72 探索を開始するが何かがおかしい
オレンジ七号に関する軍事記録閲覧と、バローク町人達への聞き込み。
まずやるべき事を示したケイトは、二手に分かれて行動する事を提案した。
「皆さん、このケイトは飛空母船エギーリャ内で、記録閲覧に回らせていただきます。読み込む事で新たな発見があるかもしれませんからね、これは他の人には任せたくない」
適任だろうと、皆ケイトに頷いた。ケイトは更に言う。
「そして聞き込み側のメンバーですが……まずザイツ、頼んでいいか?」
「わかった」
「手段は問わないから、できるだけ情報を引き出して欲しい」
「……リリエの時みたいな悪い事はもうしないぞ? 悪徳冒険者として、冒険者ギルドから目をつけられるのはごめんだ」
「ちっ」
「舌打ちすんな」
「ああ、つい本音が。……それはいいとして、あとザイツ側になるのは……」
「あっ、私もバロークの町見たいですっ。私ザイツさんと一緒に――」
「ハウルグ卿、お願いします」
「俺かい。野郎二人たぁ味気ねぇが、まぁ順当だろうな」
「スルーされたーっ」
ケイトは一生懸命手を上げていたキョウを一瞥してから、ハウルグへと言葉をかけた。
「現状町は殺気だっているでしょう。姫様は安全な場所にいていただいた方が良いと思うのですが、いかがですかハウルグ卿?」
「全く同感だなケイト。危険な場所に連れて行くと、騒動が起きて被害が増えるかもしれねぇ。……バローク町側の」
「……姫様の怪力でついうっかり……とかですよね」
「……うっかりで、人死にでも出したら困るぜ」
「そ、そんな事ないですよっ。私なら大丈夫ですよっ。これでもしっかりものですよーたぶんっ」
「……」
「……」
「……」
キョウの主張は、全員から黙殺された。
「それに、資料を読み込んでいる時に、別の機密文書の閲覧を求めるかもしれません。そのような時、人族である私では魔王海軍と交渉しづらいですし、魔領域の王族たるキョウ姫様に居て頂けると助かります」
「は、はい……そういう事なら」
更に一応納得できる理由を提示されたキョウは、多少未練があるのかバロークの夜景を眺めながらも、ケイトの言葉に頷いた。
「これで2・2か。……バカラス、お前はどうする?」
【姫様のお世話は勿論、船倉の厩舎にいるガンバーが、放置されたら困るである。我輩船に戻るである】
「ふーん。……まぁ、黒魔火力が必要な事態にはならなければいいか」
「決まりだな。――では夜も遅いですし、私と姫様とカンカネラ君は船に戻り、一度休みます。ザイツとハウルグ卿は、それぞれで判断して行動して下さい」
「じゃあ俺も一休みするか、ケイトの隣で~♪」
「おっさん、サラマンダーけしかけられたくなかったら、アホな放言はやめ――」
ザイツの忠告虚しく、ケイトが召喚したサラマンダーは、火の檻でハウルグを縛める。
「うぉあちちぃ?!!」
「さぁ、船に戻りましょう姫様」
「は、はい。……が、がんばってくださいね、ザイツさん」
【忠勤を示すであるぞっ】
「お、おう……」
爆音と共に燃えるハウルグを放置し、キョウとケイト、そしてカンカネラは船へ戻って行った。
「うぉ痛ぇ。……といいつつちょっと毛先を焦がされるだけなあたり、配慮されてんなぁ俺様。はははは♪」
「……なぁおっさん、なんでケイトが怒ると判っててやるんだ?」
「趣味だな♪」
「……痛めつけられるのが趣味とか……。だったらそういう遊びができる店に行けよ」
「待て待て違うからな青少年?」
「……」
ザイツは信じず、黙ってハウルグから距離を取った。
それはとにかく、ザイツとハウルグは夜半から行動を開始した。
「おっさん、夜間営業の店なら、そろそろ客の口が軽くなってる時間帯だよな?」
「そうだなぁ。確か夜間外出禁止は出されてないし、宿屋か娼舘、冒険者ギルド系列の酒場辺りなら人が集まってるか。……まぁ、町人が集まる酒場が順当だろうな。チップで口を軽くしてくれる酌婦がいれば、更に良い」
「同感」
ザイツとハウルグはしばらく町を歩いた後、バロークの中央に広がる広場から路地裏に一本入った小道沿いで賑わう、小さな酒場に目をつけた。
上品ではないが物騒でもなさそうな路地裏の酒場は、値段も手頃らしく、武器を持たない労働者風の男達で席が埋まっていた。
「ったくよぉ~魔王軍はよぉっ! 頭が固ぇんだよ!!」
「おい、聞こえるぞっ」
「知った事かよぉ!! くっそ~っ!! 今がマグブーリの夜漁最盛シーズンなんだぞ!! 他の町の漁師達は、自由に海に出てるっていうのに……っ!!」
どうやら漁師らしい、カウンターと隣のテーブルでくだを巻いている男達を確認したハウルグは、人懐っこい笑みを浮かべて男達に近づき、するりと一団の席に座る。
「よぉよぉ、不景気そうな顔してどうした旦那方?」
「あぁ? なんだてめぇ……」
「見ての通りの流れ者さ。ここは小さいがいい酒場だな。折角なら楽しい酒を飲まねぇかい? ――姐さん、この旦那方に一杯頼むぜ」
そう言って酌婦に銀貨を投げ渡すハウルグに、男達の表情が和んだ。
「おっ、こ、こりゃ悪ぃなぁ」
「あんた冒険者かい?」
「そんなとこさ。そっちが仲間。おいザイツ、来いよ」
「へいへい、おっさん」
「ふーん。おっさんと若造の二人組かい?」
「いやいや、女の仲間達もいるんだが、わざわざ酒場で飲むなんてもったいないって怒ってよぉ。付き合い悪ぃんだこれがっ」
「ははは、女なんてみんなそんなもんよ」
「だよなぁ。俺のかあちゃんも五月蠅ぇや」
「可愛かったのは、所帯持つまでだよなぁ」
「おまえのカカァは、所帯持つ前からおっかなかったじゃねぇかっ」
ハウルグのおごりの杯を片手に、男達は賑やかに笑う。
『……うまいな、おっさん』
集団に自然と溶け込んだハウルグに感心しながら、ザイツは運ばれてきた発泡酒を一口飲みつつ、酒場の客達を観察した。
「あんた、この辺で働く冒険者じゃねぇだろ?」
「判るのかい?」
「ああ。マントやブーツがどことなく北国仕様だ。北に向かうつもりの準備ならいいが、ここから南下するならそれは暑いぜ。この辺で買い換えをお勧めするね」
「なるほど、確かに俺らは北からの流れ者さ。……冒険者ギルドに、ここバロークの町を襲撃するワイバーンの、討伐依頼があったのさ。それでどんなもんかと様子見に、な」
おお、と男達から声が上がった。
「えっ、本当かい?」
「誰が頼んだんだ?」
「さぁ? 町助役辺りか? だが誰かがやってくれるなら、そりゃありがたいぜっ」
「そうだなっ。魔王軍が出張ると、すぐに港封鎖だなんだと大げさになっちまうからなっ」
『……普通に、喜んでいるな』
観察しているザイツには、男達の様子に不自然さはなかった。
「ふぅん。やっぱりワイバーンは今ん所、魔王軍が追い払ってんのかい?」
「まぁな。そりゃワイバーンに襲われるよりはいいけどよぉ、夜中に空でドッカンドッカンされると恐ろしいぜ。船は使えなくなるしっ!!」
「とか言いつつ本当は、ワイバーンに散々コケにされてる魔王軍ざまぁ~っ、とか思ってんだろぉ~旦那方~?」
「確かに思っちゃいる。思っちゃいるがぁ、こんな事はさっさと終わらせて欲しいねっ」
「そうそうっ。多少胸がスッとしたって、生活に不自由が出る方がずっと困るぜっ!!」
「今の俺らには、魔王軍よりワイバーンの方がムカつくんだよっ!!」
「町の住民は、みんなワイバーンには迷惑してんだっ。アレを始末してくれるんなら、魔王軍だろうと冒険者だろうと、大歓迎だねっ!!」
「そうだそうだっ!!」
「まったくだっ!!」
『……やはり、嘘付いてる感じはねぇな。……それに、酒場の皆も同意見のようだ』
他のテーブルの男達も、男達に酒を出す酌婦達も、ワイバーンへの罵倒に頷いている。
『別にこの酒場の意見=町人の意見とは思わないが……ワイバーンのせいで生活の不自由があるなら、ワイバーンを迷惑だと思ってる町人は、少なくないだろうな。……もし町人の中にワイバーンの共犯黒幕がいたとしたら、協力者を得るのは難しいんじゃないか』
ザイツは酒を口にしながら、考えを巡らせる。
そんなザイツの横で、ハウルグは男達と世間話を続ける。
「しっかし、ワイバーン一匹が町をしつっこく襲ってくるなんて、珍しいよな」
「ん? そうなのかい冒険者さん?」
「ああ。ワイバーンってのは竜族とはいえ、普通そこまで強い個体じゃないからよ。撃退されたら、その狩り場は諦めて、別の場所に行くもんだと思ってたぜ」
「へぇ~」
「なんでこの町は、しつこくそのワイバーンに襲われてるんだ? あんたらワイバーンの恨みでも買ったのかい?」
冗談めかしたハウルグの問いに、男達は困惑したように首を振る。
「ワイバーンなんて、そもそもこの辺に生息してたか? 野生のワイバーンなんて俺ら見た事も無いぞ」
「騎竜としてのワイバーンなら戦争中も今も良く見るけど……」
「案外、そいつは騎竜だったかもな?」
「……だとしても……うーん……何かあったか?」
「さぁ……過去の戦争中なら何かあったかもしれないが……ここ最近で何かって言われてもなぁ? 俺ら今回はそもそも戦ってないし」
「昔の戦争って関係あるのか? あのワイバーンが出没し始めたのって、最後の戦争が終わってしばらくしてから……ここ最近だろう?」
「ああ。そうだった。……昔の恨みだとしたら、なんで今更?」
「ゼルモア神聖教国側が何かやったんじゃねぇの?」
「そうかぁ?」
「うーん?」
以前聞いた情報と男達の言葉を内心で整理したザイツは、確かに奇妙だと感じる。
『ワイバーン――オレンジ七号が主を失い消息を経ったのは、二年前のバローク海域での戦闘で……姿を見せたのがここ最近。……なるほど妙だ。この周辺で生きていたとしたら、オレンジ七号は何故姿を見せなかった? 逆にこの周辺で生きていなかったとしたら、何故急に姿を見せた? ――オレンジ七号は、空白の二年間何をしていた?』
考え込んでいるザイツの耳に、後ろから小さく呟く声が聞こえた。
「……ワイバーンはともかく……竜騎士クレマンは、さぞ俺らの事を恨んでいるだろうなぁ……」
「え?」
「あ……」
クレマンの名が聞こえた途端、酒場は一瞬静まる。
「いや……すまん」
ザイツに聞き返された男は、気まずそうに俯き、杯を握った。
「あー……竜騎士クレマンつったら、ゼルモアの英雄だよな?」
「え、あ、ああ……まぁな」
取りなすように、ハウルグは明るい声で言う。
「恨まれてるってのは、この町が降参して、ゼルモアを裏切ったからか? ……だが竜騎士クレマンは、心身共に優れた、慈悲深く高潔な騎士だったって話じゃねぇか。町が生き残るために選んだ苦渋の選択を、責めるような御方じゃねぇと思うぜ?」
「……そうだな。あの方は本当に素晴らしい騎士様だった。……だが」
男は杯をあおり、ハウルグに続ける。
「俺があの方だったら……きっとこの町を恨む」
「どういうこったい?」
「……あの方はな……この町の出身だったんだ」
「……へぇ?」
新事実に、ハウルグと共に、ザイツも耳を澄ます。
「本当かい? ゼルモアの英雄って言うくらいだし、俺はあの方はてっきり、ゼルモア聖都辺りの、御貴族サマの出だと思ってたぜ」
「全然違うさ。……あの方はな、この町の漁師の息子だったんだ。よく一緒に遊んだもんだと、俺の父ちゃんが自慢してた」
「へぇ~、漁師の息子が騎士になったのかっ」
「……なんでも、竜騎士選びの儀式に、数合わせで参加させられたんだってさ」
「竜騎士選び?」
「ああ。高位竜は生まれると、自ら主人とする相手を選ぶ。だからクレマン卿のレッドドラゴンが生まれた時も、ゼルモア中の良家が子息や親族の子を竜騎士とすべく、儀式に臨んだんだ。……だけど、当時町を治めていた町長様には、その時偶々年齢の合う子息も親族の男子もいなくてな。儀式に参加しないよりはマシかと、町から適当に見目が良く頑健な少年を選んで、儀式に行ったんだとさ」
「ははぁ、それでクレマン少年が選ばれちまったのか」
「町中で、びっくりしたらしい」
男はしみじみそう言うと、小さくため息をつく。
「クレマン卿の御家族は皆亡くなっていたが、クレマン卿は懐かしんでよく、この町に滞在されていたそうだ。友達だった老漁師達と飲み交わす姿を見たこともある。……あの方にとってこの町は……間違い無く故郷だったんだ。……なのに俺らは、自分達を守るためにあの方を裏切っちまった」
誰かの鼻をすする音が小さく聞こえる。
「……あの方はこの町が降伏したと知っても、何もなさらなかった。……裏切り者めと、この町一つ破壊する事くらいあの方なら容易いことだったろうに……あの方は最後までこの町を、守るべきものと思って下さっていたんだ……だってのに……」
「……恨んでないはずがねぇよな」
「……仕方がない事だったって何度思っても、最後まで素晴らしい騎士だったクレマン卿を思い出すと……申し訳なくてなぁ……」
町が誇る英雄を裏切ったという罪悪感は、町人達の中に重くのし掛かっているようだった。
『……確かに、俺がもし竜騎士クレマンなら、恨み骨髄で裏切った町の住民皆殺しにしてそうだが……』
そんな町人達を冷めた目で観察しながら、この情報は事件解決の役に立つかとザイツは考えていた。
ハウルグは世間話を楽しむように、男達と話を続ける。
「だがあんたらは、竜騎士クレマンを弔ってるだろう?」
「……ああ、祭壇を見たのか。……それくらいしか、できなかったからな。確認が終わったので、クレマン卿と愛竜の遺体を返してもいいと魔王軍に言われた時、皆で話し合ってそうさせてもらったんだ。……クレマン卿と愛竜ウィルジニーは、港近くの墓所で眠っている」
「そうか。……だったらあんたらはできる事をした。あまり気にするな。クレマン卿だって、あんたらの辛い胸の内はわかっていたさ」
ありがとうよ、と返した男は、力無く肩を落としながら酒を飲んだ。
酌婦の盆に銀貨を投げ入れ酒瓶を手にしたハウルグは、そんな男の杯に酒を注ぎ足してやりながら、話を続ける。
「そういや、この町は合議制なのかい?」
「ごーぎ?」
「ああ、皆で話し合ってって事さ」
「……はは、取り纏める上がいないんだ。今後どうなるにしても、今は町人達で話し合って決める他ねぇだろ」
「上がいない? 町長がいるんじゃないのか?」
「――逃げやがったのさ。あのクソ野郎!」
男の言葉に、周囲からも町長への罵声が飛ぶ。
「元々ロクデナシだったが、自分だけ私兵を連れて、馬車一杯に財産詰め込んで逃げた時には愛想がつきたなっ」
「クレマン卿を竜騎士にした町長様は良い方だったんだが、その方が亡くなって、遠縁だったそいつが後を継いで……こいつがまた、ろくでもねぇ!!」
「金遣いは荒い、重い町民税はかける、私兵を雇って乱暴する! 不正だって山ほどしてたんじゃねぇか?! ……おまけに気に入った娘を見つけると……っ!」
「奴隷の娘も鎖に繋いで大勢侍らせていたが、あいつは病気だったよ! 金を私兵達に取られて、殺されていればいいんだ!!」
「そうだ!! 死ねばいい!! 殺してやる!!」
「町に帰ってきたら、魔王軍に拘束される前にブチ殺してやる!!」
「魚の餌にしてやる!!」
「よせよせ、魚がまずくならぁ!!」
いつの間にか町長への罵声大会になってしまった酒場に、ザイツとハウルグは視線を交わして小声で話す。
「おっさん……事件から離れてねぇか?」
「どうかな……もしかしたら、関係ある情報かもしれねぇな。まぁ、戻った後で名探偵に仕分けしてもらうか。……とはいえ、そろそろ次に移動するのもいいか?」
「あぁ? もう帰る気か二人とも」
「うぉ?!」
「もっと付き合えよーっ。愚痴聞いてけよーっ!!」
「うへぇー……」
「おいおい、みんな無理強いは良くねぇって。……酒ありがとうな。久しぶりにクレマン卿の話ができて、少し楽しかったぜ」
ザイツ達に絡んだ酔っぱらい達を押しとどめたのは、クレマンの話をした中年男だった。どこか寂しげにそう言う男は、仲間を宥めてザイツ達に言う。
「まだしばらくいるんだろう? よかったら、またここに来いよ」
「ああ、ありがとうよ」
人懐っこい笑顔で頷いたハウルグは、ああそうだ、とついでのように言う。
「この町で長く仕事をするなら、一応代表者にも挨拶しておいた方がいいと思うんだが、町長がいないって事は、誰に話を通せばいいんだ?」
「ああ、それなら一応町助役のギョームだと思うが……今更あの爺さんに何ができるとも思えないし、別に必要無いとおもうぞ」
「……町助役?」
「町長の下で働いていた、小役人の一人さ。……黙々仕事してた腰の低い爺さんだし、本人が悪さしてたわけじゃないから俺達も特に何かをしようとは思わないけど、でも今何か権限持ってるわけでもないからなぁ」
「へぇ……元町長配下か。……そりゃさぞかし、町の事には詳しいんだろうな? 色々と記録も残ってるだろうし」
そうじゃないか? と興味なさげに言う男に背を向けて、ザイツとハウルグは店を出る。
「じゃあおっさん、手分けして他の店でも話を聞くか?」
「そうだな。一通り聞き終えたら朝になるだろうし、そしたら町助役の家だな。……小役人って、案外色々と知ってんだよ。書類とか残してる事もあるし。とりあえず、分析に使えそうな情報は、根こそぎ持って帰ってケイトに見せてみようぜ?」
「……おっさん、なるべく犯罪はやめておこうぜ?」
「ばれなきゃ犯罪じゃないって、良い言葉だよなぁ♪」
「……通報されたら俺だけ逃げよう」
こうして一晩中町人達から『様々な方法で』情報を収集したザイツとハウルグは、一段落した所で船に戻った。
「しかしこの中に、事件解決に繋がる情報はどれだけあるんだろうな?」
「さぁ?」
集まった情報を整理する二人に、事件の全貌はまだ見えてなかった。




