マキト
オレは公園に向かった。
マキト…っつうガキに会うために。
『あ、ん?今日はあんまガキ共がいねーな』
平日だからか公園にはあまり人がいなかった。
『くそ』
「おじ、…お兄ちゃーん!」
いやがったか。
『よお、遊びに来てやったぜ』
「うれしー!ありがとう!早く遊ぼ遊ぼ!」
『その前に、お前のママは今何してる?あと、あのイカツイパパは?』
「ママは…寝てるよ…!パパは…いないよー」
『…、こないだ一緒に来てた婆さんは?』
「おばあちゃんはお家に帰ったよ!ねーねー、今日は鬼ごっこしたい!お兄ちゃん鬼ね!」
『おい…!』
はあ…まあ、いいか。
不思議となぜかこのガキと遊んでると気持ちが和む
親はどーしよーもないが…あのチンピラ野郎…このガキの親父じゃねーのか…彼氏っつう訳か。
『つかまえた…、なんだ、お前、身体アザだらけじゃねーか…』
服を掴まえた拍子に見えたアザ
「あ!、、毎日公園でたくさん遊んでるから転んだりしてるから…!」
『…そうか』
嘘だとすぐ分かる、公園で遊んでて身体にタバコの焼き後はつかねーからな。
「あれ?お兄ちゃんも背中傷だらけじゃん!」
『おい!』
このガキすばしっこいな、いつの間に後ろに回って服めくり上げてやがるんだ、つか、背中に傷?オレの背中に…?
「お兄ちゃん!まただるまさんが転んだやろうよ!」
『あ、ああ』
めんどくせー…なんなんだよ、道端で目覚ましてからろくな事ねー…こんな事なら目なんか覚まさなきゃ……
…もしかしてオレ、自殺しようとしてたのか…?
いや、まさかな…建物から飛び降りてたらただじゃすまねーもんな、、、誰かにやられたのか…?
なんなだよ、たく。
「お兄ちゃん!ボーってしないでよ!」
『わりぃ』
【おいマキト、なんで外出て遊んでんだ】
「…!!ご、ごめんなさい…!!」
【このクソガキ、パパの言うこと聞けない子は帰ったらお仕置きだな~】
「ごめんなさい、ごめんなさい!!」
『おい』
【あ?】
‘ばきッ‘
‘どかッ’
……大丈夫?……おーい!……
『…うっ』
「ちょっと!大丈夫??」
『ああ、平気だ』
目の前には‘ゆか’がいた。
「まーたやられたのー!?」
『みたいだな』
「アナタ…見た目と違ってケンカ弱いのね(笑)」
『うるせーな…』
「ま、そこがカワイイんだけどね!私アナタみたいな人に弱いの(笑)」
『ちッ…』
「とりあえず!手当てしないとね!(笑)」
『手当てなんかいらねーよ、オレは今から行くとこあんだよ』
「はいはい!手当てしてからね!」
『……』
振り回されっぱなしでやんなるな。
オレは強引に連れて行かれた…ゆかの部屋に。