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プロローグ





 多くの失敗を経験して生きた。

 死んで転生し、あまりにも大きな力を手に入れた。

 今生で彼に敗北は無く、ひたすら成功だけを手にした。


 それは楽しい夢のようで、

 現実感がなく、

 やがて彼は求め始める。


 この世界に生きる意味を。





プロローグ




 すん、と鼻を鳴らす。いつもの湿気った陰気くさい匂い。前から何かに似ていると思っていたが、最近になって鍾乳洞のあの感じに似てるのではないか、と思い当たった。

「今日は瘴気が濃いな」

 廊下を歩きながらそう口にすると、すかさず側近の竜人が懐からメモを取り出す。

「本日の瘴気濃度はレベル三。エディグ山の噴出が多くなっているとの報告があります」

 レベル三は久しぶりだ。ここ最近はレベル二ですんでいた。

「皆の様子はどうだ」

「倒れる者はいませんが、気の荒くなっている者がいるようですね」

「揉め事が起きているのか?」

「城内だけですでに五件」

 俺は胸中でため息を吐いた。まったくもって貧乏くじだ。正直うんざりしたが、とはいえそんな感情を見せようものなら、この側近は俺の表情を晴れやかにするため死体の山を作り上げるだろう。とりあえずその五件の関係者は、目撃者に到るまで惨殺されるに違いない。

 玉座に座りながら、俺はなるべく淡々と、感情を出さずに命令する。

「仲間同士の戦闘行為は厳罰を科す、と各隊に伝達。統制を徹底させろ。また影響の少ない者たちは、城下の治安維持活動に当たれ」

 竜人の側近はビシッと敬礼する。

「はっ、魔王様」

 めんどくせぇ。


 

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