表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花守の巫女  作者: mizosyo
2/2

1話

初夏の頃

草木が青々としげり、とても風が心地よい晴天。

なんだかいいことが起きそうな気がする1日だ。


「よいしょ!」


ガラガラと戸を開き、1人社の中に入っていく。

巫女である私は今日も神事に勤しんでいた。

桶を片手に社の裏手にある小川へと水を汲みに行き、今しがた帰ってきたところである。

この水を清め、儀式に使うためだ。


台に置いてある専用の瓢箪を手に取り、桶の中へ沈める。

水がとくとくと入っていく。程よい重さを感じたら引き上げて、栓をする。

そして布で水を拭き取ったら、瓢箪に墨で言霊を描いていく。


そして言霊を入れ終わったら、あとは祷りをささげるのだ。



正座し、深く礼をする。

手を合わせながら、目を瞑りひたすら言葉を紡ぐ。

「オン・マリシエイ・ソワカ」

もう一度。

「オン・マリシエイ・ソワカ」

体に陽の力が溜まり、暖かくなってきた。

「オン・マリシエイ・ソワカ」

目をゆっくり開けば、手のひらが橙色にふわりと光っている。 成功だ。


そして最後に言霊を書いた瓢箪を両手で手に取り、もう一度祷る。

神様から、自然からいただいた清めの陽が水へと、容器へと移るようにイメージする。

「万物の源である陽よ、清めたまえ。」

手のひらにあった光が瓢箪へと移り、瓢箪が輝きだす。

墨の部分の色が橙色に変わり、薄く輝いたあとに元に戻った。


これで聖水の完成だ。

でもこれで終わりじゃない。

大切な儀式のため、清水は何本か作らなきゃいけない。

「さあ気合を入れなくちゃ!」

ほほをはたき、次の瓢箪に手を伸ばす。


日々の神事にはこういった下準備がとても大切なのだ・・・



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ