

心なしかあたりが暗くなって来てる気が………いやなってるなこれ。


「流石にこの数は、手を抜いてられないわね。」


「くっ!何が……!」

まるで暴風域にいるような…いやそれ以上だなこれ!

止まったと思った風が急に強くなり始めた。


「はぁ……防御結界だけじゃダメね」

シルエルがさらに対風結界を張り出す。


「これがエンシェントウルフの本当の力!」

樹生が驚いていると、シルエルが違うわよといった。

「これで5割ってとこかしら?まだまだ余力はあるわよ。彼女」


ゴオオオオッ!!!


「あらあら、これでも止まらないのね。じゃあさよならかしら?」


瞬間


ドドドドドドドドドドッ!!!


「「「···········」」」


まさに雷の雨だった。

あまりの雷の量にまるで光の壁が出来たようであった。


「ははっ………すげぇ……」


「アオン(ヤバッ)……」


「本当……」




「ふぅ、終わったわよ。あら、三人ともひどい見た目ね。」


フウナさんはニコニコしながらそういった。

彼女だけは本気で怒らせてはいけないと改めて感じた樹生だった。













皆さんはサンドイッチの具は何がいいですか?私は卵サンドが大好き何です。樹生はボリューミーな方が好きみたいですね。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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