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3

騒ぎを聞き付け、旅館の女将がやって来た。


女将はスタッフから話しを聞いた後、イヤな笑みを浮かべてサアヤを見た。


「まあそちらのお嬢さんが鈍いだけかもしれませんがね。起こる時は起こってしまうことを、覚悟してくださいね?」


ああ…ブチッ★とキれちゃったんだ。


「だから言ってやったのよ!」


表情を引きつらせながら、サアヤは女将に言った。


「この旅館のウリは幽霊騒動だけだもんね。いなくなったら、さぞかし困るわよね~」


と意味ありげに笑ってやったそうだ。


「サアヤ、そういう核心めいた部分を言っちゃダメでしょう?」


咎めるように言うと、そっぽを向かれた。


「だってホントのことじゃん?」


確かに旅館は幽霊騒動をウリにして、今まで経営が保てていたんだろう。


そうじゃなきゃ、とっくに潰れていた。


だから女将は思わず自信満々に、ケンカを売ってしまったのだ。


―その相手の正体を知らずに。


「腹がたったし、私は女の子と一緒に部屋に行ったの。確かにジメ~とイヤな感じがしてたのよねぇ」


確かに、その場所には良くないモノがいたのだろう。


「女の子があんまりにも怯えるから、二つの布団をくっつけて寝たのよ。…実はその後のことは、私自身は何にも覚えていないのだけど…」


失笑しながら語るところを見ると、サアヤは覚えていなくても、他の誰かが見ていたのだろう。


「誰に、何を、見られたの?」


はっきり聞いてみると、エヘッ☆と誤魔化すように笑われた。


「そのアイドルの女の子」


「まさかっ…!」


思い当たることがあり、わたしは目と口を大きく開いた。


「アレ、を見られたの?」


「アハハ~。…実は、そう」


「あああ…」


私は頭を両手で抱えた。


アレとは、彼女が背負っている【呪いと祝福】が実体化したモノ。


ある程度の力を持ったモノにしか見えないが、女の子は見える者だった。


「後から聞いた話しなんだけどね」


サアヤは気まずそうに笑いながら、続きを語りだす。


サアヤと女の子が眠った後、時刻は深夜二時を回った。


すでに旅館の中で起きている人はいなくて、静まり返っていた。


―だが、異変は突如起こる。


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