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とりあえず集合

組織説明と班内のやり取り

中西慎介:N県田丸市消防団第2方面隊第6分団第5班所属 階級班長

田丸市消防団=団員数1300名 第1~6方面隊があり、1方面隊=3~4分団 1分団=4~6班 1班=10~15名の団員が所属している、各班に班長が3名おり主任班長が班の長である。その他の2人の班長は、副班長(主任の補佐と不在時の班に指示を行う)と会計(そのままの意味で班の出納を扱う)慎介は会計班長である。


PM23:05

家族に支度をさせつつ、自分も消防団の活動服へ着替える。(アウターも分団揃いのもの。よくニュースにでている法被ではない。田丸市消防団においては、法被は式典用の儀礼服となっており、普段は着用しない。)

<♪~~~~♪~~~>

ケイタイへ着信が入る。

相手は主任の飯塚辰矢イイヅカ タツヤだった。

「おつかれ~。なんか変なことになってんね」

団内では上司にあたる主任に対し、砕けた口調で応答する。

『お疲れ、確かに変だね。まぁ、分団から指示があったから、住民も含め全員で区の公民館に集合ね』

そんな口調は気にも留めず、辰矢は要件を告げる。

『その後、小学校に移動するから。あとクニには俺から連絡しといたから、全班員には邦からメールさせるね』

「りょーか~い」

邦=副班長の秋山邦夫のことで、班長3人の中では最年少である。ちなみに俺は班長の中では最年長だったりする。

消防団というのは外野から見ると、固っ苦しい感じに思われがちだが、内情は近所の同世代(幼馴染と呼んで差支えないくらいの近しい関係)の集まりで、班単位程度の集まりでは普段と口調が変わることもない。この団員同士の関係は会社や家庭では得られない、一種独特の心地よさがある。

同じ団員だと言うだけで、無条件で背中を預けられるような感覚があり、この感覚のせいでもう10年も続けてしまっている。

陳腐な言葉だがやはり≪仲間≫なんだと思える。


PM23:10

防災メールが届いて10分後、家族の支度が整い公民館への移動中、主任から各班員へメールで公民館へ集合するよう指示が通達された。

現在、地域の有線放送で避難の旨が伝えられ、住民もまばらながらに公民館へ向かっていた。

当然、顔見知りばかりであり、子供たちはイベントと勘違いしてテンションが高かった。

対照的に大人達は情報があまりにもないため、少々不安げな表情をしていたが、特に地震のような揺れ、大火災のような緋色もないため、パニックに陥っている様子はなかった。住人の内、数人は俺が消防団員であることを知っており、情報がないか聞きに来たが、当然俺も知らないため「集合したら主任から何かあるかもね」と言う程度のことを言っておいた。

(さ~て住民全員約250人で10km先の小学校か・・・大体、班員全部集まるのかな~。)

一抹の不安を抱え、集合場所の公民館へ到着した。

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