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12. 食べて始めてわかる美味しさ

うへぇ……朝から嫌なの見ちゃった……


うぇぇ……


「·····」


朝は気持ちよく起きれなくちゃならない。

少なくとも俺こと九条樹生はそう考えている。

それなのに……


「……臭いと思って起きてみたら、何じゃこりゃああ!?」


目を多い尽くすほどのゴブリン、ゴブリン、ゴブリン、オーク、ゴブリン、ゴブリン、ゴブリン、オーク……


「朝の運動くらいにはなったかしら」


この惨状を作った当人はなに食わぬ顔でのびーっとしていた。


「あら、タツキ、起きたのね。」


「………フウナさん、何があったんですか?」


何故か血が一滴もついていないフウナさんは満足げに語った。


「気配を感じて起きてみたら、この群れが横切ろうとしていたのよ。だから殲滅したわ♪」


殲滅したわ♪じゃないんだよ……


(忘れてたけどフウナさんって伝説の生物なんだよな…)


そんな風には見えないけど。


「あらあら、タツキ……今失礼なこと考えていなかったかしら?」


「………ソンナコトナイデスヨ」


朝から衝撃がつよい


「これ、どうしようか?」


「タツキは知らないのね。ゴブリンは不味いけどオークは美味しいのよ」


ドサッと目の前にオークが置かれる。


「……わかりました。お昼はオークで何か作りましょう。」


豚人間……食いたくねぇ


頭痛がものすごく痛くなっていた樹生であった。


「……クゥ?」


そんな樹生を不思議そうな目でクウは見つめていた。






「見えてきたわね」


高い壁に囲まれた、大きな街が目に入った。

高い崖から見下ろしているためその大きさがわかった。


「あれがイルドラン‥…」


「さぁ行くわよ」


一歩一歩と新たな場所へ向かっていた。


ちなみにここにたどり着くまでにでかいカマキリに襲われたが、見事返り討ちにし腕をもぎ取ってきた。




「次!」


門の近くまでいくと門番が検問をしており、長い行列ができていた。


「かなり時間がかかりそうですね……少し早いですけどお昼にしますか?」


「!!、ええ、そうしてちょうだい!」

「アオン!!」


元気のいいようで


「それじゃ……オーク食べてみるか」


フウナさんに頼んでブロックにして貰ったオーク肉を細切りにしていく。

野菜はピーマン、パプリカ、タケノコこれらは同じ長さに揃えて切っていく。


「後は……」

オーク肉に塩、胡椒、酒、醤油、卵、ゴマ油、片栗粉をよく揉みこむ。


(中華鍋は……これか)


中華鍋を購入すると油をひき、肉を炒める。火が通ったら野菜類を入れて炒めていく。


「合わせ調味料(オイスターソース、醤油、砂糖、酒)を入れて……」


強火で一気に炒めていき、最後にゴマ油を回し入れて


「完成!オークの青椒肉絲」


フウナさんの分は大皿に盛り、クウは様子を見ながら食べて貰う。


「いただきます……」


パッと見は豚……だと思う。

仮にヤバくても多少はどうにかなるだろう。そのために濃い味付けにしたわけだし。



………ぱくっ



「!!美味い」


その見た目からは想像もつかない繊細な味。油は少なく赤みが多いが噛みきるほどには柔らかく、かめば噛むほど旨味が溢れる。味は豚であった。


「異世界……侮ってたな」


見た目で決めていた自分を殴りたくなった。


「……米が食いたい」


後で米は買う。

それよりも今は……


「おかわりよ!」

「アオン!」


もう少し鍋をふることになりそうだ。



第一の目的地へ到着したタツキ達。

新たな出会いをそして新たな美食を見つける、本当の始まりの街へとたどりついた。

ていうか、オーク食べられるんですね。一応豚……なんですかね。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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