ケバい女
『ケバい割に部屋はわりかし綺麗にしてあんだな』
「見た目ケバいからって部屋が汚いとは限らないんですよーだ!ほら、そこに座って!」
オレはソファーに座らされた、
この女…強引だろ…オレよりタチ悪いんじゃねーか?
「そのふてくされたような顔やめなよー、まあまあイケメンなんだからさ!」
『うるせーな、さっさと手当てしてくれよ、そのために連れてきたんだろ?』
「はいはい!そーですよー!」
なんなんだ?連れ込んだのお前だろ?そんなお前が何故ふてくされた顔をする?…色々考えてる間に手当ては終了した
「はい!終わりー!」
『…ありがと』
「…!ちゃんとお礼が言えるんだー!えらいねー!よしよし!」
『うぜーな…、もうオレは行くぞ』
「行くって何処に??」
『……』
「ねぇ、、私ホントはアナタがやられてるとこ見てたんだけどさ…何があったの?」
この女…見てたんかよ。
『…ぶつかっただけだ』
「そっか…。災難だったね…!私ね、あの男の後ろにいた女の子と職場が一緒なの!だから目撃しちゃったんだけどね」
『職場…、そのケバさから言うとキャバクラか何かか?』
「まあねー!あ、私お風呂入っちゃうからご飯食べてなよ!作り置きのカレーがあるからさ!」
『…仕方ねえ、いただいてやるか。』
まあ、あの【過去に戻れる】とかいう事務所?は後回しでいーだろ、オレは今腹が減ってるからな、食ってからでもいーだろ。
『なかなか…美味いな』
あの女、しっかりしてんな、見た目以外は。
「カレー美味しかったぁ??」
女が風呂から上がってきた、早いなおい。
『お前、化粧してない方が可愛いじゃねーか』
「え…あ、ありがと。」
『…?カレーも美味かった、ごちそうさま』
「嬉しい!ありがとう!カレー得意料理なの!て言うか…ホントはカレーしか作れないんだけど…」
『なるほどな』
よくわからねーな、女っつーのは。
「ねえねえ!実は私、昨日もアナタの事見かけたの!公園で男の子と遊んでたでしょ?だるまさんが転んだ(笑)」
『…………』
「あれ?照れてるの?顔赤いよ?(笑)」
『うるせーな…あのガキがやりてーやりてーうるせーから仕方なくやったんだよ』
「口は悪いけどー…子供にも優しいんだねー(笑)」
『だまれ』
「はーい!マキト君と知り合い…なの?」
『知らない』
「え??てかアナタどこから来たの??」
『道端』
「???」
『気付いたら道端に倒れてた、で、頭痛いから冷やしに公園行ったら、あのガキに絡まれたんだよ』
「な、なるほど!あ!え?なんで道端に倒れてたの??」
『知らねーよ、記憶がないからな』
「記憶…喪失…??」
『ああ、』
「病院…行った方が良いんじゃない…??」
『病院は嫌いだ』
「いやいやいや、好き嫌い行ってる場合じゃないでしょ!病院行くよ!」
『後でな…つか、お前なんで、あのガキの名前知ってるんだ?あのガキ、マキトだっけ?』
「…マキト君は…あの人の子供なの。アナタをやった男の後ろにいた…エリちゃんの…」
『そうか』
「あ、早く病院行くよ!」
『わりーな、用事思い出したわ、またな』
「え?ち、ちょっと!」
オレはゆかの部屋を出て公園に向かった。