問おう。あんたらほんとに本好きか?〜本好き主人公を書く人のためのエッセイ〜
――本好きを自称する人、もしくは小説内の主人公は多い。
特に内政チート系で自称本狂いとかいるが、筆者は素直にそれに感激……もとい、尊敬している。何故か? ああ、それをここで語ろうと思っている。
筆者は本好きである。見る人によっては本狂いとも呼ばれる。後、本ないと生きていけないね、とも。
――正論である。本は至高! ファンタジーバンザイ! できれば本を読むだけで食べることも寝ることもしなくていい、かつ目が悪くならない世界にならないかな!? ならないですよね! すいません! でもそんな世界だったら異世界トリップしてもいいよ?(偉そう)
……だが、理解してほしい。おとなしい=本好きではない。決してこの等式は成り立たないことを。
例えば、クラスの中心人物や会社のムードメーカーのあの人でさえ、本好き、いや、本狂いかもしれないのだ。
ここに、筆者である本好きの特徴を記そう。もしかしたら、いや、多分絶対同じ人がいるはずだと信じている。
それでは、筆者の本狂いっぷりと対比させながら条件を書き連ねたいと思う。
【本好きの条件(筆者の独断と偏見)】
1、本を読んでいて、眠くならない(Lv.1)
勉強をしていると寝ている、なんてよく聞く話である。本は本でも漫画ではなく、字が所狭しとひっつめてあるような本を読んでいても眠くならない人。まあ、大部分の人がこれに当てはまるだろう。会社から、学校から帰ってきてどんなに眠くても、本さえあれば覚醒する人などは、本好きの適正が高いと思っている。
ちなみに筆者は眠い時は寝る。
2、自分の生息地帯に常に本が何冊か貯めてある(Lv.2)
筆者の家の引き出しの中には常に本が入っている。いや、別に本棚がないというわけではない。たまたま読んでいる最中に用事ができて、泣く泣く汚れないようなところに本を避難させたまま忘れ去っているというわけではない。違うんだ。誤解なんだ!
……とはいえども、どこへ行っても本がある状況とか、本好きにはたまらない状況だと思っている。でもちゃんと読む時間はけじめをつけること。そうしないと授業態度、勤務態度が悪いって評価されてしまう。本好きは、常に危険な状態に瀕しているのである。
3、本を携帯している(Lv.4)
「お前、ほんとにスマホ持ってんの? 連絡付かねえんだけど」
と言われたことはないだろうか。そのたびに親友に言われる。本が連絡ツールになればいいな。こう、スマホの画面みたいに上にピロン、って出てくれば、と。でも筆者としては読書の邪魔になるので却下。
言いたいことはつまり、スマホより何よりも本を携帯している者の事を本好きと言わずにいられないと思うということだ。
どうやって携帯するか? 一番簡単な方法は、常にバックを持ち歩くことだが、筆者はポケットがある服を着ることだと思ってる。
――だってほら、見てよ! 小説だとポケットにピッタリ入るんですけど!
だから筆者は服を買うときの基準はポケットがあるか、ないかだ。ズボンであっても、スカートであっても。
無い服の場合は、ウエストに挟んで携帯している。や、流石に会社ではやらない方がいい。でも筆者は学生時代にやっていた。病気じゃん? と言われた。友人に激しく同意である。これはもはや病気であろう。
4、司書さん、もしくはそれに準ずる人と仲良し(Lv.4)
難易度的には3と同じくらいだと思っている。図書館に、もしくは図書室に行き過ぎて仲良し、ということだ。自分の好みのジャンルが|しっかり把握されていて(バレていて)、図書館に行ったら「好きそうな本を入れたので、取っておきましたよ」とか言われたら、最高である。
筆者にはお金を上手くやりくりするために、図書館を利用させてもらっている。「この図書館に◯◯という本(最新巻)はありますかね?」というと一週間後くらいに「他の図書館にもなかったので仕入れましたよ」と言ってくださった。読みたかったら何度も借りればいいので、懐は温かいままである。最高だ。
5、活字中毒(Lv.3)
ふと思った。活字中毒は、活字好きであって、本好きではないのではないかと。だから、レベル表記はない。
『活字中毒とは、活字(文章)に過度に執着を見せることを意味する俗語。また、そのような執着を持つ人物は活字中毒者という。「中毒」とあるが、「依存症」のような精神疾患ではない。(Wikipediaより抜粋)』
筆者はこれが結構凄いことになっている。看板や、新聞はもちろん、消火器のラベルにある説明書き、非常ベルの止め方、マンホールの蓋……(余談だが、筆者は最近まで『おすい』を『御水』だと思っていた)
本を読んでいるうちに、周りの文字が気になりだしたら、あなたは活字中毒に片足を突っ込んでいる。おめでとう。本狂いへの一歩、おめでとう。
6、現実逃避、と書いて本を読む、と読む(Lv.5)
何も考えたくない時に取り出すのが本。そんなあなたはきっと本好きだ。やることがないときにゆったりと読むのも素敵だが、やらなきゃいけない仕事が溜まっていて、どれから手を付けたら良いのかわからない時や、テスト前になって謎の余裕が出てきた時に本へ伸びる手。そんな時に読むと、謎の焦りと物語の躍動感が相乗効果を発揮するのである。
現実逃避→でもやらなきゃいけない→やりたくないけどやらなきゃという焦り→でもやりたくないから本にのめり込む→謎の躍動感
……おそらく、こういうことであるとは思うが。
7、禁断症状が出る(Lv.10)
三日本を読まないと死ぬ。一日目で活字を求めて彷徨い、二日目で禁断症状が出る。三日目に「本。」というダイイングメッセージを残してそこら辺で転がって伸びている。
この2日目の【状態:禁断】というのは、筆者の場合、
→友達に縋りついて「本は? ねぇ本は?」と言う。
→その場で踊りだす
→その場で歌い出す
→まじ泣きする
→お預け食らうとかつてないパワーとともに仕事を終わらせる
……というのが主流である。そういう時は何でもいい、活字を与えてやると生き返るのである。
以上が、ぱっと思いつく本好きの条件である。
……だから、筆者は内政チート系本狂い主人公を尊敬しているのである。
どうやったら、そんなに本から離れて冒険していられるのか? ぜひご教授願いたいところだ。……もしかしたら、尊敬、と言うより、軟弱な本好きに憤っているのかもしれなかった。
本好きを主人公に据えるならば、このくらい、作り込んでほしいものである(偉そう)
もし、上記のことを素でやっている人が周りにいれば、きっとその人は本好きである。
――同じ人、いるよね?
同じ人はどこだぁ
⊂(゜д 。⊂)ヴァー[¬º-°]¬