記憶
そうだ…
オレは復讐しに来たんだ…
オレの父と母を殺した男を…
父が殴り殺された翌日、母は自殺した
アイツが父を殺さなければ…
母は、あの人がいなければ生きていけない、
と言い…自殺した。
アイツが…
オレはアイツの身元を調べ、すぐそこまで来ていたはずなんだ…
肝心なとこが思い出せない…
抜け落ちたように…
くそ…なんでだ…。
「無事に過去へ戻れましたか?」
『ああ、つか過去に戻れたとこでなにもできねーじゃねーかよ』
「すみません…アナタの場合は、そうだったのでしょう」
『オレの場合?』
「ええ」
『意味わかんねー』
「そのうち分かります」
『……』
「何か思い出せましたか?」
『ああ、ただ一部を除いてな』
「一部?」
『肝心の復讐相手が思い出せねぇ』
「復讐…ですか?」
『オレの両親を殺した…やつの事だ』
「そうですか…、でも復讐はよくありません」
『…うるせー』
「アナタも分かっているはずですよ」
『わからん』
「……」
『帰るわ』
「何かあればまたいらしてください」
『もう来ねーよ、じゃあな』
…あ、勢いよく出てきたわいーが、腕時計返すの忘ちったな…
まあ、いいか
こんなもん捨ててやる、
オレは腕時計をはずし、捨てた
とりあえず…
ゆかの部屋に行くか…
聞きたいことがあるしな。




