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オレンジ2

重い鉄の扉を開く。


僕は、食材の入ったレジ袋をキッチンにまで持っていく。

彩は、リビングに行き、窓を開ける。

花柄のカーテンが風にそよぎ、舞う。


「私も住みたいな。ここ」


彩はそう言って笑う。

僕は、3本の大缶のビールを冷蔵庫に入れながら微笑む。


「だめだよ。部屋が2つしかない」


「康平さん、追い出しちゃおうか」


「だめだよ」


僕は、彩を睨み付ける。なぜか、すごい攻撃的になってしまう。


「分かってる。ごめん」


彩は、風に当たりながら答える。そして、踵を返して。


「さ。ご飯。ご飯!」


彩がこちらに向かってくる間も、彩を睨み付けている自分に僕はぞっとした。




僕は、正方形のこたつ台に手を伸ばし、大缶のビールを手に取る。

そして、それを、白いソファに座りながら一口飲む。再び、こたつ台にビールを置く。

彩がキッチンで、料理をしているのを横目で見た後、僕はそっと目を閉じる。

僕はまた、彼女の幻影を探し始めた。


ここは、どこかの体育館なのだろうか。

そう、ここは僕が通っていた高校の体育館だ。

夕陽が差し込んで、オレンジ色に染まっている。

ふと、視界が霞む。

壁にへばりついた赤い絵の具。

地面に飛び散っている赤い絵の具。

前に彼女がいる。

彼女の足にも、手に持ったナイフにも、制服も、黒髪も赤い絵の具。

彼女がこちらを向く。

彼女の顔にも、赤い絵の具。

彼女が、少し口を開く。

僕は、息をのむ。



「はい、ビールどかして」


僕は、ゆっくりと目を開き、こたつ台に置いてあったビールをどかす。

こたつ台には、鍋が置かれる。


「美味しそうだ」


ポツリと僕は呟く。





お読みいただき、ありがとうございました。


次の話も、どうかよろしくお願いします。

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