10.異世界産はヤバかった!
うそ……エンシェントウルフと従魔契約を結んだわよ彼。
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どうしたの?黙り込んで……
………ベーコンエッグ
……………あなたねぇ
首を噛みちぎられ絶命したコカトリスの前で俺こと九条樹生は頭を抱えていた。
「コカトリス……いや鳥と同じか?」
日本にいたとき、じいちゃんに色々教えて貰ったのだが
鳥も何度かさばいたことがあった。
「まずは毛皮を……無理だな。」
ナイフをいれてみたが、切れる気配がない
「フウナさん……俺のナイフじゃこいつを捌くのがむずかしくて」
こんなんナイフが折れるわ!
「あら、困ったわね…」
ズバッ!
「これでいいかしら?」
「·········」
毛皮ごとざっくりと………
「意外と難しいのね」
「まぁ、こんなもんですよ。」
毛皮、骨、肉、内臓、その他に分けられたコカトリス。
俺が指示をし、フウナさんが切る
「ふぅ……それじゃここからは任せてください」
俺はそう言うと、料理の支度を始めた。
まず、現状の金貨の枚数だが後三枚。日本円にして三万円である。
(クウのご飯もパン粥だけじゃ物足りないだろうし…)
今回はふわふわの鳥つくねを作ろうと思う。
「フウナさん、クウは固まりの肉は食べられますか?」
「ええ、一度肉も食べてるから大丈夫よ。」
ということで、このまま作ろうと思う。
まず、コカトリスの肉をミンチに部位はササミの辺りを使う。
(何気に魔法使えるんだよな……これもチートのひとつなのかねぇ)
そんなことを考えながら肉を風魔法でミンチにしていく。
卵、塩、胡椒、ナツメグ、を入れこねる。
パン粥は保管庫に入れてあるため、すぐに食べられる。
フライパンに油をひき焼き上げる。その隣でクウの分のつくねは蒸す。
(俺とフウナさんの分はコンソメを入れて……後はクウの分に蒸しつくねを持って……)
「出来ました!コカトリスのつくねとシチュー風パン粥です。」
すでに二人はお座りをして今か今かと待っていた。
「おかわりもありますから、一杯食べてくださいね」
「これは…優しい味ね。コカトリスの肉もふわふわしてて、始めての食感ね。美味しいわ」
「ハグ…ハグ…♪」
満足そうで何よりである。
「それじゃ、いただきます。
……何なんだこの肉!ササミ…だよな?」
ササミ特有のパサパサとした食感はなくジューシーなモモ肉のような食感。それなのにコカトリスの旨味を強く感じれる。
「日本の高級地鶏なんか目じゃないぞ。旨すぎだろ、異世界」
感慨深くつくねを食べる樹生を眺めながらフウナさんが話を始めた。
「タツキ……貴方はこの世界の人間では無いわよね。」
「……まぁ、はい。俺はこことは別の世界から勇者としてアンギス帝国に召還されました。」
俺は、フウナさん達と出会うまでの経緯を話した。
「………アンギス帝国ねぇ。タツキの判断は間違っては無いわね。あの国には関わらない方がいいわよ。」
遠い目をしながらフウナさんはそういった。
「ふふ、そんなことより、まだおかわりはあるんでしょう?つくね多めでお願いね」
「ワフッ!」
何とクウまでおかわりをしてきた。
彼女の回復は目を見張るものがあった。
蒸し上げたふわふわのつくね美味しそうですね。中に生姜や大葉なんかをいれてもいいですね。
皆さんはコカトリスをどう食べますか?
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!