訪問
とりあえず、名刺に記載されている住所に向かった
『ここか、』
ガチャ
「いらっしゃい…あれ、キミは…」
『ああ、来てやったぜ』
「そうですか、その後調子はどうですか?」
『快調だ、ただ、めんどくせー事に振り回されっぱなしで気分が悪い』
「そうですか、それは災難でしたね」
『おい、お前は知ってるか?なんでオレは道端に倒れていた?』
「コケたんですよ、アナタ、追い剥ぎらしき人を追いかけてる最中に」
『…だからオレには荷物がないのか…』
「災難ばかりですね」
『まったくだな』
「さて、それだけを聞きにここへ来られたんですか?」
『まあな、、』
「そうですか、」
『…』
「…?」
『…過去に戻れんのか?』
「戻れますよ、ただ、1日だけですが」
『1日だけかよ』
「過去に戻り何かしても未来は変わりません」
『なんだそれ、タイムスリップとは違うのか?』
「一緒ですが、少し違います」
『訳わかんねーな』
「分からなくて結構です」
『オレを過去に戻してくれよ』
「なぜです?」
『試しにな、』
「…分かりました、いいですよ」
『で、どうすりゃいいんだ?』
「この腕時計をはめ、あの部屋の椅子に座り目を閉じて下さい、それだけで過去へ行けます」
『そんだけで戻れんのか?さらに意味がわかんねーな』
「分からなくて結構です」
.『…じゃあな、あの部屋に行きゃいいんだな?』
「はい、お気をつけて。」
オレは言われたとおりに腕時計をはめ、あの部屋に入り、何もない部屋の真ん中にポツンと置いてある椅子に座り、目を閉じた。