終焉
【マぁーキぃートぉー】
『…!!』
「アンタ…パチ屋じゃなかったの…!?」
【金なくなったからぁ…つかよー、なんでお前らマキトと遊んでんだ、あ?、マキトぉ、パパ言ったよな~?外出たらお仕置きだぞ?ん?】
「ごめんなさい…」
【なんでテメェは言うこと聞けねーんだよ?】
「お兄ちゃんと…遊びたかったから…ごめんなさい…」
【テメェ…もう許さねー…】
『止めろ』
【オメーは関係ねーだろが、へたれ!またやられたいんか?あ?】
『止めろ』
「…トモヤ…やめときなよ…?」
『黙ってろ』
【くそが…。お望み通りにしてやるよ】
‘ガッ’
‘ドゴッ’
『うッ…!!』
【んだコイツは、本当に弱すぎだろ?(笑)
オラ!行くぞ、マキト!!】
「やだ!やだ!やだ!」
【黙ってろ!るっせーぞ!】
‘バキッ’
【…!!ってーなコラ!!誰だてめぇは!?】
「誰だっていい。子どもが嫌がってんのが見てられねーんだよ。」
【なんなんだよ、てめぇは!?】
『うっ…、あれは…』
【くそくそくそくそ…誰だか知んねーけどな、俺に逆らう奴は殺すぞ!!】
「…子どもに手ぇ出してる奴が粋がるな、その様子じゃカミサンにも手出してんな?」
【いちいちイライラさせんなジジイ!!】
『…ホームレスの…おっさんか…!?』
【…オメェも…殺してやる…】
「オメェも?おれ意外に誰か殺してるのか?」
【黙ってろ!!】
‘ヒュン’
‘ヒュン’
【な、なんでパンチも蹴りも当たらねーんだ…!?オメェ…ただのオヤジじゃねーな…!?】
「今更気付いても遅いわ…」
‘ガッガッガッガッ’
【…ぐぁ…ごふッ!!】
『…!!おっさん!!やりすぎだ!!』
「…!!すまない…止めてくれてありがとう…」
『いや、いいんだ。お礼を言うのはこっちだ、ありがとう』
「ワシはこういう輩を見ると許せないんだよ…ワシにも昔、息子がいたが‘不慮の事故’で亡くしてしまってな…」
『そうか…』
「パパ!!パパ!!大丈夫!!?パパ!!」
『…マキト、パパは大丈夫だ、気を失っているだけだ…』
「…!!、、、良かった…。」
『マキト、すまなかったな、オレのせいで…』
「ううん…!ボクがいけなかったんだ…、お兄ちゃんも、おじちゃんも、お姉ちゃんも悪くないよ!」
【うっ…】
「パパ!!」
【マ、マキト…】
「パパ…ごめんなさい…」
【マキト…次外出たら…また…お仕置きだかんな…】
「はい…ごめんなさい…」
『てめぇ、まだそんな事言っ…』
「お兄ちゃん!!」
『…!!』
「いいんだよ、ボクが悪いんだから…」
『マキト…お前…!?』
【マキト…帰んぞ…】
「うん…」
オレ達は無言のまま2人を見送った…
『おっさん、強いな』
「お前が弱すぎんだよ」
『うるせー』
「見かけ倒しの兄ちゃん、じゃあな」
『あ、ちょっと待てよ』
「あ?なんだ?」
『あんた…』
「あ?」
『…いや、なんでもねー』
「なんだよ?」
『…おっさんにお礼の品やるよ…』
「…なんだ…コレは…?」
『ただの名刺だよ』
「は、はは…よくわからんが、ありがとよ」
『じゃあな…おっさん』
「おお、じゃあな、兄ちゃん」
それから数日後
マキトんちにパトカーやら救急車がきたらしい
具合が悪く寝たっきりになってた母親が死んでいたらしい
犯人はあのチンピラ野郎だ
マキトは母方の婆さんちに引き取られたらしい
一方オレは…
あの後ゆかの家に転がり込み、
ゆかに一目惚れされてたらしく、付き合うことに。
結婚したいやら、
子供が欲しいやら言われるが、
今んとこオレは考えてない。
とりあえず今は、
ゆかのカレーを食べているときが
一番の幸せなときだ。
今はそれだけで十分、幸せだ。




